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12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

コトルバス

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Verdi:LA TRAVIATA

Violetta................Ileana Cotrubas
Alfredo.................Plácido Domingo
Germont.................Cornell MacNeil
Flora...................Ariel Bybee
Gastone.................Dana Talley
Baron Douphol...........John Darrenkamp
Marquis D'Obigny........Julien Robbins
Dr. Grenvil.............William Fleck
Annina..................Geraldine Decker
Giuseppe................John Hanriot
Gardener................Donald Peck
Dance...................Naomi Marritt
Dance...................Jack Hertzog

Conductor...............James Levine
Director................Colin Graham
Designer................Tanya Moiseiwitsch
March 28, 1981 Matinee
http://www.youtube.com/watch?v=zAJTSWVpkag
(追記:音声のみがMet Opera on Demandで有料配信されているのを見つけた)
http://www.metoperafamily.org/ondemand/catalog/detail.aspx?upc=811357010556

 クライバーの伝記によると、1979年11月にコヴェントガーデンでコトルバスを起用してプッチーニの「ボエーム」で成功を収めたクライバーは、翌1980年春に同地でゼフィレッリ演出の椿姫を上演し、その舞台を基にした映画を作るという企画を持ちかけられたことがあるそうだ。だがゼフィレッリがテレサ・ストラータスの主演にこだわったのに対してクライバーは「1幕のヴィオレッタの難しいパッセージは彼女には無理なのでは」と難色を示したことからこの企画は流れた。このためゼフィレッリは数年後にレヴァインと企画し直して、映画椿姫はメットのスタッフでローマで制作された。クライバーは椿姫でなくオテロをロンドンで振った。

 ゼフィレッリはストラータスがお気に入りだったようでMETのミミ(ボエーム)やネッダ(道化師)、そして映画椿姫に起用したが、実はストラータスはヴィオレッタをMETの舞台では歌っていない。一方、クライバーが誰のヴィオレッタを想定していたかは伝記に触れられていないが1976年以来ミュンヘンでコトルバスを起用していることと、ミュンヘン、ロンドンとスカラ座のミミでも成功していることからコトルバスが第一候補だったと考えるのが自然だろう。

 コトルバスはMETで1977年と1981年にヴィオレッタを、1977年と1984年にミミを歌っている。ネッダはMETでは歌っていないがウィーンでは1985年に歌っている。モーツァルトではスザンナ(フィガロの結婚)やデズピーナ(コジ・ファン・トゥッテ)が持ち役なのもストーラタスと一緒だ。意外なことにコトルバスとストラータスの主要レパートリーはかなり被っているのだ。

 コトルバスの椿姫はクライバーの1976年の録音が有名だが、私は少し線が細いかな(ヴィオレッタは誰が歌っても難しいが)、コトルバスはモーツァルトの方が向いているかな、という印象を持っていた。しかし今回1981年のMETでの映像を見ることができてその考えを改めた。コトルバスの5年間の成長は著しく、声も演技もヴィオレッタにピッタリはまっている。1981年時点で最高のヴィオレッタだったのではないだろうか。ぜひDVD化してほしい素晴らしい演奏だ。

 この映像を見ると、もしゼフィレッリの映画椿姫がクライバーの指揮でコトルバス主演だったらどんなにすごかっただろうと思わざるを得ない。ストラータスのヴィオレッタも決して悪くはないが、私にはこの人はサロメやルルの印象が非常に強く、何を歌っても激しい個性を持った女性に見えてしまう。このためヴィオレッタやミミのような運命に翻弄される可憐な役にはどうしても違和感を感じてしまう。その点でネッダはストラータスに合っていて歌も演技も素晴らしいと思う。でもできればコトルバスのネッダも映像で見て比較してみたいものだが。ちなみにストラータスは1938年生まれ、コトルバスは1939年生まれ(ポップと同じ)で、この3人は同世代だ。

