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以前何回か通院介助をしたことのあるTさん。
ご自宅からタクシーでF医大病院まで行き、車椅子を押して2つの科で受診する。
トイレが近いことを除けば特に大変なことも無い。
予約診療とはいえ大病院なのでそこそこ時間はかかるが、
おしゃべりをしていると時間の長さはあまり感じなかった。
男性の活動会員さんが登録されてからは、その方にバトンタッチした。
「僕は家の中の掃除でも、何でもやりますよ〜。」と言って下さったのだが、
依頼者は女性が多いので、さすがに戸惑われる。
それにいくら高齢でも、独居の女性のところに男性が入るというわけにはいかない。
もちろんその逆の場合でも、独居の男性宅には2名で入るようにしている。
というわけで、男性の会員さんには男性の通院介助をお願いしている。
実は通院介助の依頼はけっこう増えているのだ。
病院への送迎は介護保険が適用されるようなのだが、院内での付き添いはダメ。
長時間を実費で頼むと、かなりのお金がかかってしまう。
久しぶりにTさん宅に行ってくれないかという電話がかかった。
「午前中で終わるならいいですけど。」
「それは大丈夫。」
どうやら通院ではなく入院らしい。
急に決まったために、いつもの会員さんは都合がつかなかったようだ。
入院か・・。
どういう段取りになるんだろうと想像する。
Tさんの指示通りに動けばいいんだろうけど、入院ということが気にかかった。
朝の9時、お宅に伺うとTさんは心なしかしょんぼりと伝え歩きで出て来られた。
「ああ takaoさん・・おおきにおおきに・・。」
台所では娘さんがさらにしょんぼりと腰掛けておられた。
Tさんは娘さんと二人暮らし。
そして娘さんは手と足が少々不自由で、言葉の麻痺があった。
もともとは彼女の通院介助から始まった活動らしい。
娘さんは私より少し年上くらいの人。
でも活動に入った人がなかなか続かず、何人も変わっていた。
何が大変だったのか・・。
彼女は車椅子ではなく杖で通院される。
やはりタクシーで往復するのだから、それほど大変だとは思えないのだが・・。
問題はコミュニケーションを取りにくいということだったようだ。
何か話されてもよく聞き取れない。
精神的に調子の悪い日には、全く口を閉じてしまわれ不機嫌になる。
時には軽いパニックを起こされるようなこともあったようだ。
「素人の他人では無理やと思う。」
「二度と行きたくない。」と言った人も。
「この活動は断った方がいいんちゃう?」
コーディネーターは困っていたが、できれば断りたくはないようだった。
ようやく行き続けてくれる人が見つかったが、その会員さんはとても忙しい方だった。
「takaoさん、彼女が行けないときだけ行ってくれる?」
「??」
ある日、すごーく気が重かったが出向いた。
施設で働いている友人の言葉を思い出しながら・・。
「気持ちでシンクロしようとしたらあかんで。」
??意味がわからない。
彼女の荷物を持って、杖でゆっくりと歩かれるのに付いて行く。
何か言われてもほとんどわからないが、仕方ない。
うんうんと頷いてニコッとするしかない。
的外れだったら怒らせることになるのかも・・。
でも黙っておられても機嫌が悪いとは考えないことにした。
何とか手振りでわかることには対応し、ニコニコ頷くだけを通した。
いいのかな・・これで・・。
いいのかな・・これで・・。
実にいいかげんだったが、
それでも何ということもなく帰り着いた。
それで良かったのかどうかはわからないが、反省のしようもなかった。
その後もピンチヒッターとして何回か付き添ったが、今のところは何とかなっている。
「じゃNちゃん、行ってくるわな・・。また電話するしな・・。」
娘さんは何も言わずに頷かれた。
今回は大きな荷物が2つあったので、
タクシーの運転手さんに部屋まで上がってきてもらい、運んでもらった。
F医大病院は改修工事中で実にややこしかったが、何とか入院手続きを済ませて病棟に上がる。
ナースステーションの前で体重を量り、病室へ。
6人部屋の真ん中だがけっこう広い。
荷物を確認しながらロッカーに入れていると、
早速看護師さんが「地下でレントゲンを撮ってきて下さい。」
やはり私のこと娘さんだと思っておられるのかな。
「お願いします。」と大きなファイルを渡される。
あわてて荷物を押し込み、先にレントゲンに。
その帰りに大学生協の大きな売店でいろいろと買い物をした。
部屋に戻ると、今度は血圧を測りに来られる。
それからそのフロアーの説明。
車椅子を押しながら、給湯室や浴室、そのほかの説明を聞いた。
