知財屋さんの交渉日記

知財戦争といわれる昨今、交渉三昧の日々の一端をご紹介。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

ブルーシート弁護士

 地下鉄の霞ヶ関の駅から地上に上がると、複数のテレビカメラが来ているのが見えた。何か大きな刑事事件の判決でも出る日かと思った。あたりには政治団体のメガホンから裁判官を批判する演説がこだましていた。

 今日は、期日だったのだ。期日と言うと知財の侵害訴訟では、裁判官が原告・被告を集めて今後の裁判のスケジュールを決める。いついつに次の期日を行うのでそれまでに準備書面を提出してくださいねとか、実験等の証拠の追加はありますかとか、大体決めてしまう。これも裁判官によるのだと思うが、8月は盆休みがあるので実験結果はまとめられません、とか言うとある程度考慮してくれる。

 裁判官というのは、法曹の中でももちろんトップである。弁護士や検事も敬意を払う存在である。裁判官が民事○部の部屋(期日では法廷には集まらない)に入ってくるまではクライアントとぺちゃくちゃしゃべっていた弁護士連中も、裁判官が入ってきたとたん口をつぐんで、まるで教室に先生が入ってきておとなしくなる悪ガキのようである。
 
 本件訴訟における裁判官は、正に校長先生のような存在で、
「はーいはいはい。原告、被告が同時にしゃべるのだけはやめてくださいね。」
とおだやかにいいながら、論客として喋り好きな弁護士たちをなだめる。
 相手方の代理人は頭がボサボサで常にイカりながらしゃべるおっさんである。その風貌たるやホームレス風で、司法試験に受かっていなければ人生波乱万丈だったことだろう。

 一方、うちの代理人はボサボサ頭とは対照的に七三めがねのボンボン丸出しで、座るとウチマタになる。勉強はできたのであろうがプライドが高く、自分の間違いを受け入れられない人間で時々企業の担当者としては扱いに困る。

 一般的に言って、知財の分野の弁護士と言うのはピンキリである。なぜなら、特許法等の知財法を勉強をしていなくても弁護士であれば弁理士登録も可能であり、訴額の大きさに目が眩んで、明細書作成や特許庁とのやり取りなどの特許実務をせずに、大きな収入が見込める侵害訴訟や審決取消訴訟なんかをやる身の程知らずがいるからだ。
 ほんとに技術や特許のことをわかっているのか?と思うこともある。だから最低で弁理士試験を免除なしで合格した弁理士と抱き合わせで仕事させることが無難である。

 しかし、何の因果かうちの代理人は弁護士が試験なしに弁理士登録したというパターンで、名刺の「弁護士・弁理士」の肩書きにだまされた。相手の方は弁護士は弁護士でも元特許庁OBである。風貌はブルーシート風でも特許庁にいっぱい後輩がいる。

 果たしてどうなるか。
 
 新幹線で家に戻ってくるとカネボウの社長が逮捕されたとのニュースがテレビで流れていた。今日テレビ取材が来てたのは検察庁でこれを取材していたのである。司法とは、公権力である。

開く コメント(0)

全1ページ

[1]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事