(追記)
コトルバスとドミンゴにはMETのライブ映像とは別に1978年とされるテレビ向けのスタジオ映像があるようで、3幕の「パリを離れて」のデュエットを見ることができる。全曲収録されているならこれもぜひ見てみたいものだ。
http://www.youtube.com/watch?v=7T2dcHgORqY

コトルバスがヴィオレッタを舞台で初役だったゲッダとのウィーン公演のリハーサル映像もある。
http://www.youtube.com/watch?v=sS15KSZm0ak

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コトルバスは本来的ヴェルディ歌いとはまるで言えないし、76年録音のクライバー盤でもミミかマノンかスザンナがクライバーに引っ張られてヴィオレッタ歌っちゃった感じでしたね。繊細で情感溢れる歌唱でしたが、スタジオだから聞けるけどというタイプの。
この81年上演は器用に歌ってますが、私にはやはり全曲通じて緊張度が高い歌唱に聞こえます。「Sempre libera」の最後の変ホは出してなくて譜面にない音だし別に構わないんですが、76年録音では出してましたから、やはり声が重くなってたということかも。彼女は86年にパリでドン・カルロス仏語5幕版にさえエリザベート役で出演が予定されてましたが、さすがに早めにキャンセルしてしまいました。

2013/11/24(日) 午前 11:30 [ 助六 ]

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80年頃ヴィオレッタを舞台で歌ってた歌い手さんは誰かと見返してみると、メトでは70年ツィリス=ガラ、サザーランド、モッフォ、73年マリポンテ、モッフォ、コスタ、75年マリポンテ、シルズ、77年ヌンツィアータ、コトルバス、モッフォ。ロンドンでは72年カバリエ、74年コトルバス、75年サザーランド、77年シャーシュ、ガザリアン、マスターソン、80年カナワ。フェニーチェは72年シルズ、73年ツィリス=ガラ、75年・79年キアーラ。80年頃はあとリッチャレッリ、グルベローヴァが重要ですが、サザーランド、モッフォ、シルズが引いた後のヴィオレッタ空白期だった感じですね。確かにコトルバスは当時第一線のヴィオレッタ歌いではあった形ですね。その後ずっと空白期が続いていて今もレジェロで器用に歌う人はチョーフィ初め色々いるけど重量級というとネトレプコくらいですよね。

2013/11/24(日) 午前 11:34 [ 助六 ]

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ストラータスはやはり性格的な役で持ち味発揮する人で、ヴィオレッタにはちょっと異質だし何か白黒はっきりした歌唱で映画で見る分には抵抗薄いがという感じでしたね。65年のパターネ指揮ミュンヘン上演のライヴが残ってますが、やっぱり軽いヴィオレッタで若くてもコロラトゥーラはかなりサバ読み、変ホも出してません。私がただ1回だけ彼女を聞いたのは80年ザルツのカラヤン指揮「フィガロ」のスザンナで、これはナチュラルで可愛いい一方の演唱でした。美人さんで演技派だしゼッフィレッリに可愛がられたのはよく分かりますね。
クライバーは89年10月にメトでグルベローヴァを起用してゼッフィレッリ演出のトラヴィアータを振りますが初日と2日目だけ振ってキャンセル、私は3日目に駆けつけて見事に振られ(笑)、ついにクライバーのトラヴィアータを聞くチャンスはありませんでした。ただこの上演は指揮も評判はあまり芳しくなく、実際にお聞きになったTAROさんの話でもまるでダメだったそうですから、そのせいもあってクライバーは早々に投げ出したのかも知れません。

2013/11/24(日) 午前 11:36 [ 助六 ]

