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12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

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ヴェルディ 《アイーダ》

 アイーダ:レナータ・テバルディ(ソプラノ)
 ラダメス:カルロ・ベルゴンツィ(テノール)
 アムネリス:ジュリエッタ・シミオナート(メッゾ・ソプラノ)
 アモナスロ:コーネル・マックニール(バリトン)
 ランフィス:アルノルト・ヴァン・ミル(バス)
 エジプト王:フェルナンド・コレナ(バス)、他
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 録音時期:1959年9月
https://www.youtube.com/playlist?list=PLDb0vqIFpcQ-a7dpzVxic5Y8KP16bwuBg

指揮:フランコ・カプアーナ
アイーダ:レイラ・ジェンチェル
ラダメス:カルロ・ベルゴンツィ
アムネリス:フィオレンツァ・コッソット
ランフィス:ボナルド・ジャイオッティ
アモナスロ:アンセルモ・コルツァーニ
エジプト王:フランコ・プリエーゼ
使者:オットリオ・ベガーリ
尼僧長:アダリアナ・グリゴラート
1966年8月9日 アレーナ・ディ・ヴェローナでの野外ライブ
https://www.youtube.com/results?search_query=aida+1966+verdi


 さて次のベルゴンツィ追悼特集は十八番のアイーダのラダメスだ。カラヤン盤は恐らくベルゴンツィのレコードで最も有名なものだろう、が私の評価はイマイチなのだ。テバルディやシミオナートの間に挟まって今ひとつ本領を発揮していないように聞こえる。初めての(?)カラヤンとの共演で緊張したのか?

 カラヤン盤のプロデュースをしたカルショーの手記「レコードはまっすぐに」によると当初はデル・モナコでという話があったのは事実だそうだ。先日紹介した素晴らしいボエームに参加できなかったことをデル・モナコが恨んでいるので、「アイーダはデル・モナコで」という口約束を上層部がカラヤンの意向とは無関係に勝手にしていたらしい。このためベルゴンツィも本当に自分がラダメスを歌うのかどうか心配していたそうだ。

 そんなことがあったせいかどうか、ここでのベルゴンツィはちょっと大人しすぎるような気がする。スタイルを外さないのはいつものことだとしても、セラフィンが指揮した時のような伸びやかさが欠ける。カラヤンは例によってオケ主導でガンガン鳴らしていて、デバルディはそれに負けじとベストの歌を聴かせる。しかしラダメスがこうだと士気が上がらなくて何となくつまらないというのが私の感想なのだ。これだったらデル・モナコのラダメスにしてガンガン歌う系の演奏にした方が魅力的だったのではないかと私はデル・モナコとテバルディのモノラル盤を引っ張り出してきてしまうのだが、皆さんはどう思われるだろうか。

 一方、1966年のヴェローナでの野外ライブは一転して本領を発揮している。出だしのアリアから実に堂々とした歌と演技で、レコードに恵まれなかった名ソプラノのジェンチェル、アムネリスが当たり役だったコッソットと共に、まさに歌舞伎の千両役者が大見得を切るような見事なはまり役だ。コルツァーニという国際的には無名のバリトンもなかなかの実力者で、3幕のアイーダとのデュエットでは大喝采を浴びている。これは素晴らしい演奏だ。アイーダはこうでなくては。画質・音質は当然モノクロ・モノラルだが安定していて鑑賞に差し支えはない。

 という訳で有名なカラヤン盤よりもヴェローナでの野外ライブの方が私は楽しめた。イタリアオペラの場合は有名な指揮者とオケを揃えれば必ずしも良い演奏になるとは限らないように思う。どちらの演奏もユーチューブで聴くことができるのでぜひ聞き比べてみて頂きたい。

(追記)音のみだがベルゴンツィがMETとスカラ座でラダメスを歌った演奏をユーチューブで見つけた。METの63年の演奏は声も良く入っていて楽しめる。ベルゴンツィのラダメスは力強く、59年のカラヤン盤よりも66年のヴェローナでの演奏に近いと私は思う。指揮はショルティで共演者にはプライスやゴールなど声の出る歌手が揃っている。

