こだわりクラシック Since 2007

12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

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GIUSEPPE VERDI - Aida

IL RE LUIGI RONI Basso
AMNERIS FIORENZA COSSOTTO Mezzosoprano
AIDA MARTINA ARROYO Soprano
RADAMES PLACIDO DOMINGO Tenore
RAMFIS NICOLAI GHIAUROV Basso
AMONASRO PIERO CAPPUCCILLI Baritono
MESSAGGERO PIERO DE PALMA Tenore
SACERDOTESSA JOSELLA LIGI Soprano
Abbado, Claudio (conductor)
La Scala Orchestra & Chorus
  1972年9月4日 ミュンヘン


 カーティア・リッチャレッリ(アイーダ)
 プラシド・ドミンゴ(ラダメス)
 エレーナ・オブラスツォワ(アムネリス)
 ニコライ・ギャウロフ(ランフィス)
 レオ・ヌッチ(アモナズロ)
 ルッジェーロ・ライモンディ(エジプト王)
 ルチア・ヴァレンティーニ=テッラーニ(巫女)
 ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
 指揮:クラウディオ・アバド
 録音:1981年1、6月 ミラノ
https://www.youtube.com/watch?v=Tu4GS1UMRxc

 アバドのDGへのヴェルディの録音は先日紹介したマクベスやシモン・ボッカネグラのように実際の上演とほぼ同じキャストで録音されたものと、このアイーダや仮面舞踏会のように実際の上演とは無関係のキャストで離れた時期に録音されたものがある。

 アバドは72年の4月〜5月にアイーダをスカラ座で8回上演した後、ミュンヘンオリンピックに合わせて9月にミュンヘンで3回上演した。上記の72年のCDはその時のライブ録音である。ミュンヘンでギャウロフが歌ったのは初日の9月4日だけなので録音日が特定できた。素晴らしい演奏なのだが残念ながらユーチューブでは音声も映像も見つけることができなかった。

 若々しく凛々しいドミンゴ、いつもながらアムネリスが似合うコッソット、猛々しいカップチルリ、深々としたギャウロフ、いずれも文句のつけようがない。アーロヨのアイーダもスピントな声で好演だ。後述のカバリエよりもアイーダ向きの声だと私は思う。この素晴らしいキャストで正規録音が行われなかったのは、74年にムーティがこのキャストをほぼそのまま借用して(アイーダだけカバリエに替えて)EMIに録音してしまったからだ。

 ほぼ同じキャストなのだからムーティ盤も同じように素晴らしいのだが、ムーティの指揮は良くも悪くもテンポがやや前のめり気味だ。72年のアバドのライブはより落ち着いたテンポの中にも内に込めた躍動感というか情熱が感じられて私には好ましい。ムーティ盤は確かムーティのEMI専属第一弾として華々しくPRされたアルバムでもあったが、72年の時点でDGがアバドとアイーダを録音していたならムーティのその後のキャリアも違ったものになっていたかもしれない。

 一方のDGのCDは、ミュンヘンの公演から9年も後になってドミンゴとギャウロフ以外は全く別のキャストに変えて録音されたものだ。アバドは72年以降スカラ座でもウィーンでもアイーダを1度も指揮しなかったので、これが録音用に集められたキャストだということは間違いない。

 アバドの場合、マクベスやシモン・ボッカネグラのように上演と同時期に録音されたCDですらライブ映像での生きの良い演奏と比較すると随分と整理された音楽に聞こえる。ましてやこのアイーダのように実際の上演と無関係の録音となると肩すかしなくらい大人しい音楽に聞こえる。アバドはライブで本領を発揮する指揮者だったのだ。本人もそれを自覚したのか80年代後半のウィーン時代以降は、ほとんどのCDをライブで録音するようになった。

 おまけにリッチャレルリのアイーダというのも特殊なキャスティングだ。アイーダのような役を彼女の細い声で張り上げて歌うとちょっとヒステリックに聞こえる。リッチャレルリは89年には東京ドームでアイーダを歌ったそうだが(私はパスしたが)、少なくともスカラ座でアイーダを歌ったことは一度もないし、81年時点で舞台でアイーダを歌ったことはなかったと思う。

 リッチャレルリがスカラ座で歌ったヴェルディはシモン・ボッカネグラと二人のフォスカリ、ルイーザミラーの3本だけだが、アバドは録音ではアイーダや仮面舞踏会に起用している点が興味深い。また、アバドのヴェルディの録音はシモン・ボッカネグラのガブリエレにカレーラスを起用したのを例外として、他は全てテノールにドミンゴを起用している点も興味深い。

