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モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集
・ヴァイオリン協奏曲第1番変ロ長調 K.207
・ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調 K.211
・ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
・ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
・ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219 『トルコ風』
・協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)
ジュリアーノ・カルミニョーラ(Vn)
ダニューシャ・ヴァスキエヴィチ(Va)
モーツァルト管弦楽団
クラウディオ・アバド(指揮)
録音時期:2007年11月
モーツァルト管弦楽団は2004年にアバドが創設し音楽監督も務めたオーケストラだ。団名はかつてボローニャを訪れたモーツァルトが、音楽家マルティーニ神父に教えを請うた来歴に由来するという。コンサート・マスターのジュリアーノ・カルミニョーラ以外は10代から20代の若手30数名で構成される小規模な室内オーケストラだ。
古楽器アンサンブルではないようだが、ピッチは430と低く演奏法にも時代奏法を取り入れている。モーツァルトの交響曲、協奏曲、オペラはアバドにとって生涯特別なレパートリーだったが、これは晩年のアバドのモーツァルトがいわゆる「ピリオド(時代考証)アプローチ」に転向したことを示す貴重な資料だ。アバドはこのオケとモーツァルトの主要な交響曲も再録音しており、ピリスやアルゲリッチとはピアノ協奏曲も録音している。
アバドはシューベルトでも自筆譜に基づく新校訂版を使用して室内オケ(ヨーロッパ室内管)を振った交響曲全集を完成させている。アバドはこのようにモーツァルトやシューベルトにおいて時代考証アプローチを採用した一方で、ベートーヴェンの交響曲やモーツァルトのレクィエムにおいてはモダン楽器によるフル編成の演奏スタイルを生涯変えなかった。その違いがどこから生じたのかアバド自身の言葉を聞きたかったところだ。その場その場で都合の良いスタイルを採用するところが晩年のアバドらしい部分でもあるのだが。
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