誰かのために時間を割くということ

2006年の病気入院をきっかけに始めたブログです。今日を大切に、ゆっくりしたペースで綴っていきます。

ふと思うこと

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日々の暮らしの中で、ふと思うこと、ささいなこと、印象に残ったことを綴ります。
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祭りの前

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 まだ梅雨は明けていない、 薄曇りの休日。
 ふと立ち寄った小さな神社で、思わず足を止めた。
 
 えっ?
 ちょっと思いがけない光景。
 今日は大安なのかなぁ・・。
 それにしても、この神社で花嫁さんを見かけたのは初めてのこと。
 
 これは角隠しではなく、綿帽子と言うんだっけ??
 何となく自然にカバンからデジカメを取り出していた。
 
 でも写真はやっぱりマズイかなぁ・・・。
 
 しばらく躊躇していたら、横で扇子で一生懸命煽いでいる花婿さんがこちらを見た。
 ・・・・・・。
 声をかけるには少々遠い。
 ・・・・・・。
 
 私は、カメラを構える振りをしながら、「いいでしょうか?」という仕草をしてみた。
 なかなかイケメンの花婿さんは、ニコッと笑いながら指で丸を作って見せた。
 
 近づいてアップにして撮るつもりはなかったので、
 簡単デジカメで出来る望遠にして、数枚写した。
 
 ちょっとだけ近づいて、「おめでとうございます〜〜。」
 「ありがとうございます〜〜!」と、花婿さんの嬉しそうな声。
 花嫁さんもこちらを向いてニコッとして下さった。
 
 こちらこそ、本当にありがとうございます〜〜。
  
 ネジを巻く気にもなれず、ずっとダラダラ過ごしていた。
 今は特別忙しいわけでもないのに、なんだかやる気が出ない。
 録画しておいたドキュメンタリーやドラマがたくさん貯まっていたのを、
 時々延々と見てしまったり・・・。
 
 父のこともあって、見る暇が無かったのは確かだが、
 『それでも生きてゆく』を朝まで見てしまうこともないだろうに・・・。 
 
 そのあと出向いた会合では、退屈してきた数人の子どもたちと、部屋を抜け出して遊んだ。
 しばらく遊んだらまたお母さんのところに戻り、
 すぐに退屈して私を誘い出す。
 私もゆっくり聞きたいんやけどなぁ・・。
 
 でも仕方ない。
 エレベーターで屋上に上がったりして、元気に駆け回った。
 疲れるのを待っているうちに、こちらの方がクタクタに。
 
 一番やんちゃだった男の子のおかあさんは、高校の教師でもあり詩人でもあった。
 最後に彼女が自身の詩をひとつ朗読された。
 聞けて良かった・・・。
 
 やわらかな者たちへ
 
 きみのやわらかなほほに
 きみのやわらかな鼻腔に
 吸い込まれる光の粒子は
 きみのやわらかなてのひらに
 きみのやわらかなあしのうらに
 触れる砂は
 
 いのちをはぐくむものか
 いのちに傷をあたえるものか
 きみたちの幼い時空によぎった放射能の雲を
 どうしたらよけることができる?
 
 無自覚だったわたしたちの失敗に
 いまさら立ち上がったとしても
 まにあわない まにあわない まにあわない
 それでも運命にさからい
 きみたちを守りたい
 
 はじまったばかりの君たちのいのち
 そのほほに吹く風から
 
 君たちを守れない
 
 
 バイバ〜〜イ!!と元気よく別れての帰り道、 お囃子の音が聞こえてきた。
 間もなく祇園祭り。
 そして梅雨が明ける。
 
 
 
 

12日(土)の話

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 救急車には何度か同乗したことがある。
 車両の足元に簡単な座席があって、ちょっとした手荷物を抱えてあたふたと乗り込み、座るだけ。
 救急隊員が患者の脈や呼吸や意識を確認しながら、いろんな質問を付き添い人に尋ねてくる。
 それにドキドキしながら、必死で答える。
 
 今回初めて乗った車は、何と名付ければいいのか・・。
 「寝台車」といえば列車になってしまうし。
 (いや、寝台車はもうな無くなったんだっけ)
 
 運搬車というのも愛想がないが、 ストレッチャー運搬車と言えばいいいのか・・。
 
 添乗者の座席は、救急車と違ってストレッチャーの真横にあった。
 「どうぞ・・」という丁寧な言葉に、「はい」と言いつつそっと乗り込む。
 
 車が走り始め、最初はなだらかな道だったが、途中で少しバウンドした。
 軽いバウンドだったのに、ストレッチャーの上の人型がゴロンゴロンという動きをした。
 アッ!?と思って、思わす両手で被さるように押える。
 エッ?? 
 そのあともずっと、揺れるたびに両手で押さえていた。
 
 そうなんや・・。
 人は寝ているとき、それが救急車に乗らねばならないような重篤な病人であっても、
 均等に体重をかけて寝ている?
 
