新世紀のビッグブラザーへ blog

作家 三橋貴明のホームページ「新世紀のビッグブラザーへ」のブログです。

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OSIの基本参照モデル

 今日は珍しく、経済・メディア以外の話を。
 OSI基本参照モデルというのはご存知でしょうか?(知っている方が珍しいので、知らなくても気にしなくていいです。) 
 一応、わたしの本業である通信ネットワーク関連の話です。
 通常、通信機器というのは各通信機器メーカが勝手に自分たちの製品を作ります。但し、それぞれのメーカが自分勝手な仕様で製品を出荷されると、相互接続性が無くなりユーザが迷惑することになります。(最近、敗北したHDDVDのメディアは、ブルーレイで使用できないようなものです)
 そこで、異なる機種、機器間でもデータの正常な通信を実現するための通信規約(プロトコル)が階層型の体系としてまとめてあります。それがOSIの基本参照モデルです。
 例えば、皆さんはインターネットに接続する際に、ISPへの接続機器(モデム、ケーブルモデム、ターミナルアダプター、メディアコンバータなど)とパソコンとの間を、何らかのケーブルで繋いでいますね。そのケーブルの仕様、コネクタの仕様などを世界共通の規格として定めてあるということです。例えば通常のLANでは10Base-Tや100Base-TXのケーブルを使いますが、その際には物理的なケーブルとしてツイステッドペアを用い、コネクタは例の「カチャッ」とはめ込むものを使えと、そういう規格を定めてあるということです。
 以下は、OSI基本参照モデル。データ通信を行う際の約束事を、七つの階層で定めてあります。

第7層 アプリケーション層:ネットワーク経由で通信するアプリケーション同士の共通データ構造などを規定
第6層 プレゼンテーション層:文字コードや圧縮形式などの機器固有のデータ形式を、ネットワーク共通形式に変換する方式を規定
第5層 セッション層:データが流れる論理的な回路の確立、切断、回線状態の管理方式を規定
第4層 トランスポート層:データの送受信についての手順の確認や、信頼性確保の方式を規定
第3層 ネットワーク層:ネットワーク同士の通信を行うための方式を規定
第2層 通信端末同士のデータの識別、経路の選択、エラー検出の方式などを規定
第1層 ケーブルのインターフェイス形状など物理的な、物質的な方式を規定

 前述のツイステッドペアケーブルは第1層、MACアドレスなどは第2層、インターネットプロトコル、所謂IPは第3層、TCPは第4層で定められています。つまり、俗に言うTCP/IPは第3層から第4層までを包括した言い方になります。
 WEBアクセスなどのプロトコル(HTTP)やFTP、メールなどのプロトコル(IMAP、POPなど)は、TCPよりも上位の、第5層以上のプロトコルになります。
 ところで、もしもまだ大学生の読者の方がいらっしゃり、ITベンダーに就職しようと考えた際には、その会社がどの階層をメイン・ビジネスとしているかが、かなり重要なポイントになります。例えば第1層のビジネスをしている会社は、具体的にはケーブルの製作や、ケーブルの設置をしている会社になります。あるいは第3層をメインターゲットにしている会社は、ずばりルータの生産が主な業務になるはずです。
 ところで、企業の付加価値というものを考えたときには、このOSI基本参照モデルの上位層であればあるほど、高くなります(付加価値が)。別の言い方をすれば、モデルの上位層であればあるほど、他社との差別化がやりやすくなるのです。
 最も上位になる第7層、すなわちアプリケーション層が、最も付加価値が高く、競合との差別化も楽です。これはOSIの階層の下から上まで、一通りの会社で実際の業務を担当したわたしの経験上、確実性が高いとお墨付きを差し上げられる法則です。
 但し、最上位アプリケーション層よりも更に付加価値が高く、差別化がしやすく、顧客からお金を頂きやすい業務があります。それが、コンサルティングなのです。
 コンサルティングは何しろ人件費以外の費用があまり必要ありません。そして、その人の能力次第で、付加価値を(競合を無視して)高く設定していくことが可能です。もちろん、本人が能力不足であれば、クライアントから契約を解除され、仕事を失うことにはなりますが。
 但し、製品ベンダーのように製品在庫、納期、保守部材、製品品質などに悩まなくて済む分、リソースをコンサルティング一点に集中することができます。その点、ハードウェアのベンダーなどに比して有利になります。
 
 実はこれが、わたしが「中小企業診断士」という資格を取った、最大の理由だったりします。

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