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12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

ドミンゴ

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 ヒルデガルド・ベーレンス(S:トスカ)
 プラシド・ドミンゴ(T:カヴァラドッシ)
 コーネル・マックニール(Br:スカルピア)
 ジェイムズ・コートニー(Br:アンジェロッティ)
 イタロ・ターヨ(Bs:堂守)
 アンソニー・ラチューラ(T:スポレッタ)、他
 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
 ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)
 演出・舞台装置:フランコ・ゼッフィレッリ
 衣装:ピーター・J.ホール
 照明:ギル・ウェクスラー
 収録:1985年3月 メトロポリタン歌劇場
http://www.youtube.com/results?search_query=met+tosca+1985&search_type=&aq=f

ゼフィレッリの演出家としての最初の成功は1963年のスカラ座とウイーンでのボエームだが、続く1964年にはカラスを起用してロンドンでトスカを演出している。この年にはメットにもバーンスタイン指揮のファルスタッフでデビューしている。メットではその後バーバーの新作オペラを除けば70年のカヴァレリア/道化師と72年のオテロがあるだけでその後しばらく新演出はなかった。

メットでゼフィレッリが盛んに新演出をするようになったのは実は80年代になってからで、81年のボエーム、85年のトスカと十八番ナンバーをメットにも持ってきた後、87年のトゥーランドット、89年の椿姫(クライバー指揮、グルベローバ主演の豪華版)と続く。80年代はちょうどメットのグローバル化が進んだ時期だ。

この時期を境にしてドミンゴやパヴァロッティはゲストとしてメットで歌うのでなくメットを本拠地として歌うようになり、スカラ座の来日公演でなくメットの来日公演でなければ彼らの歌は聴けなくなったのだ。私はメットの1988年の来日公演でドミンゴがホフマン物語を歌いに来た際に、ドミンゴがメットのメンバーとしてフランス物を歌いに来るのを大変不思議に思ったが、それ以降はそれが当然になったのだ。

このメットのトスカもイタリアの指揮者(シノーポリのメットデビュー)、スペインのカヴァラドッシにドイツのトスカ、アメリカのスカルピアという大変にメットらしいインターナショナルな編成になっている。ベーレンスの正規映像は指輪(2種)とオランダ人を除けばこのトスカとモーツアルトのイドメネオ、それにヴォッエックぐらいしかないので貴重な記録ではあるが、やはりベーレンスのトスカは私にとっては少々異質だ。

メットはドイツ系トスカ歌いの系譜があって70年頃にはニルソンもよくトスカを歌っていたようだが(コレッリが相手のことが多かったが69年2月15日の公演はコレッリの代役でドミンゴが歌ったようだ)、私は80年代であればスコットのトスカの方が良かったのではないかと思ってしまう。実際スコットは81年と84年にメットの公演でトスカを歌っている(レヴァイン指揮で相手はドミンゴ)。

オペラがグローバル化するというのは本当に良いことなのだろうか? もちろんメットがグローバルに資金を調達して世界を巡業するようになったことでオペラが大衆化し、こうしてゼフィレッリのトスカが映像で見られるようになったということは十分理解しているつもりだが。トスカは誰が歌っても難しいとつくづく感じさせる映像だ。

ゼフィレッリの演出はボエームと並んで優れているしシノーポリの指揮とドミンゴももちろん素晴らしい。テデウムのあたりは後のスカラ座のドン・カルロと少し似ているが、トスカの舞台の方がオリジナルだろう。メットではこの演出をしばらく使っていたが、最近ボンディの新演出に切り替えてしまったようだ。

この映像はLD時代から長く出ているものだ。以前パイオニアが出していたDVDはLD用のマスターの転用でDVDなのに字幕が消せなかったが、現在出ているDGのDVDは新しいマスターを用いている。画質が僅かながら改善されているのに加えてゼフィレッリがローマを案内する30分ほどの得点映像が加えられた。ディアゴスティーニが書店で1980円で売っているのでお買い得だ。

