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返信: 2263件

[ 助六 ]

2014/12/13(土) 午前 11:04

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「シモン」の初版はリゾルジメント最中の1857年に初演されており、貴族諸家間の権力争い、内部抗争を通じた貴族派の膠着に乗じた平民派の権力奪取といった14世紀ジェノヴァの内紛の歴史は、ヴェルディにとって伊独立運動陣営内の内輪もめ(立憲君主派のカブール、共和派のマッツィーニやガリバルディなど)を直ちに想起させる強い政治的リアリティを持った題材だったろうと思います。加えてヴェルディは60年代から毎冬をジェノヴァで過ごすようになり、ボーイトの訪問もしばしば受けてますし。
シモンが敢えて貴族派を後継に指名するのも、リソルジメント陣営内の内輪もめを間に当たりにしていたヴェルディにとっては平和と和解への希望を託した選択だったとして理解できると思います。
そして「シモン」のドラマの特徴と面白さは、ヴェルディが他作品でも繰り返し扱った父と娘の愛情劇に政治劇を重ねているところにあると思います。そして父と娘の関係劇のレヴェルでも、フィエスコの不寛容にシモンの人間味を対置するという政治劇と同じ構図が繰り返されています。

[ 助六 ]

2014/12/13(土) 午前 11:02

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パオロの役はボーイトの台本改訂を通じて厚みを増しており、イヤーゴの前触れをなす悪辣な策略家としてドラマの推進役の地位を与えられていると思います。
シモンはパオロによって政界に担ぎ出され、シモンからすれば不本意の部分があったとはいえ彼の援助で総督の地位を得た形ですから、恩義がある最側近のパオロを捕捉するのははばかられたと考えることも可能でしょうが、確かに政治家としてはリアリズムを欠いた不用心ということになるでしょうね。ボーイトとヴェルディはパオロを敢えて泳がせたままにしておくことで、ドラマの弾み役を担わせると共に、「お人好し」の面のあるシモンに冷徹な現実主義者としてのパオロを対置し、シモンの人間性を強調したのではないでしょうか。要するにオテロと同構図の劇作術です。

「シモン」は同じくグティエレスを原作とし家族間の憎しみや血なまぐさい復讐をテーマにしている点でトロヴァトーレと共通性があるけれども、私的憎しみを超えた貴族派と平民派の抗争と共生という公共性の場の明示的な政治劇に仕立てている点が大きく違うと思います。

[ 助六 ]

2014/12/13(土) 午前 11:00

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私はヴェルディの最高傑作はオテロとシモン・ボッカネグラだと考えています。81年スカラ日本公演のシモンとオテロは私の人生を変えてしまった稀有の体験でしたし、私がイタ・オペやヴェルディに目覚めたのはその2公演によってでしたから、思い入れがあるのは事実です。でもそうした個人的経験を度外視しても、シモンとオテロは後期ヴェルディが達成した音楽劇としての整合性が最も高いように思うからです。そうした2作品のとてつもなくレヴェルの高い上演でいきなりヴェルディに出会ったことには、偶然には違いないけれど一種運命的なものを感じてしまいます。

「シモン」は確かに筋が複雑だし、言われてみればシモンがパオロにえらく寛大なのも不自然とも言えますね。

[ 助六 ]

2014/12/13(土) 午前 10:15

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ヴィーン時代も私はごく一部しか聞いていないから何とも言えませんが、地元紙評ではホヴァンシチナ、フィエラブラスなどの好評に対してフィガロ、ジョヴァンニ、ドンカルロさえ失望が大きく、「アバドは珍しい作品では良いが、有名作ではどうも」といった論評を読んだ記憶があります。
確かに私もアバドは音楽とドラマの関係が屈折した複雑な作品で本領を発揮した印象があります。
彼のヴェルディ演奏で目覚ましい成功を収めたのが、シモン、マクベス、ドンカルロだったというのは偶然ではないと思います。

[ 助六 ]