これって、ひょっとして私に説明してるのかな・・。
それに気づいたTさんがちゃんと説明して下さった。
「ああこの人は娘やのうて、今日お手伝いに来てくれた人です。
うちの娘は体が不自由なんで世話はようしません。」
荷物の整理の続きをしたり、テレビと冷蔵庫共通のカードを買いに行ったり・・
あっという間に時間が過ぎた。
「もう時間ですな〜。おおきにおおきに。助かりました・・。」
何と声をかけたらいいのかな。
「じゃぁ お大事になさって下さいね。
また何かありましたら・・コーディネーターに連絡して下さい。」
退院される日に元気なお顔が見られることを願いながら病院を後にした。
外は小雨、妙に蒸し暑い。
バス停で勘違いしそうだった。
家に帰るのではなくこれから仕事に行くんだった。
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星降る子さん、コメントありがとうございます。
私もどうすればいいのか・・全然わかりませんでしたし、今もわかりません。
気を遣い過ぎてもいけないと思いますし、遣うこともできません。
気のきかんやっちゃな〜と思われてもいいし、怒らせたら誤るしかないかなと。
でも「お互いさま」だなといつも感じます。
いろんなことを教えてもらっているのはこちらの方だなと・・。
台風が過ぎて、今日は急に涼しくなりましたね・・。
喘息の多発期ですし、インフルエンザも怖いですし、気をつけます。星降る子さんも気をつけて下さいますよう。
2009/10/10(土) 午前 0:21
TAKAOさんこんばんは。
久々の投稿がてら訪問させていただきました。
相変わらず活気のあるコミュニティーですね、ここは!
「クライアントの気持ちにシンクロしちゃダメ」のくだりは単純にも複雑にも受け取れますね。
整体を始めたばかりのころ毎日クタクタだったのはお客に気を吸い取られるからだ、と先輩たちに言われたことがあります。一生懸命の初心者にありがちなんだとか。確かに当初は「少しでも早く楽にしてあげたい!」の思い一杯で精力出し尽しモードでした。数をこなすに従いわずかにお客さんを客観視しながら施術するようになってからは余計な疲労感は少なくなりました。早く良くなりたいとの気持ちに寄り添い過ぎずに状況を客観視して施術すべし、と共通点がありそうな気がしました。
未だに未熟な疲労を体験しますがそれでもいいかなとも思っています。
2009/10/10(土) 午前 2:29 [ 鈍 不安 ]
入院手続きはけっこう大変です物ね。お疲れさまでした。
でも、娘さんのことが心配でゆっくり病院にもいられないでしょうね。
早く良くなって欲しいです。
ニコニコ頷くyakaoさまを想像して、私もニコニコッとしています。
2009/10/10(土) 午後 9:03
ドンファンさん、コメントありがとうございます・・。
「思いが一杯で精力出し尽しモード」。
ああ・・なんとなく、すごくわかるような気がします。
「気を吸い取られる」んですか。
ドンファンさんはただ体をほぐしてあげるだけではなく、カウンセリングをされているようなものですから・・、クタクタになられるのかもしれません。
状況を客観視するというのは難しすぎますね。
2009/10/10(土) 午後 11:55
loveさん、コメントありがとうございます。
身内の入院のときでも、大学病院というような大きな病院の経験がありませんので、窓口を探して並ぶだけでも大変です。
車椅子ですし、荷物もあるしで汗をかきました。
そうですね。
私もそんなにしゃべる方ではないので、黙っていても平気なんです。
苦し紛れでニコニコしていただけなんですけど・・、なんとかなっています。
2009/10/11(日) 午前 0:42
ごめんなさい。
ずいぶん失礼なコメントでした〜。
(誤)けっこう大変です物ね(正)けっこう大変ですものね
(誤)yakaoさま(正)takaoさま
ごめんなさ〜い!
ところで、私はとっても単純なので「気持ちでシンクロ」はなんとなく自分勝手に解釈して納得していました。
私はtakaoさまたちのような本格的なボランティアは経験ないので、まったく違っているのかもしれませんが、もし私ならば、こんな時どうしても「相手の気持ちになって考えよう」等と考えてしまうような気がするのです。それをしないほうが良いというアドバイスと思いました。
私の日常の仕事で言ったら「お客さまが言ったことだけやれば良い」なのです。なんとなく心が無いようで嫌なのですが……。仕事ができるといわれる人たちはそうしています、ね。
2009/10/11(日) 午後 8:15
loveさん、???