「ドミンゴ」書庫の記事一覧

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デアゴスティーニのDVDオペラコレクションを定期購読しているので
この公演のDVDを手に入れました。
考えられないほど豪華なキャスト、豪華な演出ですが、
たしかにベーレンスにはちょっとだけ違和感を感じますね。
やはりカラスのような人でないと、トスカは難しいのかもしれませんね。
あとシノーポリにも違和感を感じます。
彼のプッチーニは嫌いじゃないんですけど。

DGがデアゴスティーニのこのシリーズに原盤を提供するようになったので、
これからのシリーズが楽しみです。
いよいよワーグナーも出しますし。
リングをやってくれないかなと思っています。

2010/2/24(水) 午後 10:28 [ 鉄平ちゃん ]

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このヴィデオは86年だったかLDで出たときにパイオニアのショールームの上映会で見せてもらったことがあります。高崎保男氏の解説付きで、氏は「勝利者はシノーポリとゼッフィレッリ、ベーレンスは発声が異質」みたいなご意見でした。
独系歌手のトスカやヴェルディも声を超えた役作りでは大変興味深いものがありますね。リザネクやヴァルナイのヴェルディなんか説得的。今も男声だけどカウフマンの伊仏ものは、篭り発声が耳に付くことも多い一方、時として素晴らしさも十分。
シノーポリの「トスカ」には87−88年辺りにロンドンで接したことがありますが、「マノン・レスコー」ほどの面白さと説得性はまるで感じられませんでした。
私はスコットのオペラ全曲舞台に触れるチャンスはありませんでしたが、83年のリサイタルでアンコールに「Vissi d'arte」を歌ってくれたのを聞いたことがあります。最後の旋律線は擦れてしまう状態で、この頃以降のスコットはそういうとこには耳を瞑って聞く必要があった。当時の私にはネコに小判でしたねぇ。

2010/2/25(木) 午前 10:46 [ 助六 ]

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鉄平さん

だいぶ先ですがDGが海外で出しているパルジファルやマイスターが予定されているようですよ。私も楽しみにしています。

助六さん

私はスコットは生で聞けませんでしたが83年でその調子でしたか。85年のトスカに新しくベーレンスを呼んだのもそのせいかも。スコットの全盛期は70年代後半あたりだったのかな。ちょうどこの時期は来日しなかったようですね。

2010/2/26(金) 午前 0:10 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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スコットはメトの後、88年シカゴ(ティルソン=トーマス、チャンネッラ、ミルンズ)、89年トリノ(ヴィオッティ、ノーリ、マヌグエッラ)でトスカを歌ったようです。
80年代トスカをよく歌ってたのは、ベーレンスの他、マルトン、トモワ=シントウ、カバイヴァンスカ、スコットですね。
当時も中々競争厳しいとは言え、カラス以降のトスカ歌いで記憶に残るのは、オリヴェーロ、カバイヴァンスカ、スコットあたりでしょうから、改めてこの役は難しいですね。
最近のトスカではネーグルスタッドに感心しましたが。

2010/2/26(金) 午前 8:36 [ 助六 ]

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80年頃はカナワもパリで歌っていてショルティのロンドンでの録音もありましたね。こうしてみると正統的なトスカはカバイヴァンスカとスコットあたりでしょうか(オリヴェーロは私は分からないので)。本当に難しい役です。

90年代のトスカって思い浮かばないですね。マルフィターノが複数の映像を残しているぐらいでしょうか?

