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最近はグレーゾーン金利での貸付を行っていた貸金業者に対する過払い金の返還請求が相次いでいます。この過払い金返還の影響で大手消費者金融は軒並み赤字に転落し、中小の貸金業者では廃業や営業譲渡に追い込まれるところも少なくありません。先日、東証1部上場の貸金業者クレディアも過払い返還の煽りを受け業績が悪化し、民事再生の申し立てを行いました。民事再生の申し立てが認められると、クレディアの債務(銀行からの借入など)は大幅にカットされ、裁判所の管理の下、事業の再生を進めていくことになります。今、このクレディアの民事再生に関し過払い金の取扱について問題になっています。
つまり、過払い金もクレディアの債務ですから、民事再生によってこれが大幅にカットされてしまうのではないか?というものです。では、過去においてどのような取扱がなされてきたのでしょうか?民事再生ではなく、会社更生の事例ですが、ライフのケースでは過払い金はカットされました。アエルやナイスの場合は過払い金はカットされませんでした。クレディアのケースはどうなるのか?今後、東京地裁がどのような判断をするのかが注目されます。
実は、以上の話は、前置きで、タイトルの『 過払い金の踏み倒し? 』の本題はここからです。
今回のクレディアのケース(過払い金返還請求が多発した煽りを受けて倒産した)で、仮に東京地裁が過払い金の大幅なカットを認めたらどうなるでしょう?まず、考えられるのが、今後も同様の原因で申し立てが続くことが予想されますが、クレディアの件がモデルケースとなり、以後同じようなケースで民事再生の申し立てがなされれば、過払い金の大幅なカットが認められる可能性があります。この場合、次のようのことが考えられないでしょうか?
例えば、過払いに窮した貸金業が予めスポンサーを見つけておき(外資系の企業再生ファンドなどは目をつけ、倒産直前の企業に自ら話を持ちかけるかも知れません)、民事再生の申し立てを行い、過払い金の全額支払いを免れ、事業の再生を行うということが考えられないでしょうか?つまり、過払い金返還に窮した貸金業者は、民事再生の申し立てをすることにより、合法的に過払い金の大幅な免除を受け、事業を再生することが可能になってしまいます。これでは、強行法規たる利息制限法の潜脱になってしまいます。このようなことを行うであろう場面は、さまざまなものが考えられます。前出の外資系の企業再生ファンドや、現経営陣に対するクーデターの1手法としても使えるかもしれません。
このような事態が生じないようにナイスやアエルのときのように、過払い金については全額の返還をするべきではないでしょうか?
民事再生の手続きの中で一定以上の債権者が再生計画に反対すれば、民事再生は認められず、破産へ移行します。過払い債権者が結集して再生計画に反対し、破産に移行させることが出来れば、上記のような企業再生のスキームは崩れますから、全国に多数いる過払い債権者が再生計画に反対しクレディアのケースを先例化させないことが必要になってくるのではないでしょうか?実際に弁護士、司法書士など代理人のつくケースでは反対票を集め、再生計画不認可を得ようとする動きもあるようです。
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