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 久しぶりに北朝鮮のことを書きます。今書いておかないと北朝鮮ウオッチャーとして失格となりますから、現在どういうことが起こっているのかを残します。

 5月16日に開催予定であった南北閣僚会談が北朝鮮側からの通告で中止になりました。これについて韓国のマスコミは驚きをもって報道されています。来月に米朝会談が開催されるための雰囲気づくりとして米朝間の交渉の間に韓国が立とうという位置づけです。

今回、平昌オリンピックを境に北朝鮮が韓国側の協議に応じたのは、北朝鮮の国内事情によるものではないかということです。
 デイリーNKジャパン編集長の高英起さんが記事にしていたのですが、今年の冬には寒さのため平壌でささ高齢者が凍死したことが要因になったということです。
 一般には食料不足や燃料不足、資材不足は北朝鮮の典型とされていますが、地方ではなく、北朝鮮のショーウィンドウ平壌の住宅内にいる人間が死亡したことが重要な情報だということです。

 西側の経済制裁は北朝鮮にずっと科しているわけですが、実際は中国、ロシア、東南アジアの古くからの友好国(シンガポール、インドネシア)、さらにはアラブやアフリカに軍事協力をしているような国から制裁の網をくぐりながら物資を調達し続けていました。
 しかしながら、トランプ政権になり「トランプー安倍ライン」がそのことを国連等で積極的に宣伝に入り、現在の北朝鮮の核やミサイルの開発資金や物資はこういうことが行われ、経済制裁がきいていないためだということで中国にも協力を求め続けた結果です。

 金正恩が国家を束ねるようになり、中国とも対立し始めたことから、米国の要求にほとんど応じることになり、いままで中国ルートで入っていた石油がほとんど入らなくなり、北朝鮮が本当にどうしようもない状況に陥ったということです。
 そのため背に腹はかえられない状況で韓国の言葉に応じただけで、北朝鮮の本性は従来と何も変わっていません。米国への橋渡し要員あるいは金づるとしか思ってないでしょう。

 北朝鮮が目指そうとしているのは何かをきちんと考える必要があります。
 先般、テレビで情報があったのはシンガポールのような高度な経済を兼ね備えた「独裁国家」ということでした。
 根本的に次のことを理解する必要があります。

1 北朝鮮の国体をどのように考えているのか
2 今も韓国を統合し、ドイツ型あるいはベトナム型の朝鮮統一をめざしているのか
3 米国との関係をどのように描いているのか
4 開発した核の取り扱いをどのようにするのか

 北朝鮮がという前に金王朝とその周辺にぶら下がる高級軍人たちが生き残るかを第1命題にしていると考えているでしょう。 
 上に記載した1〜3は独立して考えるものでなく関連づけて考えているはずです。

 国体について、現在の北朝鮮が早期に統一するか否かは重要視していないように思えます。1950年に金日成が赤化統一をめざし朝鮮戦争を起こしましたが、仮に北主導で朝鮮半島を統一しても経済的にイデオロギー的に自分が独裁をしける国家の樹立が困難であることは十分に理解できているはずです。
 韓国以上の国力を付けない限りは自分が望む金王朝国家にはなり得ないことを理解しているでしょう。

 彼の国統治の方法は、競争相手を排除するところから始まるのは今までの行動をみてわかると思います。叔父である張成沢を死刑にし、さらに腹違いの兄である金正男氏を葬っています。
 残虐であることは確かですが、自分を排除する可能性のカードを早めに摘み取るというのはある意味合理的な対応だということです。
 父である金正日は異母兄弟の金平一(キム・ピョンイル)を海外の大使(ポーランド→チェコ)にするという方法を採ったが、年齢的に若い彼は、中国や西側諸国とも接触できている金正男氏を消去という形で対応するのが最も安全な方法だと判断したのでしょう。
 兄の金正哲をどのような位置づけとするかはわかりませんが、ほぼ体制確立はできたということではないでしょうか。

 彼の頭の中にある国家づくりの手順は、今の流れを見ると
「体制保証」(今回の記事記載範囲)→「資金確保」→「技術確保」→「北主導の統一」ではないでしょうか。そしてこの流れの99%の重みは「体制保証」にあります。
 ここをどのように担保するかのやりとりが今の状況です。
 6カ国協議時にも協議の中心となった「核放棄の時期」については米国側は「入口での実施論」、北朝鮮側は「出口での実施」でこのことの調整がつかず決裂し、今に至っています。
 その後の状況で北朝鮮は核開発に成功しており、小型化して確実に米国本土東部に着弾させる技術開発に傾注しています。

 米朝協議が決定して以後の北朝鮮の動き自体が不可解でした。昨日の南北会談破棄まで北朝鮮が米国の言い分にまるでかみつかなかったことの方が従来の北朝鮮の行動と異なります。
 そして米朝交渉自体を取りやめるかもしれないと言い出しています。
 ただ、米朝交渉がなくなるということはないことでしょう。
 この交渉をずっとやりたくて願っていたのですから、これを一方的にやめるとは思えません。韓国との閣僚会談中止はあくまでも米国へのポーズで自分たちは席を立つ準備はいつでもできているということを見せるために行ったもので、これは既定路線と考えるべきでしょう。