2014/12/13(土) 午前 10:15

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アバドもオペラに関しては劇場でより劇場的な雰囲気のある演奏をする指揮者だったことは間違いないと思いますが、彼が一般にスタジオよりライヴで光るタイプだったのか、一体どういう条件下で本領を発揮する人だったのかは複雑な事情があるように感じてます。
私が聞いたオペラ上演は、シモン、ローエングリン、ホヴァンシチナ、ヴォツェックは皆当たりでしたが、ヴィーンでのランスへの旅はペーザロでのライヴ録音ほどの目覚ましさはありませんでした。まあレパートリー上演の再演だったという事情のせいだろうと思いますが。
器楽ではヴィーンとのベートーヴェン、ベルリンとのブラームスとマーラーの3ツィクルスを演奏会で聞きましたが、個人的には3ツィクルスとも本当に感心はしませんでした。ベートーヴェンでは人工的強調が耳につき、ブラームスやマーラーではオケ側に主導権がある趣きで。彼はオケに自分の意思を強要するタイプではありませんから、うまく行かないときは何となく終わってしまうケースも少なくなかった印象があります。日本でも70年代半ばあたりまでは「何もしないからヴィーン・フィルに可愛がられてる」といった評が少なくなかったような。

[ 助六 ]

2014/12/13(土) 午前 10:13

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このアバドのDG録音は発表当時から肩すかしの印象でしたね。
アバドの80年スカラ録音のヴェルレクが、キャンセルになったクライバーのボエーム録音のキャストを引き継いで急遽録音されたことはよく知られてますが、このアイーダもアバド指揮伊語版ドンカルロの録音が中止されて、そのキャストを転用したような事情があったような(未確認)。何だか他人事みたいな演奏はそのせいもあったのかも知れません。

リッチャレッリは87年にもルクソールの野外上演でアイーダを歌ってます。
つまりそうした話題・ギャラ・増幅で面白みのある機会を除けば、まともな劇場上演でアイーダを歌ったことは多分ないと思います。彼女はベルカントもプッチーニも器用に美しく歌う人だったけれどカラヤンとの録音では重い役も試み、結局はっきりした声楽的アイデンティティを見出さないまま声を失ってしまった感じでしたね。残念でした。ヴェルディではルイザ・ミラーがとてもよかった。83年のルイザ歌唱は彼女の最良の思い出の一つです。

[ 助六 ]

2014/12/13(土) 午前 9:11

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ウェストブルックのマノンには興味引かれましたが、そうかダメでしたか。フレーニも本来マノンを歌う声ではなかったかのも知れませんが、ボエームからエルナーニまでナチュラルに歌いこなしてしまう器用人だったから見事なもんでしたね。以来計8人のマノンにぶつかったけれど、彼女はやはり群を抜いてますね。ザルツのトロヴァトーレは私が聞いた日は幸いルーナのドミンゴがキャンセルでした(笑)。マンリーコのメーリは声が軽すぎるしDi quella piraは半音下げてましたが、Ah si ben mio はスタイリッシュな歌唱で意外に聞かせてくれました。バーデンバーデンもザルツもチケットがバカ値で客は雑多だから、ブーが出るのは珍しいんでしょうね。

[ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

2014/12/12(金) 午後 6:23

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それにしても今年のバーデンバーデンでのマノン・レスコーやザルツブルグでのトロヴァトーレが日本でもFMで放送されていますが、何と言ったら良いものやら....この出来映えでブーイングが出ないのはなぜ?

フレーニやスコットのようなマノンはもう二度と現れないのでしょうね。カプッチルリのルーナ伯爵やベルゴンツィのマンリーコの不在を嘆く私は完全にオールドファンの仲間入りをさせて頂いたようです(笑

[ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

2014/12/11(木) 午後 6:56

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>聞き手が自分が好きなものを好きなように按配して自由に私的空間で聞くという個別拡散型の行為に移行していくような。

確かにそうですね。クラシックもCDというパッケージからダウンロードやストリーミングといったネット配信に移行するのかもしれません。そうなると聞きたいところだけ聞くのが主流になってくるのかもしれません。
アーティストの側からすればジャケットデザイン一つとっても作品として考え抜いているのでしょうから悩ましいでしょうね。

私はというと、ジャケットやプログラミング・カップリングも含めてミサの如く音楽を拝聴したい旧世代のリスナーです(笑

[ たか改め「みんなのまーちゃん」 ]

2014/12/11(木) 午後 6:47

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助六さんお久しぶりです。お返事が遅くなって済みません。
コンサートのしょっぱなでツァラトゥストラですか(笑)
あまりにもマゼールっぽいプログラミングですね。
確かに休憩を挟めばティルもありえますね。


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