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「とんでもないことだ」外国人参政権反対集会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100202-00000586-san-pol
 保守の立場に立った政治勢力の結集を見据え国民運動を展開する「頑張れ日本! 全国行動委員会」(代表・田母神俊雄前航空幕僚長)は2日、永住外国人への地方参政権(選挙権)付与に反対する総決起大会を都内で開いた。自民党の安倍晋三元首相は民主党の小沢一郎幹事長が訪韓の際に通常国会での法案提出に前向きな姿勢を示したことに「とんでもないことだ」と批判、平沼赳夫元経済産業相は「民主党の横暴に黙っているわけにはいかない」と訴えた。』

 恐らく産経新聞以外は記事にしないでしょうが、昨日、日比谷公会堂で開催された「頑張れ日本! 全国行動委員会」に参加してきました。(正直、六時間半はきつかったです。。。わたくし以外に参加された皆さんも、お疲れ様でした。)
 写真は20100202-1がわたくしが壇上の席から撮ったもの(2000人以上来られていました)で、20100202-2がYW様が御提供くださったものです。20100202-1の白髪のお二人は誰かと思っていましたが、右側が今度(3月?)対談本が出る日下公人氏でございますね。しかし、すぎやま先生や日下氏、石平氏など、仲良くして頂いている方々にお目にかかれて、大変嬉しく存じました。

 さて、ポール・ボルカー氏でございますが、ボルカー氏は以前からウォール街主導型の経済運営(バーナンキ・ガイトナー路線)に批判的で、約一年前に「公的資金を受け入れたにも関わらず、リスクの高い投資を続けるウォール街の銀行」を規制するべしという報告書を出しています。しかし、一年前といえばオバマ大統領前後で、しかもオバマ大統領の支持母体は労働組合と「ウォール街」だったのです。ボルカー氏の提案が顧みられることはありませんでした。

 わたくしが宝島社からアメリカ経済本の企画を頂いた際は、未だにウォール街主導型路線が続いていましたので、その線で書き始めました。ウォール街と地方のアメリカ国民が完全に分裂し、オバマ政権は対処不可能なる、という路線です。(何しろ第一章のタイトルが「二つのアメリカ」)
 ところが、年末が近づいた頃から戸締役様などから情報がポツポツ入り始めたこともあり、どうもアメリカ(というオバマ政権)は「ボルカー路線」に向かうかも知れないぞ、と予感がし始めました。(個人的には、今のアメリカにはボルカー的金融規制主義が必須だと思いますので)
 結果、一月後半から本日まで、続々と「ボルカー路線」が報じられるようになりました。昨日は一般教書演説を取り上げましたので、本日は残りをご紹介いたしましょう。

オバマ米大統領、金融新規制案を発表
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_24827
 オバマ米大統領は21日、大手銀行の規模と事業活動を制限するための新たな規制案を発表した。金融機関の行き過ぎ抑制を目指すために米政権が取り組んでいる金融規制改革の一環。
 同政権は、預金を取り扱う商業銀行各行が自行の資金で投資する「自己勘定トレーディング」の禁止と、金融機関各社の規模と業務集中に対する新たな制限を求めると表明した。 (後略)』
 
 この記事で、オバマ大統領と一緒に写真に写っている方が、ボルカー氏です。以前は、この位置にはガイトナー氏がいました。

米の規制強化策を歓迎 金融安定理事会
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100123/fnc1001231125007-n1.htm
 各国の金融監督当局でつくる金融安定理事会(FSB)は22日、オバマ米大統領が前日に発表した新たな金融規制策について「提案は、FSBが検討している選択肢の範囲内にある」と歓迎する声明を発表した。米国の金融規制策にFSBがお墨付きを与えた格好だ。(後略)』

 オバマ大統領の金融規制改革発表の翌日に、すかさずFSBが賛意を示したわけです。予め根回しが済んでいたわけですね。

米上院、バーナンキFRB議長の再任を承認
http://www.cnn.co.jp/business/CNN201001290010.html
 米上院は28日、今月末で1期目の任期切れを迎えるバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の再任を、70対30で承認した。
 FRB議長の承認は従来、圧倒的な賛成多数で決まることが多く、反対票30は歴代議長と比べて非常に多い。 (後略)』