2010/2/26(金) 午後 11:17 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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助六さん シノーポリがロンドンでトスカを振ったときはトスカとカヴァラドッシとスカルピアは誰だったのでしょう? シノーポリはトスカもマノンレスコーもサロメも舞台と録音でキャストが違いますね。録音を実演とは切り離して考えていたようです。カラヤンが実演の前にほぼ同じキャストで録音したがったのとは正反対の考え方ですね。

2010/2/26(金) 午後 11:21 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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彼のロンドンの「トスカ」は87年で、キャストはマルトン、P・ドヴォルスキー、ヴィクセルという録音とはまるで違う「東方数百キロ寄り」のメンバーでした(笑)。指揮はちょっと期待はずれだったんですが、当日売りの天井最奥席で聞いたので、音が篭っててちゃんと聞けてない可能性も大です。演出は件のカラス以来のものをまだ使ってました。
そう言えば、私が93年にバイロイトで聞いたシノーポリ指揮「オランダ人」の配役はヴァイクル、ハス、ゾーティン、ゴールトベルクでしたから、こちらは録音と割と重なってますね。
シノーポリはプロデューサーの希望を比較的受け容れるタイプだったということでしょうかね?
90年代にトスカを多く歌ってた歌い手さんと言うとグレギーナかな。トスカ歌いと言うより、80年代のマルトンに替わる「声塊系」(笑)でしょうけど。

2010/2/27(土) 午前 11:20 [ 助六 ]

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ハンガリーのマルトンとチェコのドヴォルスキーの共演は意外と珍しいように思いますね。ロンドンでのゼフィレッリのトスカはメットとはどのくらい違ったでしょう?

オランダ人の録音はヴァイクルとゾーティンは一緒ですがスチューダーとドミンゴなので舞台とはだいぶ違ったのではないでしょうか?

タンホイザーも録音はドミンゴとバルツアですし、シノーポリが録音と舞台を分けて考えていたのは間違いないと思います。コンサートでもマーラーの録音は両翼配置ですが実演では両翼ではなかったようです。

2010/2/27(土) 午後 9:42 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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>ロンドンでのゼフィレッリのトスカはメットとはどのくらい違ったでしょう?
もう細部は忘れましたが、1幕の対角線配置の舞台装置とか基本構想はまったく同じだったと思います。
ただロンドンのプロダクションはもう20年以上使い続けたものだから大分色褪せた感じで、幕が開いたときも「豪華絢爛!」というより、「古い!」という感じでした。ロンドンの再演は恐らく助手による演技指導もなかったでしょうから、歌手や合唱はそれぞれ勝手に演技してる感じで、人の動きは弛緩し演出家の意図は微塵も感じられない状態でした。ニューヨークの舞台は群衆処理なんかは一応管理の跡は感じられますよね。
ゼッフィレッリも「ゼッフィレッリ・サーカス」の舞台美術屋みたいになっちゃったけど、フェニーチェで60年にやった「アルチーナ」なんかはドラマ処理の手腕でも目覚しいものだったと伝えられるし、ヴェルディ年の2001年にブッセートの小さな劇場で出した「アイーダ」はゼッフィレッリ嫌いも黙る出来だったと伝えられますね。「アイーダ」はヴィデオがあるようなので、見てみたいと思ってます。

2010/3/1(月) 午前 7:58 [ 助六 ]

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>ゼッフィレッリも「ゼッフィレッリ・サーカス」の舞台美術屋みたいになっちゃったけど、

本当にそんな感じですよね。スカラとかメットとかヴェローナで観光客向けの舞台がお似合いという感じです。スカラのドンカルロの演出はトスカのテデウムの二番煎じという感じがしました。

アイーダはスカラの来日公演が先日放送されていましたけど、そんなにすごいかなあ。もう一度見返してみます。

2010/3/2(火) 午前 1:21 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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スカラ06年ののアイーダは「サーカス」の典型として欧州紙誌の評価も散々でしたけど、客席わずか300席のブッセートのヴェルディ劇場用のプロダクションは、キンキラ夾雑物は排してインティメットな本質に集中し、かつ凱旋の場の処理も巧みだって言うんですけどね。まあ見てみないと…。

2010/3/2(火) 午前 8:28 [ 助六 ]

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そうでしたね。ブッセートのアイーダは違う演出だと聞いたことがあります。確か象を使わないで象を表現したとか? ゼフィレッリが久しぶりに本気を出したのかも。他の劇場に持っていけないプロダクションだと思うので恐らく入場料はかなり高かったのではないでしょうか。

2010/3/3(水) 午後 11:56 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]


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