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父はすやすや眠っている。
尿意をもよおしたときだけ起こしてくれるので、今夜は眠れるかなと思っていたのだが・・・。
消灯の9時半には簡易ベッドを広げて布団をセットした。
幅が狭いので、布団は縦に二つに折って、その間に挟まるようにして収まる。
あまりに早いが、眠れるときに眠っておかないと・・。
父の部屋は、ナースセンターの前の個室で、角部屋。
横は、テレビやソファーが置かれた、ちょっとしたスペースになっている。
消灯とともに、そこも電気が消されるのだが・・・。
10時半頃か、揉めている大きな声。
どうやら男性患者が「帰る!」と言い張っているようだ。
なだめているのは奥さんと息子さんか。
その声がやたら大きい。
「こんなとこにおったって、治らんのはわかってるんや! 早よタクシー呼んでくれ!」
「まだ検査の結果もわからへんのに、何言うてんねん!」
そのやり取りが延々と続く中、看護師さんが間に入って説得されている。
「先生は救急の手が空いたら上がって来られますから、ちょっと待って下さい。
先生の了解を得ないと帰れないですよ・・。」
「なにやっとんねん、ヤブ医者が・・!」
「とにかくもう少し待って下さい。」
声が遠のいてホッとしたのもつかの間、すぐに大きなダミ声が!
病室に戻っても静かに待てなかったようだ。
相部屋では迷惑だから、また横のスペースに?
(ここでやられても迷惑なんやけど・・)
救急車の音が近づいてきて、病院の前で止まる。
これでまた、先生が上がって来られるのが遅れるな・・。
「医者なんか待たんでもええやないか! 早よタクシーを呼んでくれ!」
「勝手にせえ! 勝手に一人で帰れよ〜!!」
息子さんも我慢の限界か・・。
「帰るんなら、糖尿のお薬も返してもらわなかんし、もうちょっと待ってえな・・。」
奥さんがなだめようとするが・・。
「何でこんな病院に薬を預けたんや!
○○病院でもろた薬まで、何でこんな病院に預けるんや!」
「こんな病院って、ここは○○病院やで・・。」
「そんなわけあらへん、ここが○○病院なわけあらへん!」
また救急車が着く音。
「何言うとんねん!ここは○○病院や! ええかげんにせえよ〜! オヤジ、そこまでボケたんか!!」
それからも延々と言い合いが続いて・・。
先生が上がって来られたのは12時半頃か。
「当直の***です。検査の結果が出るまでは、毎日点滴に通ってもらわないといけませんけど・・。
それでもいいのなら、帰ってもらって結構です。」
ということで・・・やっと静かになった。
やれやれ・・・。
父の尿を捨てに行き、看護師さんが父の点滴のチェックに来られて、
さぁ寝よう〜〜とまどろみかけたとき・・。
隣りの個室が慌ただしい。
何?
バタバタと行き交う足音。
「××さぁ〜ん! ちょっと目を開けて! 目開けられる?!!」
「先生呼んでっ!」
何?
こちらまでドキドキしてくる。
バタバタ、ガラガラ・・とんでもない騒音。
たしか隣りの部屋は、夜は家族は付き添っておられなかったと思うが・・。
男性の声が混じるようになった。
「××さ〜ん!わかりますか! △△△を持ってきて!!」
それからしばらく声が行き交い、「ストレッチャーを持ってきて!」
ガラガラと大きな音。
「ちょっと人を集めてくれるか・・。ERに運んで!」
深夜とは思えない声と足音。
「家族に連絡して!」という声も混じっていたような・・。
ドキドキが高まってくる。
静かになったので、起き出してトイレに行くことに。
隣りの部屋は、ドアもカーテンも開けられたまま、煌々と電気が点いていた。
すぐに眠れそうもないかなと思いつつ、布団にもぐりこむ。
でも、全然眠れないままに・・3、40分経ったか。
ガラガラと大きな音とともに、患者さんが戻って来られたようだ。
私の部屋の前で、女性がひそひそと話している。
「当直の***です。
夕食までは特に変わりはなかったようなんですが、先ほど急に呼吸状態が悪くなりましてね・・。
今挿管して、酸素を入れてます。」
(えー・・・・うちの部屋の前で家族に話をするのぉ〜?)
