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・ブラームス: 甲斐なきセレナードOp.84-4/サッポー風の頌歌Op.94-4、
・マーラー: 歌曲集『子供の不思議な角笛』〜ラインの伝説、
・R.シュトラウス: 悪いお天気Op.69-5
・ヴォルフ: ゲーテ歌曲集〜第41曲「わたしがユーフラテス川を渡ったとき」
・シューベルト: 死と乙女D.531
・R.シュトラウス: ツェツィーリエOp.27-2
[メゾ・ソプラノ]クリスタ・ルートヴィヒ
[ピアノ]ジェラルド・ムーア
[収録]1962年7月11日BBCスタジオ(ロンドン)
[映像監督]チャールズ・べアーサル
・シューベルト:
音楽に寄せてD.547/歌曲集『冬の旅』D.111〜第5曲「菩提樹」/春にD.882/魔王D.328
[バリトン]ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
[ピアノ]ジェラルド・ムーア
[収録]1959年5月14日 BBCスタジオ(ロンドン)
[映像監督]ウォルター・トッズ
・マーラー:歌曲集「さすらう若者の歌」
No.1: 彼女の婚礼の日は
No.2: 朝の野原を通ると
No.3: 私の胸の中には燃える剣が
No.4: 彼女の青い目が
[バリトン]ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
[指揮]パウル・クレツキ[演奏]NHK交響楽団
[収録]1960年10月24日「国連デーコンサート」より (サル・プレイエル、パリ)
[映像監督]ドニーズ・ビヨン
http://www.classica-jp.com/program/detail.php?classica_id=CE0938
http://www.youtube.com/results?search_query=christa+ludwig+1962+moore&aq=f
http://www.youtube.com/watch?v=tKtRombx5DM
この番組ではルートヴィヒがBBCのテレビ番組に初出演した1962年の映像と、同じくF=Dが初出演した1959年の映像(いずれもスタジオ収録)、それにN響が1960年に世界一周する演奏旅行をした際のパリでF=Dと共演した際のライブ映像を放送した。かなりの部分をユーチューブで見ることができるし、ルートヴィヒのブラームスとマーラーの計3曲、およびF=Dのシューベルトとマーラーの計8曲はDVDでも発売されていた。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3517830
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001AW098/
ルートヴィヒのブラームスとマーラー、R.シュトラウスの5曲は先日紹介したザルツブルグでの1963/68年のリサイタルと重なっており、これらの曲が60年代のルートヴィヒの主要なレパートリーだったことが伺える。ただし伴奏はウェルバではなくイギリスのジェラルド・ムーアだ。助六さんによるとルートヴィヒは自伝で「ムーアは見事に伴奏してくれたけど、(…)やはりイギリス人で堅かった。その点ヴェルバはヴィーン人で楽節にぴたりと合ったルバートをかけた。」と書いているそうで、伴奏の違いがどう歌に影響を与えるのかが注目された。
聴き比べてみると、確かにルートヴィヒの言っていることが分かるような気がした。同じ時期に同じ人が歌っているので全体として非常に違いがある訳ではないのはもちろんだが、ムーアの伴奏ではかっちりとした歌を聴かせているのに対して、ウェルバの伴奏ではもう少し自由に伸び伸び歌っている気がする。ムーアの伴奏はマーラーやR.シュトラウスよりもシューベルトやヴォルフの方が合っているような気がした。
一方F=Dはかっちりとした堅いスタイルの歌を歌うだけにムーアとの相性はピッタリだ。F=Dはウェルバやデムスといったウィーンのピアニストとも数多く共演しているが、F=Dにとって理想の伴奏者はムーアだったに違いない。F=Dとムーアのシューベルトは20世紀後半に「まさにこうあるべき」と考えられていた理想形だと言っていいだろう。ムーアは意外に背が低く、F=Dより小さいのは当然のこと、ルートヴィヒよりもかなり小さい。そういったことが分かるのも映像の面白さだ。
F=Dがクレツキ指揮で歌っている「さすらう若者の歌」は1951年のフルトヴェングラーとの共演でF=Dが一躍有名になった作品だけにこれも実に堂々とした歌いっぷりだ。クレツキの映像も珍しいのでその意味でも貴重な映像だ。
1960年のN響の世界一周演奏旅行は9月1日から11月1日までの2カ月でインドからアメリカまで12カ国24都市を回るというものだった。10月24日の国連デーコンサートにおける演奏にはクレツキやF=Dが客演で参加した。Wikiによると同年のショパンコンクールに優勝しクレツキとピアノコンチェルトをEMIに録音したばかりのポリーニもこのコンサートに参加する予定だったが、ドライブ中に腕を冷やしすぎてキャンセルしたそうだ。
当然モノクロ映像のモノラル音声だが、比較的安定した音質で私は楽しめた。
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たかさん、お久しぶりです。
ルートヴィヒとディースカウの映像、クラシカジャパンで放映されたのですね(私は契約していないので知りませんでした)。
どれもDVDで見たことのある映像ですが、ムーアとヴェルバに関するルートヴィヒの所感は興味深かったです。ムーアは自伝の中でルートヴィヒと「甲斐なきセレナード」を録音した際、「彼女のテンポが...少し遅すぎるように思った。しかし出来上がったレコードを聴いてみると、その解釈はまったく妥当」だったと脱帽していた件が思い出されました。
2011/8/28(日) 午前 11:48 [ フランツ ]
フランツさんお久しぶりです。
ムーアは自伝でそう書いているのですね。確か音友かどこかから日本語版が出ていましたよね。買っておけばよかった....
稀にですが、ムーアの伴奏は時に少し速い、というか淡々とし過ぎているかなと思うことがあります。F=DのRシュトラウス歌曲全集などはもう少したっぷりルバートしてもいいように思いますが、でもF=Dがそういう伴奏を希望したのかもしれませんね。
2011/8/28(日) 午後 7:22 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]