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 わたくしの住む福岡の隣県の佐賀、神崎で起きた自衛隊ペリコプターの墜落事故、昨年は、このあたりバイクで何度か走ったところなので、その後の経緯などの方向も含めて複雑な気持ちになります。
 その中で、ネットに紹介された毎日新聞の記事を紹介しておきます。優れた記事と云うだけでなく、哀れさがこみあげてくるような記事の内容です。短い文章なのに、一度に読めませんでした。筆者は、どのような方か知りませんが、ジャーナリズム界にこういう方――目に見えることをはっきりと言葉で表現できる方、がいらっしゃると云うことを心強く思います。
 本文にあるように、人は想像力というものを欠いたとき、どこまで冷酷になれるか、無意識の領域が出てしまった、素顔の悲劇ともいえるでしょうか。これが日本人の一部に巣食い始めている精神構造の模写象なのでしょうか。話は沖縄の事故のことに遡りますが、松本文明と云うお方、自分の冷酷さを鏡に映してご自身の眼でご覧になっていただきたいと思います。

 以下その全文です。



<陸自ヘリ墜落>被害者に暴言、想像力欠き冷酷

2/11(日) 7:30配信
毎日新聞
 佐賀県神埼(かんざき)市での自衛隊ヘリ墜落事故で、家を失った住人がネット上で罵声を浴びている。沖縄で相次ぐ米軍ヘリの不時着や部品落下の事故では「それで何人死んだんだ!」と国会でやじが飛んだ。基地のそばで不安を抱え生きる人びとへの想像力が、失われかけていないか。【福永方人、和田浩幸】

【写真】墜落現場付近に残る陸自ヘリのものと見られる部品

 自衛隊ヘリが墜落した際、家に一人でいた女児(11)は軽傷で奇跡的に難を逃れた。翌日、父の「許せないですよね」というコメントが新聞で報じられると、ツイッター上に非難の投稿があふれた。

 <何様? 墜落して亡くなった隊員の事考えねーのかよ>

 <わざと落ちた訳じゃないし、許せないの意味が分からん>

 <死ななかっただけいいじゃないか>

 戦後、本土でも沖縄でも基地周辺の住民が多数、軍用機の墜落で犠牲となってきた。

 横浜市で1977年9月27日、米軍偵察機が住宅地に墜落した事故では、土志田(どしだ)和枝さん(事故当時26歳)と3歳の長男、1歳の次男の母子3人が自宅で全身やけどを負い、兄弟は間もなく死亡。和枝さんも4年4カ月後に死亡した。偵察機の乗員2人はパラシュートで脱出していた。

 「お水をちょうだい。ジュースをちょうだい」。病床で苦痛を訴える全身包帯姿の長男は次第に衰弱。最後に「バイバイ」と言って息を引き取った。次男も「ポッポッポー、ハトポッポー」と父に教わった童謡を口ずさみ、兄の後を追った。

 母の和枝さんは皮膚移植を60回以上受け、治療中の配慮で1年4カ月間、我が子の死を知らされなかった。和枝さんは日記で「心配でいても立ってもいられない」と息子たちを案じていた。

 沖縄では本土復帰前の59年6月30日、石川市(現うるま市)の宮森小学校に戦闘機が墜落し、児童11人を含む17人が死亡した。給食の時間中だった。当時5年生だった佐次田(さしだ)満さん(69)が振り返る。「衝撃で校舎が揺れ、炎と黒煙が立ち上った。黒焦げになった男の子が運ばれていった」

 国会でのやじの主は松本文明副内閣相。1月25日、衆院本会議で共産党の質問の最中だった。松本氏は翌日、安倍晋三首相に「誤解を招いた」と陳謝し、副内閣相を辞任した。松本氏の事務所は取材に「コメントすることはない」としている。

 やじは、裏返せば「誰も死んでおらず問題ではない」と受け取れる。

 「救いようがない。その冷酷さは政治家の失言史に残る」と評するのは、政治評論家の森田実さんだ。自ら辞める体裁をとった政府を「少なくとも辞任を認めず罷免すべきだった。対応が甘い」と厳しく批判している。

 宮森小の悲劇を語り継ぐ沖縄県うるま市の久高政治(くだかまさはる)さん(69)は「軍用機が墜落するかもしれない恐怖の中で暮らす人の気持ちを考えてほしい」と話す。ツイッター上での非難や、国会でのやじには、そんな人びとへの想像力が決定的に欠けている。久高さんは、そう思えてならない。
最終更新:2/11(日) 10:34




(追記)
 不幸な事故が起きました2月5日、わたくしは「オードリー、人生の休日」という凡庸な記事を呑気に書いておりました。『ローマの休日』に触れながら、失われた王女の幼年時代に重ねて、西部戦線の戦火のしたを彷徨った、オードリー・ペプバーンの失われた幼年期のことに想いをいたしておりました。『ローマの休日』という映画は、コメディタッチの青春ドラマであるだけでなく、失われた幼年期を追体験し、修復、恢復する、王女のフィクションに重ねた、オードリーの追体験のストーリーである、と申し上げました。今回の不幸な事故は、現実に起きた事故である限りは、修復、回復もかなわない、取り返しのつかない、毎日新聞の記事に書かれてあるような、永遠の喪失、硝子の破片のように鋭利な、引き裂かれた現実を呼び込み引き込んでしまうのです。

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人間のクズ。

命と個人の尊厳への理解と配慮、政治家としての慎みも他者に対する最低限度の銅像力さえ持ち合わせぬ政府と、コレヲ看過したまま、何事もなく過ごしていく時代の傲慢でしょうか。

皇族の結婚が意味不明のまま延期されたニュースはbbcで先行して延期の期日まで報道された、その後ようやく日本国内で報道が始まった。不思議。

メディアは自己規正、それともお得意のソンタクでしょうか。 削除

2018/2/12(月) 午後 4:55 [ ] 返信する

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本当に、不可解なメディアの現状ですね。

古賀茂明さんが、五六年に渡って緩やかに続く実質賃金の低下について語らぬ、政府と四大新聞の嘘と誠、忖度と欺瞞について本日語っていました。

政治家、官僚以上に無能な経営者に対する彼の憤り!失われた二十年において日本が怠ったのは、先進国型の経営理念であり、それを生産性の拡大やコスト削減の思想で乗り切ろうとした「後進国型」発想だと言っています。

もう忘れてしまった方が多いと思いますが、ある歳の年頭の辞のようなものを、テレビをつけるといきなり、トヨタの奥田なにがし氏が語っていたのには驚きましたね。

驚くべきところで、驚かない!不思議な国民性が一部に染みつきつつあります。

2018/2/12(月) 午後 7:52 [ S.HIROENIMUS ] 返信する

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自民党・松本氏のような感性の持ち主が、毎年、議員バッチを付けて靖国参拝を敢行するのでしょうか。

他者の痛みを理解できない方々が、戦没鞘の慰霊を祈る?日本の神々は岸信介のような人間も合祀して、差別しない、寛大な神様たちですが、それを良いことに、他者を恫喝するような暴力団めいた物言いをする内閣総理大臣が、戦地や被爆地、被災地で様々に慰霊の言葉を連ねる。不潔な人間性に身震いするほどです。

2018/2/12(月) 午後 7:58 [ S.HIROENIMUS ] 返信する

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