「落ち着いてくるとは思うんですが、いつまた急変してもおかしくない状態ではあるんです。」
「・・・・・。」
「人工呼吸器を使うかどうかということも、近いうちには考えておいてもらわないといけないと思います。」
「・・・・。」
家族の声は無い。
「ちょっとこちらへ・・・。」
やっと声が遠ざかって行った。
時計を見ると、2時半か・・・。
父がトイレに呼んでいる。
ハァ〜・・・・。
もう何もないよね。
もうあとは眠れるよね・・・・。
ところがその夜は、それだけでは終わらず・・・。
またドタバタに大声、駆けつけた***先生の声を聞くこととなった。
これが医療の現場というか、
高齢者の受け入れを拒否しない、良心的な病院の現実というか・・。
当直の医師、看護師、介護士さんたちには本当に頭が下がるなぁと思いつつ・・・。
眠りについたのは4時ごろ?
つかの間の時間なのに膨大な夢を見て、6時の検温で起こされた。
くちゃくちゃな髪の毛のままガバッと起き上がると、
「ああ・・・・寝てていいですよ〜〜〜。寝ててくださーい。」
看護師さんの優しい声。
お言葉に甘えてもう少し寝ようかなぁ・・・・。
それからもう一つ夢を見てしまった。
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大変な一夜でしたね。そんなことが頻繁に起こるのでしょうか?
高齢化していくことでの盲点というか・・・医療現場の人たちが疲弊していくのが伝わってきます。
TAKAOさんが眠れなかったことも、自分のことのようです。
祖父が20年も病院と家を行ったり来たりしていたのと、私の入院体験から、夜中のストレッチャーの音が患者さんに与える恐怖感を思い出します。
付き添われていても眠れなくて大変だったと思います。
休める時に休んでくださいね。
長期戦になりそうなのだとう想像します。
体力を温存してくださいね。
お大事に
2012/4/2(月) 午前 11:57 [ キアラ ]
***さん・・コメントありがとうございます・・。
お姑さんお舅さんの看病で、10年も!だったんですか・・。
完全看護ですから、少し落ち着いた今は絶対に付き添ってくれとは言われませんが、夜間のスタッフの数を思うと・・。
付き添えるときには付き添いたいと思っています。
食事も、もちろん介助して下さいますが・・家族が傍にいて声をかけると食べる量が変わりますので。
そうでしたか・・おばあちゃんはそんなに我儘を?
父の病棟でも、一晩中車椅子に座ったままで、ナースセンターにいる患者さんが2人ほどおられます。時々大きな声で叫んでおられます。
そういう患者さんにも、きちんと優しく対応してくれる病院であることはわかりますので、ありがたいとは思います。
(高齢の患者を拒否する病院も多いようですので・・)
少しずつ回復してきていますので、根気よく付き添いたいと思っています。
(3合分の握り飯と、お湯を注ぐだけの味噌汁は元気の素ですよ・・)
2012/4/2(月) 午後 11:55
takaoさま 大変でしたね〜。患者は患者同士、見たり聞いたりしていますから、先生や看護師さんはいくら大変でも、やはり場所柄を考えていただきたいと思ったりします。
お体に気をつけて、お父様のそばにいて上げて下さいね。
2012/4/3(火) 午前 0:25
mappuさん、コメントありがとうございます〜。
お友だちを見舞われたことを書かれていましたが、そんなに厳しい状態なんですね・・。
90歳を越えても元気な方々を見ていますので、親の世代はまだまだ若い(寿命と思うには早すぎる)と思ってしまいます。
でも、もっとずっと若い方が病に伏しておられるのは、本当に辛いです。
・・・・・・。
子どもさんのことなども考えると、言葉もありません。
ずっとそばにいたいと思われるでしょうが、そういうわけにもいかないでしょうし・・そっと祈るしかないのかもしれませんね。
2012/4/3(火) 午前 0:33
loveさん、コメントありがとうございます・・。
