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(この写真は1959年のMETでのマンリーコ)
ルーナ伯爵:Piero Cappuccilli,
レオノーラ:Antonietta Stella,
アズチェーナ:Adriana Lazzarini,
マンリーコ:Carlo Bergonzi
フェランド:Crabassi
バジーレ指揮ミラノ・イタリア放送響
(1966)
https://www.youtube.com/results?search_query=trovatore+cappuccilli+bergonzi
ユーチューブでお宝映像をまた見つけた。ベルゴンツィとカップッチルリが出演したテレビ放送用のトロヴァトーレだ。ステッラ、クラバッシとオールイタリア人キャストによる声の饗宴だ。指揮は1961年の第二次NHKイタリア歌劇団でトスカとリゴレットを指揮したバジーレだ。
実は先日のアバドのアイーダを聞き直して、素晴らしい演奏だがイタリア流のベルカントな声を聞かせるコッソット−カップッチルリと、インターナショナルな方向性のアーロヨ−ドミンゴ−ギャウロフでは少し芸風が違っていることにも気がついた。ベルカントな方向性を追求するのであればカップッチルリとベルゴンツィ、あるいはカップッチルリとパヴァロッティの組み合わせの方が本当は合っているのかも、と思っていた矢先にこの映像を見つけることができた。
先日紹介したヴェローナのアイーダもイタリア的な演奏だったが、このトロヴァトーレも実にイタリア的だ。イタリア人が歌っているのだから当然だと言ってしまうのは簡単だが、70年代以降急速に国際化するイタリアオペラにおいて60年代まで存在したイタリアローカルな輝きがここにある。奇しくも先日のヴェローナのアイーダと同じ1966年の収録だというのは偶然ではないだろう。
ステッラはキャリアの後期、ベルゴンツィは中期、そしてカップッチルリはキャリア初期の歌ということになるだろうが、いずれも力強い声を出しながらも全体としては一つのトーンに収まっている。ステッラとベルゴンツィは先に紹介したDG盤(セラフィン指揮)でも同じ役を歌っているが、ルーナ伯爵がカップッチルリに替わったことで全体のスタイリッシュな度合いが一層高まっているように思う。
映像はスタジオで収録されたもののようで、装置も衣装もストーリーに忠実だ。馬も本物が出てくる。音は少しこもり気味だし画像は3幕と4幕で少し乱れる箇所があるが、概ね安定している。これは貴重な記録だ。ぜひユーチューブで見て欲しい。
他に音のみだがユーチューブでベルゴンツィのマンリーコを2種類見つけることができた。一つはカップッチルリ、トゥッチ、シミオナートと組んで1964年9月にモスクワへ客演した際のライブだ。カップッチルリはすでに64年の時点でスカラ座の顔として海外で歌っていたのだ。この時のモスクワ客演のもう一つの演目はカラヤンとフレーニのボエームなので、この演奏はカップッチルリが後年カラヤンやフレーニと共演する伏線になったに違いない。
もう一つはベルゴンツィがバスティアニーニ、ステッラ、シミオナートと組んで1960年にMETに出演したライブだ。先日紹介したDG盤(セラフィン指揮)のトロヴァトーレとよく似た顔ぶれで、これが60年代前半によく見られた顔合わせだったことが分かる。66年の映像や64年のスカラ座公演と並べて聞くと、ルーナ伯爵を持ち歌にしていたバスティアニーニが60年代半ばに病に倒れて亡くなるのと時を同じくしてカップッチルリの躍進が始まったことを確認できる。
どちらの演奏も音質は安定していて楽しめる。
Gianandrea Gavazzeni Teatro alla Scala Orchestra & Chorus
Manrico - Carlo Bergonzi
Azucena - Giulietta Simionato
Leonora - Gabriella Tucci
Conte di Luna - Piero Cappuccilli
Ferrando - Ivo Vinco
1964年9月 (モスクワライブ)
https://www.youtube.com/watch?v=jQnbyR9e79M
Ettore Bastianini (Il Conte di Luna) -
Antonietta Stella (Leonora) -
Giulietta Simionato (Azucena) -
Carlo Bergonzi (Manrico) -
William Wilderman (Ferrando) -
Helen Vanni (Ines)
Orchestre et choeur Metropolitan Opera House
dirigé par Fausto Cleva
(live 27 fevrier 1960)
https://www.youtube.com/watch?v=KO__KO5jD8Q
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RAIのアーカイブを掘り起こせば、仰天するような映像がいっぱい出てきそうですね。
画像と音声をリマスターして、DVDでまとめて発売すれば、世界中のイタリア・オペラ・ファンが泣いて喜びそうです。
まだ冒頭部分しか見ていませんが、下手な現代化演出よりも、よほど安心して見ていられます(笑)
2014/10/11(土) 午後 3:05
Gustavさんこんばんは
70年代のスカラ座の映像にしてもこの60年代の映画にしても本当に宝庫ですね。本当はDVDでみたいですがそれでもユーチューブで見られるのはありがたいことです。
2014/10/11(土) 午後 5:37 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]
ステッラはセラフィンがトロヴァトーレやトラヴィアータの録音に起用しているから巨匠のお気に入りだったのかなと漠然と思ってたんですが、それに限らず重要舞台で多くレオノーラを歌って第1線のキャリアがあった人だったんですね。
トゥッチも59年のNHKイタリア・オペラの伝説的オテロでデルモナコ、ゴッビと共演しているし、今聞いてみると、ステッラは現在の水準からすれば第1級のヴェルディ・ソプラノだし、トゥッチだって悪くない。
同年生まれの2人は6−7年上にカラスとテバルディがいたから霞んでしまった形なわけで、加えて1年上にはゲンジェル、2年下にはチェルクエッティが踵を接していたのですから、60年代のヴェルディ歌唱の水準の高さは伝説でもノスタルジーでもなく、今とはレヴェルが確かに桁違いだったと言えそうですね。
2014/10/26(日) 午後 0:41 [ 助六 ]
今ヴェルディ・ソプラノと言えるのはまあフリットリくらいですかね。最近のネトレプコは非常に優れたヴェルディ歌いだとは思いますが、発声含めヴェルディ・ソプラノと言い切るにはちょっと抵抗あるかな。ハーテロスにも似たようなことが言えるかも。
コッソットはオペラ歌手としては大変早熟キャリアだったことも分かりますね。
あれ、その後メトの60年ライヴは削除されてしまったようですね。残念!
2014/10/26(日) 午後 0:41 [ 助六 ]
私もステッラは過小評価されていると思っています。カラスの代役と言われているセラフィンとの椿姫はこの曲を代表する演奏の一つだと思っています。カットが多めなのは難点ですが。
ネトレプコは最近マクベス夫人まで歌っているようですね。大丈夫なのかな(^^;
メットの方は聴けなくなってますね。良い演奏だったのに。50年以上前の録音なので少なくとも日本では合法なはずですが。
2014/10/29(水) 午後 9:14 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]
本題から逸れますがネトレプコのマクベス夫人、なかなかド迫力で立派みたいですよ.確かに本流のヴェルディアンとは若干のずれは否めないですが.まだ全部聴いてないのですが、最近のMetの録画を見てたらアリアの後間奏曲で拍手が入って、これだからMetは…と思ったら演出だったり(笑)
2014/10/31(金) 午前 4:55 [ M. F. ]
そうですか。ネトレプコのレディ、私はイメージしにくいですが日本でもMETのライブビューイングで今やっているので機会があったら見てみます。
2014/11/8(土) 午後 3:08 [ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]