 40票差とは、FRB議長の承認が始まった1978年以来、最小です。

オバマ米大統領:300億ドルの地銀支援を計画−中小企業向け融資で
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aASSIjCop.MU
 オバマ米大統領は中小企業向け融資を促すため、地方銀行に300億ドル(約2兆7120億円)を提供する計画を発表する。複数の政府関係者が明らかにした。 (後略)』

 おお・・・・。問題の地方銀行(及び、その向こう側にいる中小企業)に対する支援までも計画しているんですね。これはかなりはっきりした「メッセージ」に思えるのですが、いかがでしょうか。

ボルカー氏:ヘッジファンド、繁栄も破たんも自身のリスク
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aiF8Nksodx40
 ボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長はヘッジファンドやプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社が利益を得ようと破たんしようと、政府は手を出さないのが望ましいとの見解を示した。
 ボルカー氏(82)は2日、米上院銀行委員会で証言する。証言の事前原稿によると同氏は「経営幹部のほか、株主や共同出資者はリスクを負い、多額の利益を獲得することもできれば全額失うこともある。それは自由な企業競争の世界においては然るべきことだ」と述べた。 (後略)』

 地方銀行の救済が始まると同時に、ウォール街の投資会社は「市場競争に任せる」というわけですね。こちらも露骨な「国民経済優先」、ウォール街主導型との決別を意味するメッセージだと思います。
 
 宝島社の「ドル凋落(仮題)」を書き上げて、一番思っていることは、
「ああ、一ヶ月前に書き上げなくて、よかった・・・・・・
 です。12月末が締め切りだった場合、現状と全く異なる雰囲気の本になってしまったことは間違いありません。オバマ大統領の一般教書演説が第三章(最終章)に間に合ったことは、本当に幸運でした(事前に色々とレクチャーしてくれた、渡邉様と廣宮様にも感謝を)。
 地銀支援や「ヘッジファンド、繁栄も破たんも自身のリスク」は、あとがきで取り上げることができるでしょう。

 さて、アメリカの政策の大転換とはいえ、なぜ「ポール・ボルカー氏」について、前編、中編、後編と三日間も費やして取り上げるのでしょうか。アメリカの話だけをするのであれば、中編(本日)で終了しても構わないのです。
 しかし、この「ボルカー路線」により多大な影響を受けそうな(と言うか、受けている)「ある国」について、取り上げないわけにはいかないのです。今回のアメリカ政策転換とその国との関係は、昨日の青山繁晴氏との対談でもメインテーマの一つになっていました。青山氏のご意見もご紹介しながら、明日は「ポール・ボルカー 後編」としてお届けすることに致します。

 その国とは、果たしてどこでしょう。ずばり、中国です。

六時間半頑張った日比谷公会堂組に「乙!(おつかれ、の意)」と言って下さる方は、↓このリンクをクリックして下さい。
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http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/32579653.html
ポール・ボルカー 前編(の前編)からの続きです。


 二つのアメリカとは、要するに「失業率10%、年間に140行の銀行破綻」という環境下で苦しむアメリカ国民と、09年第4四半期に史上最高益を出してしまうゴールドマンサックスに代表されるウォール街とで、アメリカという国が二分化されているという問題です。特に、ウォール街は「アメリカ国民のためのマネー」をドルキャリーの形で海外に持ち出し、外国との金利差で稼いでしまっているのですから、なかなか微妙な感じです(別に、違法ではないですが)。
 オバマ大統領の一般教書演説からは、この問題に真正面から取り組もうとする姿勢が、明らかに感じられました。最も印象的だった部分を、抜き出してみましょう。

