こだわりクラシック Since 2007

12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

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あけましておめでとうございます!
今年こそはいい年にしたいものです。

アルマーヴィーヴァ伯爵…ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
伯爵夫人…キリ・テ・カナワ(ソプラノ)
スザンナ…ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
フィガロ…ヘルマン・プライ(バリトン)
ケルビーノ…マリア・ユーイング(メッゾ・ソプラノ)、他
カール・ベーム指揮ウィーンフィル
演出:ジャン=ピエール・ポネル
制作:1976年
https://www.youtube.com/results?search_query=figaro+ponnelle+

 フィガロ:ヘルマン・プライ
 スザンナ:ルチア・ポップ
 アルマヴィーヴァ伯爵:ベルント・ヴァイクル
 伯爵夫人:グンドラ・ヤノヴィッツ
 ケルビーノ:アグネス・バルツァ
 カール・ベーム(指揮)
 演出:ヘルゲ・トマ
 舞台装置・衣装:ジャン・ピエール・ポネル
 収録:1980年9月30日、東京文化会館(ライヴ)
http://www.youtube.com/results?search_query=bohm+figaro+1980

助六さんとkeyakiさんが貴重な情報を寄せてくださったのでここでまとめておきます。

・ウイーンのポネル演出はカラヤンが72年からザルツブルグで振っていたものを77年にカラヤンがウイーンに持ってきたもの
・ウイーンではカラヤンは77年5月と78年4月に振っただけでベームなど他の指揮者も振った(ベームは日本の4公演など海外を含めて15回)
・プライは東京公演前の80年2月にウイーンで初めてフィガロを歌い、これは日本公演に向けた予行演習だったと推測される。
・ベームは日本公演後の81年3月にウイーンで最後のフィガロを振ったが日本公演とはキャストは一部異なる(バルツァが出ていない。スザンナはマティス?)
・トマ演出のフィガロの結婚はドイツ国内巡業用のプロダクションで1979.10.18〜1982.5.17に27公演を実施した。ウィーン専属のローカルな歌手が歌った。
・ウイーン側の資料では日本公演はポネル演出だったことになっている。
・日本公演のトマ演出「フィガロの結婚」は基本的にはポネル演出の焼き直しで、ケルビーノを着替えさせる場面などはほとんどそのまま
・トマは80年のオランジュ音楽祭の「さまよえるオランダ人」も演出している

なるほど。76年の映画の印象が強いのでウイーンではベームが振っていたのかと思ったが、ザルツブルグでのポネル演出のフィガロはウイーンでも基本的にカラヤンのプロダクションだった訳だ。そうなるとなぜ76年の映画をカラヤンが振らないでベームが振ったのかという点も気になる。カナワ、フレーニ、ユーイング、モンタルソロはカラヤンのザルツブルグの舞台でも歌っているからだ。
鍵を握っているのはプライのフィガロなのではないだろうか? 1.ベームの76年の映画と2.80年の東京公演、3.カラヤンの78年の録音と4.助六さんがご覧になった80年のザルツブルグ音楽祭、5.ショルティの80年のパリの舞台と6.81年の録音という6つの演奏のキャストを比べるとかなりの割合でダブっていることが分かる。同時期に同じような歌手を3人で取り合っていたのだ。しかしプライのフィガロはベームの映画と来日公演だけだ。

      伯爵/伯爵夫人/フィガロ/スザンナ/ケルビーノ/バルトロ/マルチェリーナ/バジリオ
ベーム(76)ディースカウ/カナワ/プライ/フレーニ/ユーイング/モンタルソロ/ベッグ/ケレステン
ベーム(80)ヴァイクル/ヤノヴィッツ/プライ/ポップ/ヴァルツア/リドル/リロワ/ツエドニク
カラヤン(78)クラウセ/シントワ/ダム/コトルバス/シュターデ/バスタン/ベルビエ/ツエドニク
カラヤン(80)クラウセ/シントワ/ダム/ストラータス/シュミット(ユーイング)/モンタルソロ(フェラー)/ベルビエ/セネシャル
ショルティ(80)バキエ/ヤノヴィッツ/ダム/ポップ/シュターデ/モル/ベルビエ/セネシャル
ショルティ(81)アレン/カナワ/ラミー/ポップ/シュターデ/モル/ベルビエ/ティアー

そういえば有名な68年のDG盤でプライにフィガロを歌わせたのもベームだ。プライが舞台でフィガロを歌い始めたのは1980年になってからのようなので、DG盤と映画におけるプライのフィガロは当時はベームだけの特別なキャスティングだったのかもしれない。つまり76年の映画は初めからベームの指揮、プライのフィガロありきで作成されたもののような気がする。

ユニテルはすでに69年にベームとプライでコジ・ファン・トウッテを制作している(ようやくDVD化されたので別の記事に書いた)ので、その続編というのは十分にありえる話だろう。もしそういう話でなかったならカラヤンのことだから76年の映画もきっと自分で振りたがったに違いない。ちなみにプライはベーム没後の1985年にはミュンヘンでもフィガロを歌っているそうだ(サヴァリッシュ指揮、レンネルト演出、伯爵はライモンディ)。

日本公演のトマの演出は決して悪くない。きっと出演者は予行演習の時のポネル演出のつもりで動いているのだろう。DVDの解説書によると飛行機が遅れたプライはぶつけ本番の舞台だったらしいので演出をつけている時間すらなかったはずだ。こういう素晴らしい演奏を日本で実現してくれたベームに改めて感謝したい。

(追記:ポネルの76年の映画≒85年のメットの舞台はポネルの第二次演出であり、72年のザルツの舞台≒77のウィーンの舞台≒80年の日本公演とは別の舞台であることが85年のメットのDVDが出てから判明したのでそちらの記事も参照されたい)
http://blogs.yahoo.co.jp/takatakao123/38658435.html


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