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83年の仏誌に掲載されたコトルバスのインタビューを紹介しておきましょう。
「私のヴィオレッタ役全曲デビューはヴィーンで71年のことで、ゲッダがアルフレードでした。彼のアドヴァイスにとても助けられ彼は私に大きなキャリアを予言してくれました。指揮はクリップスでシェンクとの初めての仕事でした。ただ私の本当に最初のトラヴィアータはその少し前パリでセバスチアン指揮で歌ったコンサート形式上演で、これは後の舞台上演に役立ちました。その後ヴィオレッタは約75回歌っています。ロンドンではヴィスコンティ演出再演でカレーラスと共演、シカゴではデ=ルッロ演出ピッツィ美術でクラウスと。ミュンヘンでは75年にクライバー指揮シェンク新演出でアラガルと共演、81年の再演ではシコフが相手役でした。メトではレヴァイン指揮の新演出でドミンゴと共演しました。ドミンゴは偉大な歌手であるだけでなく情熱的芸術家です。ドミンゴと共演することで自分自身を完成したような気持ちになりました。

2013/11/24(日) 午前 11:38 [ 助六 ]

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クライバーとのミュンヘンでの共演は私のトラヴィアータ解釈にとって決定的段階だったのみならず僥倖であり私のキャリアで確かに最も幸福な瞬間でした。クライバーは1日目からすべての舞台稽古に出てくる唯一の指揮者です。だから彼はアーティストのパーソナリティと可能性が分かるのです。音楽面では私はクライバーに導かれてフレージング、表現、レガート、音色の使い方を完成しました。フレージングの運び方や「dite alla giovane」で最も重要な表現は何かなどです。特に音楽のフレーズについて幾つものやり方を試しながら一つ一つ話し合いました。クライバーは私がまるで出来ないと思っていたことを私にやらせてしまう力を持っていて、私に翼を生えさせてしまうのです。クライバーは気難しく要求が高過ぎると言われ、実際私も彼ほど私に要求する人に会ったことはありませんが、それが気に入っています。彼と共演することで強い満足と充実感が得られるからです。

2013/11/24(日) 午前 11:40 [ 助六 ]

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彼が指揮すれば一つとして同じ上演はありません。彼は上演開始前に毎回楽屋にやってきて前回上演の細部を一つ一つ正確に思い出し、これこれの場所では別のことを試せ、このパッセージを見直せと要求するのです。上演中私とクライバーは一種の情熱で結ばれます。舞台上で2人の間に霊気みたいなものが伝わり、赤い糸で結ばれるようなものです。彼となら私の最後の息を吹き出して死んでもいいくらいです。」

2013/11/24(日) 午前 11:40 [ 助六 ]

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ほとんどの歌手は花から花への最後を上に上げて歌いますが、これは拍手喝采を狙った聴衆ウケのためのアレンジで、下に下げるのが楽譜通りです。これはムーティのような原典主義者しか採用していないと思ったのですが、この映像でのコトルバスは下に下げていて私も意外に思いました。クライバー盤は上げているのでここでは何かの意図があって敢えてやったのだと思います。

グルベローバとクライバーの共演は3回目をグルベローバが蓄膿症でキャンセルしたのでクライバーも降りてしまった公演ですね。

2013/11/24(日) 午後 3:50 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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コトルバスのインタビューの翻訳ありがとうございます。ゲッダとのウィーン公演は以前海賊盤CDで出ていたもので、ユーチューブで一部見られるのでひょっとしたら全曲の映像が残っているかもしれません。85年のドンカルロのエリザベッタはDVDで見ましたが彼女には重すぎると私も思います。日本には74年のミュンヘンオペラ以外に87年と90年に来日したそうですが私は聞き逃しました。でも良かったという話はあまり聞かないので彼女の早い引退の理由はそのあたりにあるのかもしれません。コトルバスはクライバーと共演していた81年頃までが全盛期だったような感じがします。

ストラータスの65年ミュンヘンのCDは私も持っています。ヴィオレッタよりもヴンダーリヒとプライというドイツ系歌手の意外な好唱の方が印象の強い演奏かもしれません(笑)。