総合病院ではありますが、大学病院などのように堅苦しくないというか・・わりと廊下で話したりされます。(説明は別室で、という感じではなく)とても忙しそうですし・・。
でも、素人はびっくりしますよね。
早く退院できればと願いつつも、焦らずに付き添いたいと思います。
2012/4/3(火) 午後 0:55
キアラさん、コメントありがとうございます・・。
そうですね・・何もない静かな夜というのは一度もないです。
最初は相部屋でしたが、3日目の夜は同室の方が亡くなりました。
危なくなったら、別室に運ばれるのではないの?と思いながら・・看護師さんや医師のやり取りをドキドキしながら聞いていました。
そんなあとは眠れませんよね・・。
今は個室で、父は静かですので・・眠れるときには寝ていますが。
最初は10日もかからないと思っていたのですが、まだまだかもしれません。自分の体調管理を第一に考えて、過ごしていきたいと思います。
ありがとうございました・・・。
2012/4/3(火) 午後 1:54
こんにちは
お友達は
とうとう帰らぬところへ
逝ってしまい、
寂しいことです
悲しい曲を聞くと
涙がでて
2012/4/5(木) 午後 3:26
mappuさん、コメントありがとうございます。
最後に寄り添ってあげて、
そしてちゃんと見送ってあげて・・。
お友だちには、きっとその思いが伝わっていることと思います。
mappuさんの悔しさや寂しさや涙も届いていると・・。
過去に、友人を怖くて見送れなかったことが悔やまれます。
2012/4/5(木) 午後 11:28
こんばんわ。
桜咲いたようですね。ちゃんと桜見る時間とっていますか?
私ですか?一昨日、打ちのめされて、花を見るゆとりありませんでしたが、本日は元気取り戻しました。一息つけたら、今年の櫻是非ご覧ください。
2012/4/12(木) 午前 0:11 [ hokutosei_N43 ]
hokutoseiさん、コメントありがとうございます・・。
例年よりは遅れましたが、入学式には5分咲き。
先週は春の嵐も吹きましたが、この土日が最後のお花見になるかと思います。
今日も雨ですが、道がピンクに染まっています。
「一昨日、打ちのめされた」?とは・・・。
何が起きたのでしょう・・・。
(私も、疲れがドッと出てきて・・腰痛に肩こり、情けない春です)
2012/4/13(金) 午後 10:45
こんばんは。
道がピンクですか。だいっぶ季節が違いますね。まだ、街中以外は、道の両側に雪があります。親が年を取るというのは、寂しいものです。話していても、行き違います。仕事上の割りきりができると
ずいぶんとらくだと思いますが、割り切れない以上、複雑です。
takaoさんは病院にまだ泊まられているんですか?
どうぞ、疲労にはお気をつけください。万病の元です。
2012/4/15(日) 午前 0:12 [ hokutosei_N43 ]
病院の付き添いお疲れさまです。
私が集中治療室に居た時のことを思い出しました。
救急病院なんかは、ひっきりなしに救急車のサイレンの音が聞こえますね。
くたびれないように、ボチボチいきましょう。
これからも優しい看護婦さんに甘えちゃいましょうね^^
当然、感謝の気持ちはお忘れなく(笑)
2012/4/16(月) 午前 0:02
hokutoseiさん、コメントありがとうございます〜。
例の春の嵐のとき、北海道は猛吹雪とのニュースを見ました。
ビックリしましたが、ずいぶん違うんですね・・。
この土日で、京都の桜も見納めかなと思います。
それでも例年よりかなり遅く、雨が多かったわりに長く楽しめました。
父は数日前に転院(姉の近所の療養病棟に)できまして、来週には実家に帰れるのではないかと思います。
ということで、病院泊まりも終わりました。
自分の親の衰えを受け入れるのは、なかなか難しいものです。
でも、父のことはとても愛おしく思えます。
同性だったら難しいものがあるかもしれません。
母に対してだったら、感じ方が違いそうな気がします。
自分の体のことは、気を付けたいと思います。
2012/4/16(月) 午前 0:29
