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7月15日(土)14:00開演 トリフォニーホール
第576回トパーズ
イベール/寄港地
サン=サーンス/ピアノ協奏曲第5番ヘ長調『エジプト風』op.103*
ショーソン/交響曲変ロ長調 op.20
ピアノ:パスカル・ロジェ*
指揮:秋山和慶
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
7月15日(土)18:00開演 ミューザ川崎シンフォニーホール
第652回定期演奏会(ミューザ川崎)
細川俊夫/「嘆き」〜メゾ・ソプラノとオーケストラのための
マーラー/交響曲第2番ハ短調「復活」
指揮:ジョナサン・ノット
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
ソプラノ:天羽明惠
演奏:東京交響楽団
合唱:東響コーラス(合唱指揮:冨平恭平)
7月29日(土)14:00開演 東京文化会館
二期会オペラ
R・シュトラウス/楽劇「ばらの騎士」
元帥夫人:林 正子
オックス男爵:妻屋秀和
オクタヴィアン:小林由佳
ファーニナル:加賀清孝
ゾフィー:幸田浩子
マリアンネ:栄 千賀
ヴァルツァッキ:大野光彦
アンニーナ:石井 藍
警部:斉木健詞
元帥夫人家執事:吉田 連
公証人:畠山 茂
料理屋の主人:竹内公一
テノール歌手:菅野 敦
3人の孤児:大網かおり、田崎美香、松本真代
帽子屋:藤井玲南
動物売り:芹澤佳通
ファーニナル家執事:大川信之
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
演奏:読売日本交響楽団
合唱:二期会合唱団
演出:リチャード・ジョーンズ

最近のニュースは非常に低俗なネタが多いです。
近年のゲスネタは不倫ネタばかり。
若い人たちに「草食系男子」が増えたということなのに中高年は肉食系真っ盛りと思いきや、そうではないのだと思います。
SNSの発達により、昔からあったものが時間を置かずに露呈しているのだと思います。

このネタは昔からの事柄で今更だと思います。江戸時代の近松にしたって既に話としてできあがっているし、もっといえば平安時代の源氏物語の時代からあります。世界で初めて文字として残る小説の中身が不倫(だけではないですが)なわけですから、報道側が加熱させている意味もよくわからないです。

空白部分ができればそこを陣地にするのが人間の常なので組み合わせができるのはある意味しょうがないことなのではないかと思います。
政治家に聖人君子になれというのもむずかしいでしょ。昔の政治家もたくさん女性を囲っていましたから、実際のところ靴下をはかない某俳優が「不倫は文化だ」と言っていましたが、倫理観を有するかどうかチャンス(相手方の好みも含め)があるかどうかだけの話だと思うのですが。

先週末、「ばらの騎士」を観劇しましたが、このオペラはそのスキャンダルの最たるものです。
「不倫にもいろいろありまして・・・」といった内容のものです。

二期会ではR・シュトラウスを結構取り上げます。
今まで観たものは、「カプリッチョ」、「ナクソス島のアリアドネ」、「サロメ」の3本です。
どれも癖が強い舞台で自分の中では演出上、「当たり」と言われるものに接したことがありません。
その中では今回は納得ができる範囲の演出でした。

ただですね、冒頭のオクタヴィアンの姿が女なのですよ。髪の毛が長く、元帥夫人と変わらない。
レズドラマを見ているようで冒頭から不快な気持ちにさせてくれました。
1幕では舞台を二次元的風景で描き、舞台上の奥行きがありません。圧迫感のあるこの舞台とウィーンの貴族たちが住む世界はこういう場所なのかということを考えたのか考えていないのかはわかりません。
中心になるベッドはなく、元帥夫人のシャワーシーンから始まります。

小林由佳扮するオクタヴィアンが林正子の元帥夫人にちょっかいをかけ続けます。
このオペラでのオクタヴィアンの立ち位置は常に女性の斜め後ろです。元帥夫人の後ろに立っては盛りの犬のようにというかHGのように腰を振り続けます。
この下品さが逆にオペラとして大変に調和がとれています。
通常の「ばらの騎士」舞台上は建前を大事にして、できる限り上品な人物像をしていますが、実際17歳の盛りのついたおにいちゃんと想定30過ぎの夫人の組み合わせを今風の芸能雑誌の扱いで考えたときに、何の制約もない場合、どう演出すべきなのかはおのずとわかることでしょうね。