2013/11/24(日) 午後 6:42 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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そうそうあれはヴンダーリヒの「トラヴィアータ」でストラータスは「添え物」ですね(笑)。
コトルバスは私は82−83年にパリでミミ、「こうもり」のロザリンデ、リサイタル(ヴォルフィなんかのリートとドビュッシーなどの仏歌曲)を聞きましたが、驚くようなものではないにしても全て心地よい思い出です。90年の引退前のパリでのお別れリサイタルは、軽い歌曲やアリア、オペレッタなんかを軽く歌って短く終えてました。「トラヴィアータ!」とか声掛かってましたが、もちろん歌ってくれなかったですね(笑)。

2013/11/25(月) 午前 10:45 [ 助六 ]

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ストラータスは1979年のルル3幕版世界初演で、ライヴ・スタジオ録音のいずれでも、多くの箇所で簡単なossiaをかなり崩し気味に歌っていますので、それよりも後にヴィオレッタを歌う技巧があったとは思えず、映画に前後した実演がなかったのも無理からぬ事と思えます(パリ版ルルのミラノ客演では、当時現代音楽歌いとして鳴らしたタスコヴァに交代).余り系統だってフォローした事がないのですが、'80年代には確かヴァイル等も歌いレパートリー的に転換時期に当たっていたのではないでしょうか.ゼッフィレッリの映画でのオンマイクな歌をオペラ的な楽しみと受け取るかは、ちょっと難しい問題があると思います.

2013/12/17(火) 午前 3:33 [ M. F. ]

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ところで記事の内容とは更に話が逸れてしまいますが、コトルバシュがカヴァッリ《ラ・カリスト》を主演した映像@グラインドボーンがMET椿姫とは逆により若い頃、またリリックな声質に余裕をもってフィットする軽めの役で同じくひたむきな歌を聴かせてくれ、中々気に入ってしまいました(YouTubeにあります).彼女の英国デビュー演目でレコード録音が制作されCDになっているようですが、若い歌手が当時こうした演目/役をキャリアの足掛かりにする事があり得たのも意外なら、往時のバロック・オペラ上演の一端を伝えるドキュメントとしても興味津々です(モンテヴェルディの編曲も手掛けたレイモン・レッパードの編曲・短縮版).

2013/12/17(火) 午前 3:35 [ M. F. ]

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M.F.さんお返事が遅くなって済みません。
そうですね。ストラータスは70年代末からヴァイルも歌うようになりました。レヴァインのMETDVDボックスにマハゴニー市の興亡という珍しいオペラの1979年の映像が入っているのですがまだちゃんと見ていません。ゼフィレッリの椿姫はオテロほど音楽を省略したり変な場所にバレエを挿入したりしていないのでまだましだとは思いますが、まあ映画用の表現ですね。ゼフィレッリの映画では道化師が一番良かったと思います(ストラータスとドミンゴも含めて)。

初期のコトルバスはグラインドボーンに良く出ていますね。バロックオペラは詳しくないのですがカヴァッリのラ・カリスト見てみたいです。URLを教えていただけますか?

2013/12/30(月) 午後 0:38 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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マハゴニー市は79年でしたか.その映像でヴァイルを歌ったというのを認識していた気がします.道化師は確かに結構良かった気がしますがあまり覚えていません.

ttp://www.youtube.com/watch?v=vZToJPUxEz4
アルテミス(ディアーナ)の従者カリストがゼウス(ジョーヴェ)に見初められ、呪いで熊にされた後星座として天に昇るというごく簡単な挿話を脚色したオペラですが、バロック・オペラの常で自然・永遠・運命の対話(プロローグ)があってから題名役が出てくるのは10分過ぎです.声種のあて方やジョーヴェがディアーナに化ける箇所をどう処理するかは、上演によって結構違いがあるようです.

2013/12/31(火) 午前 1:42 [ M. F. ]


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