らいむさん、コメントありがとうございます・・。
そうですね・・、私も自分の時のことを思い出します。
簡易ベッドでの眠りは浅いせいか、たくさん夢を見ます。
なぜかほとんど、自分が入院している夢なんですけど。
自分の時にもお世話になりっぱなしでしたが、看護師さんには本当に感謝しています。
そして、めったに会えない主治医より、リハビリの療法士さんに救われている感じです。身体を動かすことだけでなく嚥下の問題や言葉の問題でも、事細かく質問にも答えて下さり、毎日何度も足を運んで下さいますので・・。
でもちょうど1か月で、急性期治療の病院を退院することができました。
2012/4/16(月) 午前 1:13
こんばんは。一息つけそうですね。
父上を愛しく感じられるのは立派です。
私は現在真逆に感じて、へこむことが多いです。
どんどん別な面を見るようで、驚きの連続です。
まあ、でも、親子ですから、何とかなるものです。
takaoさんも、休憩と気分転換を図って、
リフレッシュしてください。
2012/4/17(火) 午後 10:57 [ hokutosei_N43 ]
hokutoseiさん、コメントありがとうございます〜。
一息つくというか・・たしかにちょっとホッとしたんでしょうね。
朝起きられなくて・・腰は痛いしあちこち痛いし・・。
(おまえ幾つやねん!)
まだそんなことを言ってる場合ではないんですが・・。
2、3日で元に戻って、一安心。
これから、自宅で過ごすために、医師やケアマネとじっくり相談しないといけません。
母と娘となると、ぶつかることもありますよ〜〜。
やはり同性は難しいです。
GWには一日くらい気分転換で遊びまくりたいです。
2012/4/18(水) 午前 0:26
こんばんわ。GWも前半が終わりました。気分転換はできましたか?
それとも、後半になりましたか?私はこのGWは仕事で、普段より忙しくて、記憶が飛ぶ時期です。前半は、うっすらと記憶が…
後半さらに忙しかったら、帰り道を忘れて、旅に出てしまうかもしれません。気をつけようと思います。
2012/5/1(火) 午後 10:07 [ hokutosei_N43 ]
hokutoseiさん、コメントありがとうございます〜。
記事の更新をする元気も出ないままに、4月が終わってしまいました。結局GWとは縁のない生活が続いています。
hokutoseiさんはそんなにお忙しいんですね〜〜!
それなのに、わざわざ来て下さって本当にありがとうございます。
!!??
帰り道を忘れるというのは・・家出?出放?と言うんでしたっけ・・。 くれぐれも気を付けて下さいますよう・・。
2012/5/2(水) 午後 11:11
病院での夜中のドタバタ・・・5年前の私達のドタバタを外側から見た様な気がしました。
きっと迷惑だっただろうな〜と今更気づきました(笑)
その後お父さんの具合はどうですか?
快方に向かわれている事を祈っています。
何年も親の看病と介護をした友人達の合い言葉は「『無理』はしても仕方ないけど、『無茶』はしてはイケナイ」です。
takaoさんもたまには手抜きして下さいね。
GWは少しは休めてますか?
フツーのサラリーマンになった私は連休です^^。
2012/5/4(金) 午前 8:11 [ tat*ug3 ]
tatsuさん、コメントありがとうございます〜。
「フツーのサラリーマン」という響きが、何だかピカピカ光ってます。やっとお休みを満喫されていますか・・。
フルタイムで働いていると、連休というのは格別値打ちがあるんでしょうね・・。
真夜中の病室でのドタバタ?
うーーん・・・。
それは、迷惑というものではなかったと思いますけど・・。
私が隣りの病室にいたら、ドキドキしてずっと聞いてしまうかもしれません。でも、それは迷惑とは別物かと。
『無理』も『無茶』もしていませんが、積もり積もった疲れはあります。
本当は今夜記事を更新するつもりでしたが、いろんな用事を済ませていたら、この時間に。
明日の朝のことを考えると、明日の夜に回すことにしました。
2012/5/4(金) 午後 10:35