何のことかと思いましたら・・yakaoになっていたことにも気づきませんでした。
こちらこそごめんなさい ですね。
「相手の気持ちになって考えよう。」「それが想像力というものです。」小学生にも中学生にも、専門学校生にもそう言ってきました。
それはあくまでも大前提のようなものですけど・・。
それをしないほうが良いというより、できるものではないというのが本音かもしれません。
「なかなかわかるものではない。」ということですね。
そのことをお互いが踏まえておければいいんだと思いますけど、
それは冷たいとか心が無いということではないように思います。
でも普通はわかりたい、わかり合いたいと思って当然だと思います。
何だか何を言いたいのかがわからなくなってきました。
2009/10/11(日) 午後 11:31
おはようございます。
ここの所、父の妄想と母の態度にとことん落ち込んで(体調不良まで引き起こし)ました。 体調が回復してくるに従い、気持ちも上向きになってきたんですが・・・そのときふと「気持ちのシンクロ」という言葉が思い起こされました。
ちょっと違うかも知れませんが、私は母をどうにか楽にしたくて、私の気持ちが無理してたんだなぁ・・・と思ったんです。 シンクロしようとしてたのかも・・・と。同調させて母の気持ちを回復させようと・・・ でも母には母の気持ちがあって(過去の経緯とかもあるでしょう)思うように動いてくれない・・・・これに気持ちが凹んでしまいました。 でも・・・私の得意技「考えるのが面倒になる」ことで、少し楽になりました。体調も回復傾向なので、徐々に楽しいことを考えようとしています。
気持ちをシンクロさせてはいけない・・・私なりの捉え方ですが、この先のキーワードになると思います。
2009/10/15(木) 午前 10:01
Graceさん、体調が悪いときにコメントを下さってありがとうございます。
お父さまのことだけでなく、お母さまに対しての気持ちや関わり方でしんどい思いをされているのですね。
介護している人のケアーをすることが大事とよく言われます。
そういう依頼を受けることはあります。
(Graceさんのお母さまの場合とは違うと思いますけど・・)
依頼は介護者の姉妹であったり娘であったりします。
独りでは大変で、倒れでもしたら困るから・・と。
でも手助けを拒否される方もおられます。
自分で全てやらないと気がすまないというか・・。
頑なにそういう状況に陥っている人は、身内がアドバイスしてもダメですし、第三者が介入する余地はなかなかありません。
(まれに第三者だから介入できる場合もありますが)
難しいですね。
うまく手助けできればいいんでしょうが・・。
「気持ちをシンクロさせてはいけない」。
私にとってもこれから先、いろんなところでこの言葉を考えることがありそうです。
2009/10/15(木) 午後 8:43
Graceさん、トラバして下さった記事を先に読ませていただきました。
今夜はこちらから出向かねばと思っていましたのに、本当にありがとうございました。
コメントはそちらの方でさせていただきますね。
2009/10/16(金) 午後 11:07
今日やっと弟の転院先が決まりました。
緊急入院し、容態が安定したので転院先を探していました。
もう普通の生活には戻れない状態ですから、
安定したというのも変ですけど・・・。
透析を受けながらも滅茶苦茶な生活を続けていました。
口を酸っぱくしてずっと生活の改善を指導してきました。
だから自業自得なんだと思いつつも、
何とか出来なかったのかという兄としての悔いも残ります。
介護の問題は高齢者をするものと思っていましたけど、
高齢な母や兄が介護する側になることもあるのですね。
すみません。日記のコメントになっていませんね。
2009/10/16(金) 午後 11:27
アニーさん、コメントありがとうございます。
弟さん、普通の生活には戻れないとしても命の危機は脱されたのですね。そして転院先が決まったことは、まずは良かったと思います。
(アニーさんにとっては、その先のことを考えると複雑なものがあるかと思いますが・・)
老いた親を看ることは当たり前のことと思いながらも、それでも介護をすることは並大抵のことではありません。
それが・・順番が変わってしまうというのは本当に辛いことですよね。
お母さまの気持ちを考えると、兄であるアニーさんの役割は大きいかと思います。
(私も周りでも稀にあります)
そういうお話を聞くと、親より先にそんなことになってはいけないと思いますが・・自分の意思ではどうにもならないこともありますよね。あとは願うだけです。
2009/10/17(土) 午前 0:48
こちらでは、だいぶ紅葉が進み、
平地では今が盛りじゃないでしょうか。
京都はまだまだでしょうね。
昔、修学旅行で、京都を訪れたのが
10月末から11月初めでした。
大原の初雪が被った柿の実の朱色が強く
記憶に残っています。
風邪引いていませんか?
