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荻生徂徠といえ経世済民ですが、いざその内実を問われると、すぐには答えられないものです。 先生としてこれは致命的なので、若いときにじっくり読んでみましたが、あまり印象に残らな かったですね。そこでもう一度読み直してみました。 彼の思想を一言で言うと、古来の法に従って統治せよということですね。 本書は四巻からなっておりまして、一巻目で江戸の現状について書き、二巻目で法律等につい て、三巻目で人材活用法、四巻目で医者や軍事などについて述べています。 彼は貨幣経済を露骨に批判し、物入りが多くなりすぎている現状を嘆いています。やれ大奥の ご意向だとか、無駄な儀式だとか、古来にはないものを導入しすぎて商人が潤っているというこ とが非常に面白くないようです。 法律等については、戸籍をきっちりと管理し、農民が動くことができないようにすべできで あるとします。どこから来たかわからない人間が多すぎて、江戸の人口が増えすぎている、 犯罪者の得たいが知れないので、取締りが難しいと述べています。 人材活用については、月番制度や身分が高い者からの登用する体制を批判して、専門的に職務 を担わせ、身分の低いものからも人材を登用しすべきとします。 貨幣経済になじんでいるわれわれにとっては、彼の経済運営というものは時代錯誤であるなと は思いますが、人材登用などについては、今でもなお見るべきものがたくさんあります。古におい ても、人材活用というのは難しい問題だったのだなと思います。 日本的な思想は、現在ではあまり人気がありません。でも、日本的な思想についてきちんと触れた
人というのはまれです。典型的な武士道以外の思想に触れたい方はぜひご一読を。 |

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人材の登用の言うのは、本当に難しい話ですね。いっそのこと「科挙」に遡ってみたとしても、現在の日本の国家上級試験や司法試験を見ていると弊害も目立ちますし、永遠の難題ですね。
2006/5/20(土) 午前 11:51 [ gak*1*66* ]
封建制度ですと、出世争いというインセンティブしか競争の原理がないので、己を高めるということが難しいようです。ですから、ある程度の市場原理を導入するために、下層民を登用するということを唱えているわけです。試験はそういった人たちにチャンスを与えるものなのですが、縁故やカンニングなどで、やっぱり上層の人たちに有利になってしまいますね。
2006/5/27(土) 午後 0:21
宣長は「葦分け小舟」の中で「学問」は、「ただ年月長く、倦まず怠らずして、励み勤めるこそ肝要にて、学びようの方は如何様にても善かるべく、さのみ拘わるまじきこと也」と云っています。「人を見る目」も同じだと思います。手軽にマニュアル、数値で得られるものではないと思うのです。人生を修行・修得することで理解できる「目」ではないでしょうか?
2006/5/29(月) 午前 10:11