 それよりも北朝鮮側の姿勢を明確に出したのは、米朝交渉のことを発表したのが金桂寛(キム・ケグァン)第1事務次官だったということです。知る人ぞ知る北朝鮮のネゴシエーターです。彼の外交交渉スタイルは基本脅しです。状況が悪くなると、「自分の立場が悪くなると交渉対応からはずされるけどいいのか」という交渉をするので有名です。
 彼が表舞台に立ったのは久々のことです。90年代の米朝交渉は彼と姜錫柱(カン・ソクチュ)(〜金正日の懐刀)で展開されており、李容浩(イ・ヨンホ)の後方支援で長らく行われてきました。

 近年になり、李容浩(イ・ヨンホ)は外相となりましたが、対米関係は長らく通訳を行っていた崔善姫(チェ・ソンヒ)が北米局長、外務次官となり、ソフトなイメージで交渉がなされていました。
 本来であれば、彼女が発表するのでしょうが、金桂寛が表に出たことで交渉がまた「6カ国協議決裂時からのものにしましょう」(「行動対行動」という段階的核解除方式〜つまりいつでも駄々がこねられる核を武装解除しない方式)という意図であるということです。

 ポルトン氏がリビア型の対応(先に当事国が核を完全に放棄をする)という提案をしていますが、裸になったカダフィはその後、国内で殺害される憂き目にあっています。
 ほぼ北朝鮮側が思う核開発の終着点まできている中で北朝鮮が核放棄するなどということは幻想に過ぎません。
 来月6月12日にシンガポールで米朝交渉が実施されるというアナウンスの中で中国の習近平が同じ時期に同国を訪問するという情報も出ています。中国自身も北朝鮮の核放棄については北朝鮮同様「出口論」(段階的核放棄)を主張しており、北朝鮮や関係国を含み中国が影響力を有する「6カ国協議」方式に誘導するのではないかと思います。

 ここでひとつ重要な情報を入れておかなくてはならないのですが、今回の発表に金桂寛は「私は〜」という表現を使用していることだ。
 第1外務次官ではではあるが、北朝鮮政府あるいは外務省の言葉ではないということです。一方では通常の非常に巧みで「李容浩−崔善姫ライン」の流れは残してあるということです。米国の逆鱗に触れたとき、金桂寛という老兵の尻尾切りを行える状況にしながら、本音がどこまで通用するか試しているのでしょう。既に表に余り出てこないのは体調不良とも言われており、彼が北朝鮮の悪役を精一杯担うのかもしれません。

 一方、米国側は、交渉が決裂すれば軍事対応という脅しを出していますが、今の段階では現実的ではないです。北朝鮮においては金正恩が短期間に2回も中国訪問をし、近い将来、習近平が北朝鮮を訪問するともしています。結局、このことで中国側の経済制裁は解除され、米朝会談の顔合わせだけのことで終わってしまうように思います。イラン対応もあり外交上核問題で両国をそれぞれなんとか手なずけたいという意向です。
 その後トランプが北朝鮮問題でどれだけ興味を示し、北朝鮮がどんな行動で米国と接するかという段階になるかということです。
 中国は米国の軍事行動をどのような形で止めるかに奔走することになるでしょう。

 一言で言えば、平和解決の道には結びつかないということです。
 当面北朝鮮がやってきそうなのは、米国内の強硬派への攻撃になるでしょう。ボルトン氏は交渉までの間、口封じ徹底的に攻撃してくるのではないでしょうか。
 具体的には、ボルトン氏が「リビア型解決方法」の言葉を撤回しないと、米朝交渉を回避すると脅しを
かけてくるでしょうね。
 韓国ならオロオロして遺憾声明を出すのでしょうけど、米国なら「交渉したくないならそれでいい。最大限の圧力を継続する」と言い放つのでしょうね。

 北朝鮮が、現在経済制裁で不利な状況になったのは日本の安倍首相の強力な働きかけに負うところが大きく、関係6カ国の中で日本だけをのけ者にして疎外感が起こるような行動をとっています。これは北朝鮮や中国の典型的な外交スタイルであり、ここでマスコミが騒ぎ立てるのを北朝鮮は期待しています。

 これで手を緩めることが結局問題を解決しない方向へと導くことになります。北朝鮮に揺さぶられないよう皆が辛抱強く北朝鮮締め上げを継続して行く必要があります。



<追 記>
 5月13に出たニュースで韓国船籍のタンカーが、北朝鮮の「瀬取り(洋上での物資の積み替え)」を行った可能性があるとしたが、韓国政府が否定していました。
 日本側の調査も、韓国、北朝鮮の両船の海上の船の高さ(重みが加われば船が沈むし、軽くなれば浮く)が変わらないから、何も行われなかったという報道が出ていましたが、僕は瀬取りは行われたと思っています。
 資材ではなく、「現金やりとり」をタンカー同士でやったのではないでしょうか。
 口座で実施すると米国の調査にひっかりますが、直接やりとりなら証拠がない限りわかりません。現金ぐらいだとたとえ数百億円でも船の沈み具合には影響ないでしょう。
 金大中の時もノムヒョンの時も南北会談でカネのやりとりがあったのに、今回だけ何もなかったなどあり得ない話です。今は何もなかったとされますが、何年後かに実はあったとして、文大統領が逮捕されることになるかもしれません。

 何も取り引きがなかったなどと誰が信じるでしょうか。
 北朝鮮が突如強気になったひとつに韓国あるいは中国からの資金提供があったのか確実視したためではないでしょうか。
 北朝鮮を締め上げようとしてもこれらの2カ国はすぐに裏切ります。

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