お気をつけて。
2009/10/20(火) 午後 11:23 [ hokutosei_N43 ]
hokutoseiさん、コメントありがとうございます。
こちらはやっと金木犀が香るようになりました。
ちょっと遅かったかな。
紅葉はまだこれからです。
11月の後半がピークかと思います。
hokutoseiさんが修学旅行に行かれた頃!
大原では初雪が降ったのですね・・。
今では考えられません。
やはり、かなり暖かくなっているんですね・・。
北海道では今が紅葉の盛りですか。
天気予報で、「北海道が雨」というのをよく目にするような気がするのですが、過剰に反応しているのかもしれません。
2009/10/21(水) 午前 0:57
***さん、驚きました!
あのあとそちらに伺っていませんでした。
何が起きていたのか・・なぜ全否定されたのか・・。
記事を削除されてしまいましたので、読むことはできません。
私がこんな記事を書いてしまったばっかりに、辛い思いをさせてしまったのかもしれません。
本当にごめんなさいね。
またそちらに伺います。
2009/10/22(木) 午前 1:47
私が修学旅行で京都に行ったのが何万年も前みたいに感じてきました。ほんの数年前ですけど・・・
2009/10/22(木) 午後 10:01 [ hokutosei_N43 ]
***さん、コメントありがとうございます。
そして、丁寧に説明して下さってありがとうございます・・。
おおよそどのような感じだったのか、その方が何を書かれていたのかということはわかりました。
二つのことを感じました。
一つは「シンクロする」という言葉をどう受け取ったのかというのは、みんな微妙にニュアンスが違うということです。どれが正しいとかは言えませんよね。そんな中で議論したり否定したりすることは、まずできないと思うんです。
身内、身内でないというわけ方も疑問ですし、「母親を理解する」と「母親とシンクロする」は全然違いますし・・。「同じフィールドに立つ」という表現も、意味はいろいろあってとても難しいはずです。
私に言った人の思いと、私の受け取り方、私の記事を読んでコメントを下さった方々の受け取り方、みんな違うと思うんですよね。
違うけれども何となく通じる、そんなところでやり取りをしているような気がします。
そして、それでいいと思うのですが・・。
2009/10/23(金) 午前 0:34
***さん、もう少し続きを書かせていただきますね。
もう一つはブログでのやり取りのことです。
私の記事にも「それは違うと思う」とか「こうではないか?」とか書いて下さる方もおられます。それは否定ではなく、感想です。
なるほど・・と受け取れるのは、そこに思いやりがあるからかもしれません。
ひどく凹み、胃が痛んだというのは、おそらくその方の言葉の中に思いやりは感じられず、敵意に似たものを感じられたからではないかと思いました。
ブログというのは、相手の全容はわかりません。
その人の一部しか知らないことは常に心に留めておく必要があると思います。(それはうわべの付き合いという意味とはまた違います)
そんな中でも相手の方に何とも言えない親近感が沸きますよね・・。
それがブログのいいところではないかと思っています。
とても偉そうなことを書いてしまいました。
でもこの間にたくさんの方に教えていただいた気がしています。
どにかく、今***さんが傷つかれたことが残念で悲しいです。
そして・・めげずにこうしてコメントを下さったことに、本当に感謝しています。
2009/10/23(金) 午前 0:52
hokutoseiさん、そんな・・。
そんなつもりで書いたわけではないんですけど・・。
(当然ですよね)
ほんの数年前!?
そうでした。私とはすれ違いだったようですね。
2009/10/23(金) 午前 1:05
***さん、今日もコメントをありがとうございました。
メッセージの内容を読ませていただいて驚きました。
ほぉ〜〜〜。 すごーい。
教師と生徒の関係でも、セラピストとクライアントの関係でも、こんなに一方的に強者になる方は珍しいですね。絶対なってはいけないはずなんですけど。
きっとご本人は善意のつもりだと思います。
仕方ないですね。
折れて良かったと思います。
対抗する意味も無かったように思います。
ずっと気づかれないとしたら、あとはその方の問題ですから。
ただ、お仕事であまり相手を傷つけてほしくはないですけど。
2009/10/24(土) 午前 0:34