 そうか・・・。
 無意識のうちにも、ちゃんとバランスを取って寝台に乗ってるんや・・。
 決してこんな揺れ方はしない。
 
 父の重心は、今一体どうなってるんだろう。
 
 チャックの付いたシルバーグレイの不織布のケースに納まった父の体は、
 ずっと、ごろんごろんと丸太のように揺れていた。
 
 斎場となるホールの中の、こじんまりとした和室に寝かせてもらった父。
 枕元の祭壇には、宗派に合わせていくつかのものが飾られれている。
 15分ほどで燃え尽きる線香は、その火を絶やさないように次々と新しいものに変えていかねばならないとか。
 
 その葬儀社に連絡したのは、父が4年ほど前に会員になり、会費を納めていたからで、
 そのことを、私は半年ほど前に父から聞いていた。
 姉と義兄と3人で、葬儀一切の打ち合わせ。 
 父は、最もシンプルな家族葬を望んでいたということで、私は花を飾るレイアウトだけに口を出した。
 
 それよりも、父の顔の浮腫みが気になっていた。
 腎臓の機能も心臓の機能も弱っていたからかもしれない。
 手もぷくぷくで、うまく胸元で組めないほど。
 
 ずっと手をさすった。
 頬を何度も何度も撫でた。
 リンパの流れに沿って?
 いや、もう流れてはないよね・・。
 
 でも、何とかいつもの父の顔に戻したい。
 こんなに不細工では可哀想・・。
 
 「この浮腫みは取れるでしょうか・・。」
 葬儀社の優しい担当の女性は、「きっとかなりマシになると思いますよ・・。」
 ・・・・・・
 「ああでも、残る方もおられますけど・・。」
 ・・・・・・
 最後なんだから、せめて普段の父の顔に戻ってほしい。
 
 無駄かとは思いつつ、ずっと頬を撫でていた。
 そう目の周りも、あごも・・・。
 線香を忙しく取り替えながら・・・。
 
 喘息を持つ身としては、この線香の煙の中にずっといるのはちょっと・・。
 今は、いくら咳き込んでもいいが、マスクを用意しないと・・。
 
 夕方には弟も着きそうだし、母も車で迎えに行かないと・・。
 それまでに男前に戻るのは、どうやら無理なようだ。
 
 
 
 
 

新しい年に・・・。

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 昨夜は布団に入ってもなかなか寝付けず。
 ずーっと眠れず。
 仕方なくホットミルクを作って飲んでみたが、それでも眠れず・・。
 このままでは明日の朝起きられないぞーと思いながら、布団の中で悶々としていた。
 
 3時半を確認してから、眠ったという感覚もなく・・時計を見るともう5時?
 これは・・目覚ましが鳴る前に起きた方が良さそうだ。
 
 と思ったが、布団から出られない。
 トイレには行きたいのに、暖かい布団から出られない。
 もし今からグーッと寝入ってしまったら、絶対目覚ましは聞こえないだろう。
 大へんなことになってしまうと思い、意を決して跳ね起きた。
 血圧は低くても寝起きは悪くない方なのだが、さすがにこの時期の早朝の寒さはこたえる。
 
 一晩中 何を考えていたのかなぁ・・・。
 
 「今年の目標は何?」と、月並みなことを聞かれて、
 「早寝早起きです〜。」と出来もしないことを答え、何それ?という顔をされた。
 「あとは・・今あるものを減らします。」 
 ほんとは何もないんです。
 現状維持というか、このまま平々凡々に過ごしていけたら・・それでいいんですけど・・と答えていた。
 
 目標は高く!と人は言うけれど、すっかり諦めが早くなってしまった。
 「向上心」なんていうものとは、無縁なところで生きているような気がする。
 
 「そうかなぁ・・ほんとにそんなに無欲で生きてんの?
  自分のことを強欲だと思ったことはないの?」
 
 強欲?  私が?  まさか・・・。
 「月並みな欲は無いように見えても、ほんとはすごーく強欲なんちゃうの?」
 これだけはどうしても手放せないと思っているものを手放さないと、先には進めないよ〜。
 