毎回のように二期会はWキャストを敷いており、土曜日はゾフィーが幸田浩子さんでした。さらにオックス男爵は妻屋秀和さん。妻屋さんは新国立劇場のオペラにも毎回でておいでだから相当忙しいのでしょうね。
こういう役はお手のものでしょうね。
このオペラでの最も皮肉的なのはオックス男爵が歌う歌とテノール歌手(役どころ)が元帥夫人の前で披露する歌が最も美しいメロディーだということです。
もちろん、第1幕のオクタヴィアンとゾフィーの二重唱、第3幕の三重唱は素晴らしいのですが、第3幕の三重唱は弦の泣きと金管のひっぱりがあってのもので、歌そのものはオックスのものがとてもよくできています。

R・シュトラウスの皮肉としか思えないです。

そしてオーケストラですが、第1幕は固い音でした。粘りに欠け、ブラスバンド音楽を聴いているようでした。リヒャルト独特の艶が不足していました。後半はまあまあだったのですけど。
そして指揮者がセバスティアン・ヴァイグレ。メトを振る指揮者が単身二期会の公演でタクトを構えてくれてブックリです。


さてさかのぼりますが、15日に新日本フィルと東響の演奏会を聴きました。
新日本フィルを秋山さんのタクトで聴く記憶が僕にはありません。東響や広響というのが僕の感覚です。
サン=サーンスでロジェですか。これもビックリです。さすがにロジェがピアノ弾いてくれるのであれば、ラヴェルの方が良かったかなと思います。

その後、錦糸町から川崎に向うのですが、ちょっとミスをしました。
快速で新橋まで行ってから東海道線に乗り換えようと思ったのですが、ぼおっとしていたらそのまま乗り過ごしました。東海道線、京浜東北線よりずっと北側を走るのでやむなく武蔵小杉まで乗車し川崎に入りました。

東響っていまちまたのクラシックファンではどんな位置づけになっているのでしょうか。
僕の昔のイメージは日本のロンドン交響楽団的位置づけです。
あまりドイツものを重心をもって演奏するのではなく、どんな曲も器用にこなして映画音楽風に仕上げるイメージでした。大友さんや飯森さんが指揮するイメージがあるためです。
硬質なイメージはN響や都響です。

東響の川崎での演奏会も今回が最後で次回以降は現在修復中のサントリーホールに戻ります。
最後の演奏は細川とマーラーです。
細川俊夫の「嘆き」は初演をデュトワがN響とともにザルツブルグでやっています。由緒ある音楽ですね。歌は藤村さんがやっており、ひきしまっていました。死ぬまでに実演で再度聴くかどうかはわかりません。

さて、2曲目ですが、マーラーの交響曲第2番です。来月東京フィルでチョン・ミョンフンの指揮で同曲を聴きます。この曲もすっかり聴く機会が増えました。毎年のように聴ける最近のお客(自分も含まれます)は幸せです。
演奏する側も、聞く側も以前と比較すると自然体になっていることがいいです。
ノットの指揮は変なアクセントや圧迫感がありません。
インバルやハーディングが指揮するとオーケストラにかなりの音圧を要求しますが、ノットはベートーヴェンの第6番を演奏するように牧歌的な枠組みの音でした。

かといって音楽がぬるいわけでもなく常に一定の緊張感が張り詰めていました。
後半まで手を緩めず音を構築していましたが、若干オーケストラのミスが目立ちました。たぶん細川さんの音楽がむずかしかったので十分な練習時間が配分できなかったのかもしれません。
仕上がっている箇所とそうでない箇所が明らかにわかる演奏でした。
ソプラノがくすんだソプラノ(ジェシー・ノーマンのような)ではなく明るいソプラノだったので、マーラーがより健康的に聞こえました。

この日も十分に楽しめました。
そしていつもの演奏終了後のノットお呼び出しがありました。これって東響定期公演の恒例になりましたね。定期公演でこれだけお呼び出しが続くことに東響事務局も喜んでいることでしょうね。
これがさらにセールスにつながればもっといいかもしれませんね。
どちらにしてもノットを呼ぶことを決めた方々はとても素晴らしい決断だったと思います。
N響と東響の関係者には本当に頭の下がる思いです。

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