「我々は多くの新規雇用が生まれる場所から歩みださねばならない。それは中小企業だ。ペンシルベニア州アレンタウンやオハイオ州エリリアのような場所で企業家と話してみると、ウォール街の銀行が貸し出しを再開している先は、もっぱら大企業だということがわかるだろう。米国中の中小企業オーナーにとって、企業の環境は厳しいままだ」

「我々はクリーンエネルギー施設を建設するよう米国人をより後押しすべきだ。住宅のエネルギー効率を上げる人には払い戻しをすべきだ。それは雇用創出につながる。企業が米国内にとどまるように、雇用を海外に流出させる企業への減税をやめ、米国内で雇用を生む企業に対して減税する時だ」

「まずは金融改革だ。言っておくが私は銀行を懲らしめたいのではない。経済を守りたいのだ。強く健全な金融市場は企業が資金を確保し、雇用を創出できるようにする。家計の貯蓄を投資に橋渡しし、それが収入を引き上げる。しかし、そのためには米経済全体を崩壊させかけた無謀さから身を守らなければならない。
消費者や中間層家族に情報を提供し、きちんと金融に関する意思決定ができるようにしなければならない。あなたの預金を受け入れた金融機関が、経済全体を脅かすようなリスクを取るのを許してはならない

「我々の製品をもっと輸出しなければならない。今夜、新しいゴールを設定する。今後5年間で輸出を倍増させる。これは200万人の雇用を支える。このため『国家輸出計画』を立ち上げ、農家や中小企業が輸出を拡大することを支援する」

 国内雇用。中小企業中心。金融ビジネスの規制。そして、輸出の拡大。

 「二つのアメリカ」を解決するために必要なパーツが、一通り揃っています。まあ、確かに、
「アメリカが輸出を拡大すると言っても、いったい『どこの国』『どこの市場』に対して輸出を拡大するつもりなんだ?」
(※いうまでもなく、世界最大の消費市場はアメリカ自身)
「銀行規制でウォール街の金融機関が外国に逃げていってしまっても、本当に大丈夫なのか?」 
 などと、色々と突っ込みが浮かんでくるでしょうが、世の中にパーフェクトな対策など存在しません。
 特に、金融面に限れば、今後のアメリカは次第に保護主義的な色を強めていく可能性が高いと思います。また、個人的には実需面の保護主義も、普通にありえると思っています。「雇用を海外に流出させる企業への減税をやめ」とか、それっぽいでしょう?
 少なくとも現在のアメリカにとって、グローバルに展開する金融企業など、国内経済活性化のためのボトルネック(制約)に過ぎません。ある程度の金融保護主義は、非常に真っ当な考え方だと思います。(日本の自称「ぐろ〜ばりすと」さんたちが、どうコメントするか、ワクワクテカテカってなものです)

 これまでのガイトナー&バーナンキ路線(ウォール街優遇主義)から、大々的な政策転換が始まる可能性があるわけです。
 その裏にいる(と思われる)人物こそが、アメリカ経済再生諮問会議議長にして、かつ「二十世紀最高のFRB議長」と讃えられた、ポール・ボルカー氏その人になります。

 さて、それではそろろろ『頑張れ日本!全国行動委員会』(その前に青山繁晴氏と対談)に出発致しますので、続きは明日にでも。

アメリカの豹変に「自称経済評論家」の人たちが、どのように慌てふためくのか、思わずニヤリとしてしまった人は、
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 TAC出版の「経済ニュースの裏を読め! 」 またまた増刷(第五刷)が決まりました。何気に第五刷までいったのは、「本当はヤバイ!韓国経済」以来でございます。ありがとうございます! 