 どうしても手放せないものなんてあるだろうか。
 何も持ってないんだから。
 何も持ってないんだから・・。
 細々と地味ーにひとりで暮らしているのに・・何を手放せと言うんだろう・・。 
 
 昨日読んでいた本の中に出てきた。
 「孤立」と「孤独」と「孤高」。
 仲間がほしいのに誰もいない「ひとり」
 「ひとり」でいるのが寂しい「ひとり」
 誇りのある「ひとり」
 
 誇りのある「ひとり」というのはカッコイイが、曲者だなぁ。
 他人が勝手にそう見るのはいいとしても、
 もしそう自負している人がいるとしたら、それは思い込みなだけなんじゃないの?
 まあ、生ぬるいい生活をしている者にはわかるはずもないけれど・・。
 
 厳しさの中を静かに生き抜いてきた人なら、「孤高」になれるのかもしれない。
 
 深夜に考えることは、脈絡が無くなって、あちこち飛んでしまう。
 でも、自分は何も持ってないくせに、何ひとつ手放したくないと握りしめているのかもしれないと・・。
 ひょっとしたらすごく強欲なのかもしれないと・・・。
 何だかわけのわからないことを悶々と考えていたような夜だった。
 
 よれよれで?迎えた朝。
 こんな日に限って、電車は全く座れず。
 
 乗り換えた駅で、やっと空いたのは優先座席。
 周りを見回しても高齢の方はおられないしと思い・・・ふーーーっと腰を下ろした。
 本を出して開いたものの、すぐにウトウト・・。
 
 次の駅でドッと人が乗り込んでくる。
 目を開けると、すぐ前に黒いコートの女性。
 ストレートの長い髪。
 「綺麗な人だなぁ・・・。」
 大きめのバッグもなかなか素敵だ。
 
 でも、そのバッグに付けられた大きめのストラップ?に違和感が。
 あまりにもそのバッグには合わないし、その人にも似合わない。
 今どきの高校生でもこんなものは付けないだろう・・と言いたくなるような大きなハートの絵。
 
 一度目を閉じたが、目を開けてそのハートをよーく見ると・・・。
 イラストと文字が目に入ってきた。
 「おなかに赤ちゃんがいます」。
 ああ・・・・・。
 
 一瞬躊躇したが、「どうぞ・・」とは言えなくて、黙って立ち上がってドアの方に移動した。
 
 居眠り続けなくて良かったなと思いながら・・、
 やはり今年の目標は、シンプルに「早寝早起き」でいいや。
 余計なことはグダグダ考えないこと。
 
 それでいいと思った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 イメージ 1
 
 11月になったというのに、汗ばむような一日だった。
 9月後半の気温だとか・・・。
 
 少し早かったので、地下鉄はそれほど混んではいなかった。
 
 横並びの座席に、中途半端に空いた隙間。
 そこに強引にお尻から割り込むのは、おばさんの特技?かと普通は思われている。
 きっと、自分のお尻の幅のことは頭をよぎらないに違いない。
 
 目の前に中途半端な隙間ができた。
 私のお尻の幅はフツーだが、そこに収まるとはとうてい考えられず、
 私は立ったまま本を読み続けていた。
 
 ところが・・その隙間を目指して歩いてきたのは、スーツ姿の巨漢のおじさん。
 彼はそこにお尻を入れたが、両脇の人もこれ以上は詰めるのは無理という感じで、
 おじさんは、ほんの端っこがひっかかっただけ。
 そのまま膝の上にカバンを置いて、前かがみになっている。
 
 いかにも窮屈そうに、ズボンのポケットに苦労して手を突っ込み、
 ハンカチを出して何度も汗を拭いておられた。
 
 この状態でも、座った方が楽なのかな・・・。
 
 次の次の駅で、横の細い女性が立ち上がった。
 当然、おじさんがしっかり深々と座り直すものとばかり思っていたのだが・・、
 彼は少しも動くことなく、横にできた隙間には若い女の子が座ってしまった。
 
 何で?
 おじさんは寝てはおられなかったし、横の人が立ち上がったのに気付かないはずはないのに、
 何で??
 
