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最近DVDが増えているソプラノにもう一人イレアナ・コトルバスがいる。コトルバスの映像はLD時代からグラインドボーンでのスザンナ(フィガロの結婚、1973年)、ロンドンでのミミ(ボエーム、1982年)とアントニア(ホフマン物語、1981年)、メットでのイリア(イドメネオ、1982年)と決して少なくはなかったのだが、ここに来てメットでのジルダ(リゴレット、1977年)、ロンドンでのエリザベッタ(ドンカルロ、1985年)、ザルツブルグでのパミーナ(魔笛、1982年)と大役のDVDが相次いで発売された。
コトルバスはリリックソプラノとしては珍しいくらい陰りを帯びた声が印象的だ。ミミやヴィオレッタ(椿姫)のように薄幸のヒロインに定評があったが、私が思うにはヴィオレッタはもう少しスピントで芯のある声の方が合っていると思う。本質的にはモーツァルト歌いだったのではないかと思う。
この魔笛はザルツブルグ音楽祭で長年演奏されたポネル演出の舞台を1982年に収録したもの。当時教育テレビで放送され私が魔笛を映像で見たのはこの時が初めてだった。その後衛星放送で再放送されたことがあるがLDでは発売されなかったのでほぼ同じ時期にミュンヘンで収録されたサバリッシュの映像の方がすっかりスタンダードな存在となったがこの映像も忘れがたい。
フェルゼンライトシューレの特徴的な舞台での演奏は音声収録上の制約を若干感じさせるが、その暗い雰囲気は特に2幕において効果を挙げている。ポネルが映画で遺したフィガロの結婚、コジ・ファン・トゥッテと並んでこの3部作を長く記憶にとどめたいと思う。
タルヴェラのザラストロ、シュライヤーのタミーノ、グルベローバの夜の女王もいずれも定評のある役所。ワルター・ベリーはこの演奏ではパパゲーノではなく弁者に回っている。ユーチューブではこの魔笛の映像は見つからなかったがスザンナとイリアの映像を見つけることができた。
スザンナ(フィガロの結婚) 1973年グラインドボーン
http://www.youtube.com/results?search_query=cotrubas+figaro+1973&search=Search
イリア(イドメネオ) 1982年 メット
http://www.youtube.com/watch?v=-x4lQfuChfw
エリザベッタ(ドンカルロ) 1985年 ロンドン
http://www.youtube.com/results?search_query=cotrubas+don+carlo
ジルダ(リゴレット、英語のインタビュー付き) 1977年 メット
http://www.youtube.com/watch?v=lsbSnFG7JRA
ミミ(ボエーム)
http://www.youtube.com/results?search_query=cotrubas+boheme
ドミンゴと共演した道化師のネッダも見つけた。1985年のウイーンでの映像だ。
ネッダ(道化師)
http://www.youtube.com/results?search_query=cotrubas+pagliacci&search=Search
ヴィオレッタの映像もたくさん見つけることができた。ゲッダとのウィーンのライブ、1981年のMETのライブ、1978年とされるテレビ用(?)の映画収録などかなりいろいろな映像があるようだが正規発売されたものはまだない。音だけで聞くよりも似合っているようなのでぜひDVD化を期待したい。
ヴィオレッタ1幕
http://www.youtube.com/watch?v=sS15KSZm0ak
http://www.youtube.com/watch?v=H8S7sGqGmqA
ヴィオレッタ3幕
http://www.youtube.com/watch?v=7T2dcHgORqY
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