 いつの間にか代表戸締役様(渡邉哲也様)が、西村さんや藤井さんと仲良しになっていて、吃驚しました。Twitterで親しくなられたそうですが、要はそういう時代ということでございますね。
 宝島社の締め切りは終わったものの、すぐさま次回作(講談社「国家のグランドデザイン(仮題)」)の仕事が始まり、同時に政治活動が本格化してきたため、全く時間が取れない状況に陥っています。木曜日(4日)からは少し楽になる(はず)のですが。

 まずはお知らせですが、わたくしは自民党青年局・女性局の全国キャラバン(仮称<<<本当に「仮称」と書いてあるのです)の一部に参加致します。とりあえず確実にいけそうなのは、13日(土)の佐賀県、14日(日)の高知県(おお!幹事長氏の地元です)における対話集会や、街頭演説会に参加する予定です。
 今後、この手のイベントを(幹事長氏中心に)たくさん企画する予定になっていますので(↑これは党企画ですが)、ご期待ください。

 現在、本業(&MPJ準備)をやりつつ、政治活動の準備に懸命にこなしていっています。具体的に何をやっているかといえば、事務所の手配、預金口座の準備、Webの用意、スタッフ集め、スタッフの名刺などの準備、ツール(リーフレット等)の準備など諸々です。一々党本部や都連に確認しつつやっているので、少々時間が掛かってしまっていますが、後で足元をすくわれないように、リスクマネジメントに重点を置くようにしております。
 とは言え、さすがに今週中には色々と仕上げていきますので、徐々にオープンにしていくことができると思います。
 しかし、執筆とメディア立ち上げと政治活動を同じ時期にやろうとする人は、あまりいないでしょうね・・・・。ITがなければ、絶対に不可能です。

米、雇用創出へ包括対策 オバマ大統領一般教書演説
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100128ATGM2802O28012010.html
 オバマ米大統領は27日午後9時(日本時間28日午前11時)から米議会で一般教書演説に臨み、今後1年間の基本的な政策方針を打ち出した。雇用創出を最優先とする立場を表明し、減税など中小企業への支援拡充や「今後5年間で輸出を倍増させる」計画により包括的な対策を進める考えを強調した。中低所得者層を下支えするために子育て減税などを強化する半面、歴史的な水準まで拡大した財政赤字の削減に取り組む意向も明らかにした。(後略)』

 アメリカのオバマ大統領が1月27日に一般教書演説に臨みましたが、非常に特徴的と言うか、アメリカの「転進」を象徴するものになっていましたので、詳しく取り上げます。とは言っても、対テロ戦争や社会保障の部分は専門ではありませんので、主に経済に的を絞らせて頂きます。
 今回の一般教書演説では経済にかなり多く時間が割かれていたのですが、これまでアメリカが抱えていた「二つのアメリカ」という問題について、明らかに「解決しよう」という意思が見られ、大変驚きました。「二つのアメリカ」問題を解決するには、ウォール街の大手金融機関を敵に回さなければなりません。とは言え、オバマ大統領自身がウォール街(及び労組)の支援で大統領選を勝ち抜くことができたわけで、ウォール街を向こうに回す政策を採る可能性があるとは思っても見ませんでした。
 過去の「二つのアメリカ」問題に関するエントリーは以下です。

【二つのアメリカ 前編】http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10356767951.html
【二つのアメリカ 後編】http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10357615052.html
【続 二つのアメリカ 】http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/31343598.html
【続々 二つのアメリカ】http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10378831747.html

後編に続く
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仮説と現実

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 本日は宝島社から3月に刊行予定の「ドル凋落(仮タイトル)」の締切日でございます。
 元々、このお仕事をお引受した時点では、わたくしと編集さんの頭の中には、巷を賑わしている「ドル暴落!」や「米国債、格下げ!」などのカタストロフィ的な「イメージ」があったわけでございます。
 ドル暴落とは、インフレ率急騰もしくは米国債格下げ、金利高騰により、1ドルが50円を切るような「イメージ」です。米国債格下げは、アメリカ政府の海外債権者に対するデフォルトが間近に迫り、三大格付け機関がAAAを見直す、といった感じの「イメージ」です。
 何で「イメージ」としつこく書くのかといえば、現実にはムーディーズなどが米国債の格下げをするなど政治的にあり得ないし、海外投資家のシェアが半分(厳密には49%)を占めるとはいえ、自国通貨建ての国債をアメリカ政府がデフォルトするなど、こちらもまたありえないためです。
 とは言え、「何となくこんな感じかなあ・・・・」といったストーリー、あるいは仮説がないと、データを調べるにしても何から始めたらいいのか分からないわけです。
 