 おじさんはまた汗を拭いた。
 そこがおばさんとは違うところなのかなと思いつつ・・、
 私はいつしか、おじさんを晴れてどっしりと座らせてあげたいという思いに捉われていた。
 
 それから数駅、次はたくさんの人が降りる駅なので、必ずゆっくり座れるはず・・。
 ところが願いも空しく、多くの人と一緒に、その駅でおじさんを見送ることになった。
 目の前に広々と空いた座席に、私はどっかりと腰を下ろした。
 
 それにしても車中も暑い!
 省エネのこの夏活躍した扇子を、数日前にカバンから出して片づけたのを後悔した。
 
 
 車中の些細な出来事が印象に残るほど、平凡な一日。
 ただ暑かっただけの一日。
 特に何事もなく帰り着いた部屋。
 
 台所の電気を点け、手を洗う。
 やかんに水を入れて火にかける。
 部屋に入る前に、何か冷たいものが飲みたくて、冷蔵庫の扉に手をかけた。
 
 ん?  んん?!!
 嫌な予感!
 何の抵抗もなく開いた扉。
 
 ・・・・・・! 
 手を入れると生ぬるい。
 えっ? うっそ・・・!
 
 昨朝6時に家を出てから・・(必死に計算)・・38時間?
 38時間も空いたままだったのか・・・。
 そんなぁ〜〜。
 
 次々に触ってみるが、全部生温い。
 マーガリンの蓋を開けると、やわらかく溶けていた。
 アッと思って冷凍庫を引き出すと、そこは何とか大丈夫で、助かった・・。
 
 でも、タッパーに作り置いているおかずは全部ダメだ。
 チーズも、牛乳も、ヨーグルトも、ハムもダメだろう。
 ベーコンは?
 漬物もダメだ。 卵は?
 
 温度設定の場所を探して、ダイアルを「強」にして、とにかく部屋に入った。
 やかんがピーーっと空しく鳴っている。
 11月というのに記録的?な気温だったこんな日に、よりによって38時間も・・・・。
 
 着替えて、再び冷蔵庫の扉を開ける。
 明日はゴミの日ではないので、今捨てるのはマズイが、とにかく救えるものを救うためには早く冷やさねばなら  ない。
 捨てねばならないものを次々と外に出す。
 調味料は大丈夫だろうか・・。
 果物も怪しい。
 しなっとした野菜も取り出して、とにかく調理することにした。
 
 きゅうりを塩で揉んで、なすを煮て、トマトはラップにくるんで冷凍。
 葉物も茹でて冷凍。
 夜も更けていくのにまだ暑く、汗が流れた。
 
 スカスカになった冷蔵室が、ようやく8℃くらいまで下がったのは、日付の変わる時刻。
 
 携帯に届いていたメールに返信するのも忘れていた。
 PCメールもチェックしておかねば・・。
 お風呂にも入らねば・・。
 
 はぁ〜〜〜〜・・・・・。
 
 何事もない平凡な一日というものは、なかなか無いものである。
 
 バカバカ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
イメージ 1
 
 
 昼間は30℃近い蒸し暑さだった先週末。
 雨が上がると、ウソのように気温が下がり始めた。
 いや、ウソのようにではなく予報通りなのだが・・あまりの急降下には驚かされた。
 
 山手の風は薄手のジャケットを通して身を震わせる。
 これはもう自家発電するしかないと、走ってはみたものの、身体が温まる前に息が切れた。
 灌木の中に入ると、懐かしい香り・・。
 もうすっかり日が暮れて、あたりはよく見えないが、
 目を凝らしてみると・・キンモクセイ?
 
 薄っすらとオレンジの花が見えた。あそこにも、あそこにも・・。
 早いな〜〜。 いや、早くはないか・・。
 でも昨年は、まだかまだかとずいぶん待ちくたびれたような気がする。
 
 
 Kちゃんからの毎晩の定期便は、携帯メールと固定電話。
 メールで書くのがじれったくなると、「今から電話してもいい?」。
 尋ねてくること、訴えてくることは、日常の中のささいなこと?
 いや、彼女にとっては決してささいなことではない。
 
 「誰にもわかってもらえへん。 私のしんどさは誰にもわかってもらえへんねん。
  私って一生こんなんかなぁ・・。この先どうなるんやろう・・・。」
 
 「わかるよ。」なんて言えないし、言わない。
 わかるわけがない。
 私は貴女ではないのだから・・・。
 
 まだ出会ったばかりの頃、一緒にコンビニで昼食を買おうとして驚いた。
 私はサンドイッチ2つと牛乳を買って、先にレジを済ませたのだが、彼女はおにぎりの前で迷っていた。
 迷うことは別にかまわないし、急いでいたわけでもないので、何も思わずに待っていたのだが・・。
 飲み物のところでもずいぶん迷い、それは棚に戻して、会計を済ませて店を出る。
 
