原著は1964年に出た本で,「ドイツ空軍戦闘記録」という副題がついている.
本体価格が1700円
版元はフジ出版社だから,得意の戦記物を重量感のあるボリュームにまとめている.原著は「クリスタル」という雑誌に連載したものを本にしたものだから,本文だけで463頁,付録と索引を入れると,526頁に達する.日本語版はどうやら3版で,絶版になってしまったのだろう.そしてフジ出版社もいまはない.しかも,光人社や学研の戦記文庫にはまだ収容されていないようだ.
著者のカーユス・ベッカー(Cajus Bekker)は,デュッセルドルフに1924年に生まれ,第二次大戦には海軍の情報将校として参加しており,まずドイツ海軍戦闘記録「呪われた海」を刊行している.ドイツ空軍の最後の数か月を簡単にまとめているのは,正確な資料が存在しないためだという.1945年の8月に重要な資料をすべて焼き尽くして証拠を残さなかった日本と似た状況があったのだろう.しかし1940年11月にはドイツ空軍による英国本土攻撃が終了しているのに,大日本帝国が1941年12月に日米戦争を始めたことが不思議でならない.ヨーロッパ大陸の戦争情報が日本に届かなかったのだろうか?
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