 というわけで、前述のストーリーに基づき、アメリカのバランスシートやらマネーサプライやらのデータを分析し、グラフ化していったわたくしは呆然としてしまいます。当ブログでも何度かご紹介致しましたが、少なくとも09年9月末までのデータを見る限り、
「アメリカの家計と民間のみならず、金融機関までもが負債を減らしている」(その分、連邦政府が孤軍奮闘で負債を増やし続けている)
「FRBがマネタリーベースを増やしても、マネーサプライはその半分しか増えていない
 という、あり得ないような事実が次々に明らかになってきたのです。

【中央銀行によるマネタリーベース(預金準備)供給の仕組み】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_27.html#Kaitori

 現在のFRBのように、市中から債券(主にGSE債)を買い取り、代わりに預金準備(要は通貨)を供給すると、マネタリーベースはその金額分だけ拡大します。
 預金準備とは、金融機関が中央銀行に持つ当座預金残高(金融機関の「預金」なので、中央銀行にとっては「負債」)であり、金利はつきません。金利がつかないお金を資産計上させておくことは、金融機関にとって鬼門なので、普通はこのお金がすぐに民間への貸付にまわり、マネーサプライを拡大していくわけです。先日も書きましたが、04年からリーマンショックまでのマネーサプライは、平均でマネタリーベースの九倍程度を維持しています。
 ところが、リーマンショック後の現実のアメリカではマネタリーベースの半分しかマネーサプライが増えていないわけですから、尋常な事態ではありません。金融機関からお金が民間に流れない理由は、

◇そもそも民間が負債を減らし続けている以上、資金需要がない
◇一般家計や中小企業などに対しては、銀行側が与信を厳しくして貸せない
◇BIS規制があるため、自己資本比率を引き下げるリスク資産拡大には踏み込めない

 などがあるのでしょうが、それにしても凄い状況です。
 とは言え、民間にお金を貸しにくいとはいっても、お金をFRBの当座預金で眠らせておくわけにはいきません。手元のマネーの「運用難」に悩んでいるアメリカの各金融機関が、最も求める金融商品は何でしょうか?

 もちろん、米国債です。

 オバマ政権は財政支出増加の三年間凍結(国防などは除く)を打ち出しましたので、米国債の発行ペースは遅くなります。そうなると、運用難に悩むアメリカの国内銀行は、ますます国債に殺到し、長期金利は高騰するどころか、むしろ低下していくのではないでしょうか。
 
 国債から通貨の方に目を移すと、こちらも当初の予想とは異なる局面を迎えつつあります。
 そもそもチャンネル桜において、有澤氏がみもふたもない言い方をしていたように、為替レートとは今や「不美人競争」です。どの通貨が買われるかではなく、どの通貨が買われないかにより、レートが動いているわけです。

【主要通貨の対ドル推移 2010年1月】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_27.html#vsUSD

 真ん中の青い横棒は0%を意味してるわけではなく、ドル固定相場制を採用している人民元の対ドルレートです。未だにドルペッグを外せない人民元について、「次の世界の基軸通貨だ!」などと主張している人が日本国内に少なくないですが、そういうことは、せめて人民元がハードカレンシーとまでは言いませんが、変動相場制に移行してから言って欲しいものです。
 豪州ドルは一時的に対ドルで5%近く上昇し、今は戻ってきています。これは「ドルキャリー」による新興経済諸国投資バブルの終焉を示唆しています。
 そして、主要通貨の中で唯一、対ドルで下落して行っている通貨。すなわち、「不美人競争」に勝とうと(?)している通貨がありますね。そう、ユーロです。

 ユーロが下落しつつある理由は、今さらクドクド書きませんが、もちろんPIGS(ポルトガル、アイルランド、ギリシャ、スペイン)です。特に、ギリシャ問題は明らかにクライマックスへと進みつつあり、その結末次第では残りのユーロ諸国もどうなるか分かりません。