 5分ほど歩いたところで、彼女は急に落ち着かなくなった。
 「これ・・返したいんやけど、返せるかなぁ・・。」
 「?? まあ返せるんと違う? レシートもあるでしょ?」
 「うん。」
 
 結局、店に戻っておにぎりを返品した。
 店員はわずかに戸惑ったようだが、仕方なさそうに引き取ってくれた。
 外に出て歩きながら、
 「私って変かなぁ・・。普通の人はこんなことせえへんよね〜。」
 
 「う・・・ん、まあね。 何が嫌やったん?」
 「うーーん、私がほしかったんは違うかなと思てん。」
 「換えてもらったら良かったのに・・。」
 「ほんでもまた嫌になったら困るから・・、もういいわ。」
 
 彼女は買い物においては、ほとんどこの調子なのだった。
 買い物だけではない。
 パーマ屋でカットしても、気に入らないと翌日にまた行ってしまう。
 3度目にもなると、そこでも揉めることは必至だ。
 
 手に湿疹ができて皮膚科にかかったときも、3度薬を変えてもらっても一向に治る気配がなく、
 納得がいかなくて、しつこくいろいろと聞いたらしい。
 夜にまた行くと、診察時間は終わっていて・・受付の人とのやり取りでまた揉めて・・。
 受付の人に「警察を呼びますよ!」と・・・。
 
 おそらく彼女の方が先に切れたのだろうが、そこまで言われて深く傷ついた。
 それっきり病院にも行けない。
 「私はただ、詳しく聞きたかっただけやのに・・。」
 
 役所の窓口でもことごとく揉める。
 「私って、やっぱり変やねんなぁ・・。 普通の人はこんなことは言わへんねんね。
  私って、やっぱりクレーマーなんやね。  でも、どうしたらええのかわからへんねん。」
 彼女もトラブリたくは無いのだ。
 そのたびに辛いには違いない。
 
 専門のクリニックにもかかっていた。
 病名は「強迫神経症、不安神経症」。
 仕事もなかなか続かず、しょうがい者枠の雇用でも何度か転職している。
 
 家庭も複雑で、ずっと父子家庭だったが、そのお父さんも彼女が19のときに亡くなった。
 家と少々のお金を遺して。
 兄弟姉妹も無く、親戚はいるが支えになってくれるような人はいない。
 
 彼女の根っこの部分の「不安」は、生い立ちやこれまでの環境のせいもあるのだろう。
 「周りの人は、みんなちゃんとやってはるやん。みんな自分より幸せに暮らしてはるやん。
 私、いつも周りの人を羨んで来たかも知れん。」
 
 「みんなちゃんとやってるかというと・・そうでもないと思うよ。
 多かれ少なかれ、誰にでも生き辛いところはあると思うし、自分の問題に気付いてない人も多いし。」
 
 誰かに借りたという「大人の発達障害」という本を読んで、「私はこれやと思う。」
 「でも、どうしたらいいん?治すことなんかできひんのでしょ。」
 
 4月からしょうがい者枠で採用された今の仕事は、何とか続いている。
 主任さんについて聞かせてくれる話では、信頼できそうな人に思えるのだが・・。
 彼女の中の不安や、これまでの「裏切られ感」が根強くて、人を信じることがなかなかできない。
 
 「こんなこと、主任さんに話しても大丈夫かなぁ・・。」
 「ここまで話したら首になるかなぁ・・・。」
 「大丈夫、首になんてならへんから・・。」
 
 何とか隠し事は止めて、しんどい部分は少しずつ正直に、全部伝えることができたようだ。
 あとは主任さんを信じるしかない。
 
 今すぐ聞きたいことがある、というときには、携帯に電話がかかってくることもある。
 出られないときには仕方ないが。
 役所の窓口で揉めているときには、「今日のところは帰って、整理してから出直そう。」と言うしかない。
 手帳は持っていても、今の診断では生活保護や年金の対象にはなるのは難しい。
 
 払うのは簡単だが、いただく場合は・・・とにかく福祉の書類はややこしいのだ。
 窓口の人が不親切に思えても、喧嘩腰になったらダメだよと、繰り返伝えるしかない。
 「可愛いんやから、ニコッと笑うくらいにならないとね。」
 
 そして、一つクリアーできたら、自分を褒めないと・・・。
 
 今夜は絵文字だらけの嬉しいメールが来た。
 「こんばんは、お仕事ご苦労さまでした・・。
 いろいろあったけど、小さなことは流すことができました。
 何とか今日も一日終えました。 ありがとう・・・おやすみなさい。」
 
 「おやすみなさい・・。」
 
 
 
 
 
 
 
 

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