|
英文ダウジングの中村さんのブログで紹介されていて興味を持っていました。廉価な文庫版が
出来したということで読んでみました。
経済学の本というよりは、統計学の本とでもいったところでしょうか。徹頭徹尾データに
基づいて世の中のことを語っていくスタイルになっています。
各章は、いつも奇妙な質問から始まります。「先生と力士」と題する章では、確率と実際の
統計に基づいて、いかさまを実証していきます。日本人なら、7勝7敗で最終日を迎えた力士
は、たいてい勝つということを知っているはずです。特に相手が勝ち越している場合には、
ほとんど勝利しています。
勝敗や日付を度外視した場合の勝率は、5割弱であるのに対して、最終日に勝ち越しがかか
っている場合には、9割近くも勝利しているというデータが提示されておりまして、数はうそを
つけないものだなと思いました。
学校の先生のほうはちょっと特異なものですが、やはりいかさまがなされていることがデータ
からわかります。
翻訳するのが難しいのですが、「落ちこぼれ撲滅法案」なる法律があるそうで、全米で一斉
に学力テストを行って、平均点を達成していないと降格、減俸などの処分がされるようになって
いるそうです。
自分のクラスの成績があまりぱっとしない先生や、器量のない先生ほどマークシートのテスト
の答えをごまかそうとするそうです。同じようなテストを3年生の時と4年生の時を比べてみると
4年生のときの成績が3年生のときより劣るといった、奇妙なデータが出てきます。
実験でいかさまをしそうな先生のクラスを再テストした結果、優秀な先生のクラスと遜色がない
くらいの成績になっていたようで、いかさまをしたことがデータから明らかになっていました。
また、マークシートの間違え方の傾向もこのことを裏付けているそうです。最後のほうは5連続
で正解しているのに、他の簡単そうな問題を間違っていたり、成績のよかった子供が間違えた問題
なのに、いかさまのあったクラスの正答率がかなり高かったなどの傾向もあったようです。
ここであげたものはほんの一部です。麻薬の売人と母親の関係や、親の子育てにおける役割など
についてもデータに基づいた興味深い解釈がなされています。
すべて賛同するというわけではないですが、共感できる部分がかなりあると思います。感情を
排除して冷静に物を考えるきっかけになるかもしれませんね。
|
お元気なようで、良かったです。人間観察という点で「科学」はどの程度役立つのでしょうか?感情的評価は良くない。それは解るのですが、イジメの世界を生きてきた私にとっては、数字による人間評価には、数値化の過程で他人の意思が入る可能性が強い、意識的操作を感じるのです。実社会に適用するには害の方が大きいと思っています。特に倫理・道徳の崩壊した社会では注意すべきだと思います.影響力が大きいだけに。
2006/4/30(日) 午後 0:37
確かに数値というのは残酷な部分があります。格差社会というのを私は非常に身近に感じていますが、数値上は若年層しか格差拡大していないという主張が可能です。しかし同時に不当な主観というものも排除する力を持っています。経済は政治の手柄ではなく企業の手柄であるということは、ここ最近の公共事業の支出と経済の関係を見れば明らかです。感情を正当化させないために毒を持って毒を制するという意味で数値は大切であろうと思っています。
2006/5/4(木) 午後 0:37
水滸伝を読んでの感想です。王朝の衰退期には必ず地方に反乱が跋扈します。王朝勢威期であれば問題無く武力で押さえつけられますが、これが出来なくなると「取込み」を始めます。所謂「毒をもって毒を制する」です。結果は楽に現状維持できますが、ジリヒンで衰退に向かいます。建前が崩れるのです。国家百年の計では、とってはならない政策だと思います。失うものの方が大きいのです。
2006/5/14(日) 午後 3:45
Steven D. Levittで行き着きました。大変参考になりました。ずいぶんとラジカルな考え方ですが、数値化の過程と、正しいパラメーターの立て方によるところが大きいと思います。そしてなによりデータ間イニングの志が正しいことが必要だと思います。
2008/10/1(水) 午後 11:15 [ m( )m ]