『アルムニア委員:EUにはギリシャ救済という「第二案」ない
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=auIwJoXx3HZE
 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のアルムニア委員(経済・通貨担当)は、ユーロ圏当局はギリシャを救済するという「第二案」を用意してはいないと言明した。EU加盟国で最大の財政赤字をギリシャが削減する能力について、投資家の疑問払拭に努めた。
  アルムニア委員は29日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が開催されているスイスのダボスでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「救済問題は存在しない。ギリシャはデフォルト(債務不履行)しない。ユーロ圏にデフォルトは存在しない」と断言した。
  EUによる救済が必要になるとの観測を背景に、ギリシャ国債は急落している。パパンドレウ首相は28日、ギリシャは金融市場のうわさの犠牲者だと発言し、EU諸国に融資を求めていないと明言した。(後略) 』

 オバマ政権(というか、ボルカー氏?)の方針で、金融が規制方向に進み、ドルキャリーの巻き戻しが始まり、ユーロがここまでグダグダでは、「ドル暴落!」のストーリーも荒唐無稽になってしまいます。

 別に経済に限らず、何事につけても「仮説」と「現実」の区別をつけることが大切ということでございますね。この本を書いていて、つくづくと思いました。

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マネタリーベース(前編) からの続きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/32509427.html

 2004年1月から08年8月までの期間について、
FRBのマネタリーベースが1増えると、アメリカ全体のマネーストック(M2で計算)は何倍増えるのか?
 を計算したところ、9.5倍でした。FRBがお金を新たに100供給すると、マネーストックが950増えるというわけです。信用創造の機能が(適正な倍率かどうかは置いておいて)、きちんと働いていることが分かります。
 ところが、リーマンショック後すなわち08年9月から09年12月までの同じ指標を計算すると、何と0.5倍になってしまっているのです。すなわちマネタリーベースを100増やしても、マネーストックは50しか増えないのです。
 本当かいな、と、思わず廣宮さんに「どらえも〜ん!」とやってしまいましたよ。

 マネーストック(M2)をマネタリーベースで割った「M2/マネタリーベース レバレッジ倍率(命名・作成:廣宮さん)」は、以下の通りです。

アメリカ マネーストック(M2)/マネタリーベース レバレッジ倍率
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_26.html#M2

 こちらは増加額ではなく、実額です。要するに、マネーストックがマネタリーベースの何倍「存在しているか」を表しています。
 リーマンショックまではマネタリーベースの9倍(ほぼ増加額と同じ倍率)あったアメリカのマネーストックですが、これがリーマンショック以降に4倍にまで落ち込んでしまいました。すなわち、FRBの超金融緩和によりマネタリーベースは増えているものの、マネーストックはほとんど増えていないわけです。
 結構、衝撃的なデータですので、未だに信じられないでいます。ソースを明記してありますので、お時間がある方は、是非とも検証をお願いできればと存じます。

 要するに、現在のアメリカで何が起きているのかと言えば、銀行の流動性が改善し、銀行側がお金を貸したくてたまらない状況であっても、借り手がいない(もしくは中小企業や家計などには、銀行側が不良債権化を恐れて貸さない)というわけです。まさしく、どこかの国と瓜二つな状況になっているということになります。
 この状況で国債を発行しないと、銀行としては海外投資を増やすしかありません(現に拡大しています)。とは言え、新興国バブルもそろそろピークアウトしそうな状況なので、結局、アメリカの銀行も「国債に殺到する」状況になるのではないでしょうか。
 こんな状況にありながら、議会が「政府負債の法定上限」で紛糾するのは、さすがにどうかと思ってしまいます。

 冗談抜きで、アメリカ国債の金利が、日本を下回る可能性もゼロではありません。すなわち、アメリカのバランスシート不況の悪化です。
 現在の日本は、最大の経済大国がこのような状況にある世界を生きているということを、常に頭に置いておく必要があると思うのです。
 
アメリカのバランスシート不況の状況に、ガクブルが止まらなくなってしまった方は、↓このリンクをクリックして下さい。
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