 76年のスカラ座の方はリハーサルの隠し録りのようで声が遠いし録音も良くない。しかしベルゴンツィが70年代までスカラ座の舞台に立っていた(オペラの舞台はこのアイーダが最後)ことが確認できて良かった。カバリエがスカラ座でアイーダを歌っていたことも初めて知った。バンブリーがアイーダでなくアムネリスを歌っているのも珍しいと思う。指揮はシッパーズで演出はゼッフィレルリだった。

Aida: Leontyne Price
Radamès: Carlo Bergonzi
Amneris: Rita Gorr
Amonasro: Mario Sereni
Ramfis: Cesare Siepi
King: John Macurdy
Messenger: Robert Nagy
Priestess: Janis Martin
Chorus and Orchestra of the Metropolitan Opera
dir. Georg Solti
rec. december 7th 1963
https://www.youtube.com/watch?v=k8Wa6E76n2s


AIDA (DRESS REHEARSAL)

AIDA - MONTSERRAT CABALLE'
RADAMES -CARLO BERGONZI
AMNERIS - GRACE BUMBRY
RAMFIS - RUGGERO RAIMONDI
AMONASRO - PIERO CAPPUCCILLI
IL RE - LUIGI RONI
MESSAGGERO -SAVERIO PORZANO Tenore
SACERDOTESSA - MILA ZANLARI Soprano
TEATRO ALLA SCALA DI MILANO
THOMAS SCHIPERS, COND.
JANUARY 23, 1976
https://www.youtube.com/watch?v=mZG8Nwr2DR8

閉じる コメント(9)

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私が「アイーダ」をはじめて聞いたのは、このカラヤン盤LPでありました。
ただ、当時はどうしてデル・モナコではないのか、不思議に思うと同時に、ベルゴンツィに不満を感じるというか、いまになるとほとんど記憶がありません。
もっぱらテバルディとシミオナートに聞き入っておりました(汗)

2014/10/3(金) 午前 7:19 gustav_xxx_2003

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そうなんですよね。テバルディはとても調子が良いですね。ベルゴンツィがラダメスという役を自分のものにするのはもう少し後なのかもかもしれません。

2014/10/3(金) 午後 6:30 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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私もアイーダは、図書館が両方持っていたのでカラヤンの新旧録音をほぼ同時に聞いて知ったと思います。
今聞き返してみると、カラヤン盤のベルゴンツィも私は最高の出来であるように思います。形を絶対に崩すことのない高貴な歌唱はいつも通りで、一見冷静に見える歌の陰には豊かな中域が担う重量感に支えられてひたひたと息づく情熱がみなぎっていて、3幕の「駆け落ち歌」など扇情的になることはないまま十分に高揚させてくれます。中が静かに熱いという意味でヴァイオリンのレーピンを思い出しました。興奮させるけれどあくまで美しい、これぞヴェルディ歌唱の醍醐味。
アレーナでのゲンジェル、ベルゴンツィ、コッソットを集めたアイーダの記録があるらしいことは知ってはいましたが、この機会に初めて聞きました。
いや驚くべきドキュメントですね。

2014/10/5(日) 午前 3:37 [ 助六 ]

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ベルゴンツィは劇的高揚度はスタジオ録音よりはるかに高いですが、これはカラヤンの指揮が居心地悪かったという以上に、アレーナ、夏の野外上演、コッソットとコルツァーニの存在、ライヴ特有の雰囲気、聴衆の存在という実演にまつわる物理的条件がすべてプラスかつ相乗的に働いた「劇場の魔術効果」によるところがはるかに大きいと思います。そしてベルゴンツィの歌は相変わらず絶対に崩れずむしろますますベルゴンツィであり続ける…。
戦後のヴェルディ演奏の歴史は戦前からのヴェリズモ傾向が、ベルカント復興を背景に様式的に矯正されていく過程ととらえることができ、それは例えばヴェルディ・バリトンの系譜をゴッビ−バスティアニーニ−カップチッリ−ブルゾン−ヌッチと辿ってみれば瞬時に理解できることでしょう。
この66年のアレーナの一夜では、はっきりベルカントの方向を向いているゲンジェルとベルゴンツィ、はっきりヴェリズモに顔を向けているコッソットとコルツァーニが対峙しながら、後者が前者を歪めることなく活性化した幸福な瞬間と考えることができると思います。