 アバドが72年のキャストで正規録音しなかったのは残念だが、81年の録音はアバドがスタジオ録音で見せる別の面を教えてくれたとも言える。

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DG録音の「アイーダ」は私の棚にも並んでおり、聞いたことにはなっているのですが、さっぱり印象に残っていません。
自分のブログで、聞いた当時どう感じたかを読み直してみますと、ヴェリズモを振らないアバドらしい、どこかリミッターが働いたような音楽と書いていました。
リッチャレッリよりも、オブラスツォワとアバドへの不満が強かったみたいです。(覚えてはいませんが…)

2014/10/8(水) 午後 5:59 gustav_xxx_2003

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Gustavさんこんばんは
私もDGのアイーダはアバドの一連のヴェルディ録音の中で最も陰が薄いと思います。81年の来日公演ではあれだけ素晴らしい演奏を披露していたのですからスタジオ録音での別人ぶりは少々不思議なところでもあります。

ラインスドルフは「録音は繰り返し聞かれるので余り感情を出さないように振っている」と公言していましたが、アバドもスタジオ録音に関して何か特別な考えを持っていたのかもしれません。

2014/10/8(水) 午後 6:13 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

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このアバドのDG録音は発表当時から肩すかしの印象でしたね。
アバドの80年スカラ録音のヴェルレクが、キャンセルになったクライバーのボエーム録音のキャストを引き継いで急遽録音されたことはよく知られてますが、このアイーダもアバド指揮伊語版ドンカルロの録音が中止されて、そのキャストを転用したような事情があったような(未確認)。何だか他人事みたいな演奏はそのせいもあったのかも知れません。

リッチャレッリは87年にもルクソールの野外上演でアイーダを歌ってます。
つまりそうした話題・ギャラ・増幅で面白みのある機会を除けば、まともな劇場上演でアイーダを歌ったことは多分ないと思います。彼女はベルカントもプッチーニも器用に美しく歌う人だったけれどカラヤンとの録音では重い役も試み、結局はっきりした声楽的アイデンティティを見出さないまま声を失ってしまった感じでしたね。残念でした。ヴェルディではルイザ・ミラーがとてもよかった。83年のルイザ歌唱は彼女の最良の思い出の一つです。

2014/12/13(土) 午前 10:13 [ 助六 ]

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アバドもオペラに関しては劇場でより劇場的な雰囲気のある演奏をする指揮者だったことは間違いないと思いますが、彼が一般にスタジオよりライヴで光るタイプだったのか、一体どういう条件下で本領を発揮する人だったのかは複雑な事情があるように感じてます。
私が聞いたオペラ上演は、シモン、ローエングリン、ホヴァンシチナ、ヴォツェックは皆当たりでしたが、ヴィーンでのランスへの旅はペーザロでのライヴ録音ほどの目覚ましさはありませんでした。まあレパートリー上演の再演だったという事情のせいだろうと思いますが。
器楽ではヴィーンとのベートーヴェン、ベルリンとのブラームスとマーラーの3ツィクルスを演奏会で聞きましたが、個人的には3ツィクルスとも本当に感心はしませんでした。ベートーヴェンでは人工的強調が耳につき、ブラームスやマーラーではオケ側に主導権がある趣きで。彼はオケに自分の意思を強要するタイプではありませんから、うまく行かないときは何となく終わってしまうケースも少なくなかった印象があります。日本でも70年代半ばあたりまでは「何もしないからヴィーン・フィルに可愛がられてる」といった評が少なくなかったような。

2014/12/13(土) 午前 10:15 [ 助六 ]

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ヴィーン時代も私はごく一部しか聞いていないから何とも言えませんが、地元紙評ではホヴァンシチナ、フィエラブラスなどの好評に対してフィガロ、ジョヴァンニ、ドンカルロさえ失望が大きく、「アバドは珍しい作品では良いが、有名作ではどうも」といった論評を読んだ記憶があります。
確かに私もアバドは音楽とドラマの関係が屈折した複雑な作品で本領を発揮した印象があります。
彼のヴェルディ演奏で目覚ましい成功を収めたのが、シモン、マクベス、ドンカルロだったというのは偶然ではないと思います。

2014/12/13(土) 午前 10:15 [ 助六 ]


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