こだわりクラシック Since 2007

12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

チェリビダッケ

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 東京は寒いクリスマスイブになりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 先日、電車の斜め向かいの席で、目の前の人が傘を忘れているのに黙って何も声をかけない人を見かけた。幸い、傘を忘れた人がすぐに気がついて戻ってきたので私は大きな声を出さずに済んだのだが、とても残念な気持ちがした。

 でも今日はクリスマスだ。そういう人の心にも、被災地の方の心にも穏やかな明かりが灯りますように。

・ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調作品125《合唱付き》
 ヘレン・ドナート、
 ドリス・ゾッフェル
 ジークフリート・イェルザレム、
 ペーター・リカ
 セルジュ・チェリビダッケ指揮
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団及び合唱団
 (1989)

 モダン楽器によるフル編成の演奏が重厚で艶やかな落ち着いた響きの代償として失ってしまったものは、音楽の俊敏な即興性と躍動感だ。これは相反する命題であり、豪華なフェラーリが俊敏に曲がれないのと似て両立させるのはなかなか難しい。オケの人数が増えると、合わせることの方にどうしても注力しなければならないため、音楽を俊敏に変化させようとすると乱れてしまう。桁はずれのカリスマ性と集中力、それに運動神経を持った指揮者でなければ絶対に不可能だ。ベートーベンの交響曲をモダンオケで、本来の躍動感をもって演奏したのはクライバーぐらいだろう。

 それではモダンオケによるベートーベンはどうあるべきなのだろうか。一つはピリオド・アプローチの採用が当然考えられるだろう。モダンオケでも編成を絞り演奏法を当時に近づけることで俊敏性と躍動感を回復できる。ヘレヴェッヘやヤルヴィなどが試みているアプローチだ。

 ピリオド・アプローチを採用しないのであれば、テンポを大きく動かす方向の変化は控えめにして(諦めて?)基本的にインテンポのアプローチにならざるを得ないと思う。フルトヴェングラーやバーンスタインのようにフルオケでテンポに過剰な表情をつけると、どうしても19世紀末の後期ロマン派風に大げさに響いてしまう。

 インテンポのアプローチはさらに、時間軸方向を規律し毅然とした格調を際立たせる方向性と、悠然と構えて空間軸方向への広がりを際立たせる方向性の2つがあると思う。縦振りと横振りの違いとでも言おうか。前者にはカラヤンやトスカニーニ、ヴァント、あるいは(テンポはだいぶ違うが)クレンペラーなどが挙げられる。後者の方向性はなかなかマイクに収まり切らないのであまり良いディスクがないが、このチェリビダッケの演奏はそれに該当する稀有な演奏だと思う(他にはテンシュテットが恐らくこの方向性だと思われるが音質に限界があって判断が難しい)。

 以前紹介した田園と同様に小手先の小細工がなくて懐が深く、歌心と音楽への慈しみに溢れた素晴らしい演奏だ。第二楽章と第四楽章が少し遅いテンポだ(と言うかテンポ設定が変わっている)が、全体として重苦しい感じはなく、むしろリリックな静けさを感じさせる。チェリビダッケならではの表現には違いないが、近年の第九(と言っても1989年だが)では傑出した演奏だと思う。評判になったのを聞いた試しがないのは不思議だ。

 録音は一発ライブのようで小さなミスがないわけではないが、耳につくような大きなミスはない。むしろ、第一楽章の190小節目(6分43秒)にわずかな音揺れがあることの方が私には耳について残念だがアナログ録音なので仕方ないか。その点を除けば音質自体は十分良好だ。今なら輸入盤の激安BOXで手に入る。ぜひ聞いてほしい演奏だ。

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