2014/10/5(日) 午前 3:40 [ 助六 ]

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ゲンジェルもベルゴンツィも数万人が入る巨大野外空間というベルカンティストには逆説的な条件下で、コッソットとコルツァーニの効果満点でパワフルな歌を正面から受け止め、しかし力んだり無理強いしたりすることはないまま2人の攻勢に存分に拮抗することに成功しています。結果は両傾向が互いにポジティヴに牽制し合い、手に汗握るけれど、闘牛やサッカー見物みたいな興奮とは違った「美しい歌を聞いた」感動を胸に帰途につける夕べとなりました。
不世出のドニゼッティアーナだったゲンジェルは、あのロベルト・デヴェルーの奇跡的なエリザベッタ歌唱で聞かせている高音への跳躍と続く高音引き伸ばしの離れ業をアイーダでも飽きれるほど存分に聞かせてくれます。声の帯が中空でひらひらと停止してしまうみたいな。ベルゴンツィに劣らず、力に頼らぬ旋律造形で圧倒的な劇的高揚を作り出す驚くべきヴェルディ歌唱ですね。
コッソットは野外でのアムネリスはお手のものに加え、安直な誇張に陥ることもない。

2014/10/5(日) 午前 3:42 [ 助六 ]

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コルツァーニも当時のイタリア声楽界の水準を推し量らせる堅固な出来で、効果も巧みに使って喝采を引き出してますね。彼は57年スカラのカラス主演タウリスのイフィゲネイアに出ているから名前は聞き覚えがあったのですが、18年生まれ(ゴッビとバスティアニーニの間)でスカラの他ヴィーン、シカゴ、メト(60年にシモンでデビュー)に出演し、ミヨー作品やテルラムントまでレパートリーに持っていたというから一級の国際キャリアでレパートリー上演を支えた人のようですね。
カプアーナの指揮もイタオペ現場の雰囲気満点。
ベルゴンツィもやはり1幕アリアの末尾は堂々とフォルテで終えてますね。最近アラーニャが使っているオクターブ下でピアノで繰り返すヴァージョンも悪くないなとこの頃は思ってます。

2014/10/5(日) 午前 3:45 [ 助六 ]

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カラヤン盤とアレーナ版、どちらのベルゴンツィが好きかと訊かれたら、前者はベルゴンツィの公約数的スタイルを客観的に聞かせてくれるし、後者はその現場での高度な実践例を聞かせてくれるからどちらも好きというズルい返答になりますが本心。総合点ではゲンジェルの稀有の歌唱と祝福された一夜の一回性に注目してしばらく迷ってからアレーナ版を取りそう。
アレーナの栄光ある奇跡的な一夜が記録に残って幸いでした。
ご紹介に感謝いたします。

2014/10/5(日) 午前 3:46 [ 助六 ]

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助六さん熱い投稿をありがとうございます!
>はっきりベルカントの方向を向いているゲンジェルとベルゴンツィ、
>はっきりヴェリズモに顔を向けているコッソットとコルツァーニ

なるほどそういう理解もできますか。コッソットは若くして一流になったので一世代前のシミオナートかバルビエリあたりの感覚を持っていたのかもしれませんね。

コルツァーニの名前を記憶されているとはさすがです。私は全く知りませんでした。ジェンチェルですらまともに聴いたのはこの演奏が初めてです。

いずれにしてもこのアレーナの演奏は計らずもカラヤン盤とは正反対の魅力を持った演奏だといえそうですね。映像が残っていて本当に良かった。

2014/10/5(日) 午前 10:02 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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1963年のMETと1976年のスカラ座でのラダメスをユーチューブで見つけたので追記しました。METの方はなかなか良い演奏で声も良く入っています。

2014/10/5(日) 午後 3:52 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]


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