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文庫がオリジナルのミナト・ヨコハマのガイド本だが,かつて横浜博覧会がいまのみなとみらい地区のこけら落としをを兼ねて開かれたときに出たものだ.バンドホテルはなくなってしまい,赤煉瓦倉庫は観光施設として公開されているし,大桟橋は木を多用した建物に変わった.ミナトを見下ろす野毛に近い伊勢山皇大神宮もホテル経営などに手を出して倒産し,神奈川県神社庁が管理するようになった.東急東横線は桜木町駅が廃止され,料金の高い第3セクターの地下鉄が横浜から元町まで新設された.観光客には便利になっても,住んでいる住民にはなんのメリットもない街つくりが進められてきた.
港が中心だったはずの横浜に来る観光客には,生きている港は見えない.過去の記念品を集めた博物館は適度に分散されているから,手軽な日帰り散歩にはいいだろう.コンテナ船が中心の貨物埠頭こそヨコハマが現役の港として活動している場所なのだが,観光客の目には届かないところで作業が行なわれている.みなとみらい21地区には,現在も広々とした空き地が残っている.街作りが16年経って,いまの眺めは素晴らしいものだろうか? |
旧刊紹介
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いつのまにか手元にある書籍を,現在の状況から見直す.
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光文社文庫だが,これがオリジナルとなる書き下ろしの対談本である.かつて商店街には1軒くらいは時計屋があった.21世紀になると写真屋さんはまだ残っているが,特別な式典(七五三,入学式,成人式,見合,法事など)にプロに撮影していただく習慣はいつまで続くのだろうか?写真の引き伸しも店頭の機械で自分で作業する自販機になっているのだから.そしてデジカメの普及によって,街の写真屋さんも退場してしまうのかなあ.この本は7年前に出たのだが,デジカメに関して記述しているのは全256頁のなかで1頁のみ.銀塩フィルムがCCDセンサになったデジカメといっても写真やカメラの操作はほとんど変わっていない.フィルムをカメラに装填する必要がなくなったが,反対にカメラの電池が切れるともうお手上げ状態といえる.まあ,春が来れば,電池もそう簡単になくならないが....カメラの好きな推理小説家とデジカメを仕事に使う写真家のおじさんお宅の対談だから,話題に事欠かない.書籍は雑誌のようにブランドに気を遣う必要がない(ヨイショというより,近ごろのTVはもう販売促進室べったり過ぎるが)から,輸入商社についても手加減していない.
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西武タイム(現在の社名はSSコミュニケーションズ)より1986年1月に発行された本である.
この本はかつて,「パシフィカ」という出版社より「海洋冒険小説シリーズ」の1冊として刊行された書籍(1980年7月)を再刊したものだが,その後「徳間文庫」(1988年2月)にも収録されたようだ. この本には艦艇評論家として有名な福井静夫さんの「第二次大戦のイギリス海軍魚雷艇」という解説が,12頁も収録されている.もちろん日本の魚雷艇についても十分に触れているが,この付録は得した気分になる.高速魚雷艇(全長26m,3500馬力)に副官として配属された主人公クライブ・ロイス(20歳の志願予備中尉:RNVR)が戦場に暮らしながら過ごす日常を記述した海洋冒険小説なのである.副官から信頼される指揮官への主人公の成長と,さらに大型のフォアマイル魚雷艇(全長35m,5000馬力)の艇長として戦闘グループをまとめて戦う日々を描いたものである. |




