V10 3LのF1エンジンは2005年で終了
3Lの非ニトロ系燃料,自然吸気エンジンのBARホンダF1の記録挑戦車は,車輪が外部に露出したLakesterクラスに分類されFクラスの非茶色燃料使用者に該当する.
挑戦する記録は,Chuck Billingtonが2004年11月に記録した229.969mphで,これを突破して400km/h代にしたいところだろう.F1は2006年よりエンジンの規定が変わりV8エンジンで排気量も小さくなるから,折角1000馬力程度にまで開発したV10の3Lエンジンを記録に挑戦して米国人にも存在を認知させようということだろう.かつて1.5LのF1最後のメキシコGPで優勝したHONDA F1を思い出す.
F1のレギュレーションに従ったBARホンダF1チームの記録挑戦車は,ミシュランから提供されたタイヤを使用するが,タイヤ設定圧は通常の1気圧を倍にして使用する.もちろん通常のスリック・タイヤより岩塩舗装の路面をグリップするインターミデエイト・タイヤで走行する予定だ.
サスペンションの設定は,GPでは通常3.5度の前部ネガティブ・キャンバを0.5度に減らすことによって,露出したタイヤによって発生するF1車の抵抗を70〜75%減少させている.
イタリアGP仕様のリア・ウイングを装備しているが,リア・ウィングは最終的にはつけずに走行することになるのだろう.しかしリア・ウイングのないF1レーシングカーは,最高速で走行する場合には非常に不安定になってしまう.まだダウン・フォースが必要で,ラジエータ・ダクトを整形して傾斜をつけ,エンジンの空気取り込み口は小さくし,前部ウィングの翼端板は整形して小さくし,バージ・ボードを除去した.空力中心は通常のF1よりも後部に移動させたようだ.
エンジンはトップ・ギヤで40秒間(モンザ・サーキットの2倍以上の長さ)の全開走行になるが,最高回転数を1万8200回転に制限することによって,ブラックネルのダイナモメータで模擬走行で往復走行可能としている.
トップ・ギヤは200回転異なる2種類を用意しているが,風向きによって使い分けることになる.FIAの規定では,往路の走行後に1時間以内に復路を走行しなければならないから.
車体重量は,岩塩舗装をグリップするために通常のレースより60kgの錘をボルトで固定している.通常の記録挑戦車はもっと重いが,ノーズ・コーンに重量補正することで重力による直線走行安定性が得られる.もちろん減速用のパラシュートはボンネビルの規格に適合したものを装備している.
|