こだわりクラシック Since 2007

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チェロ:フルニエ
ピアノ:バックハウス
1955年録音
下記サイトに試聴あり
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1890673

2チャンネルあるいはそれ以上のマルチトラックの録音機が普及し始めたのは50年代半ばからだが、マルチマイクの録音はモノラル時代から行われてきた。メインマイクから離れた楽器の音を明瞭にとる、あるいは離れた楽器の音が到達する時間差が生じるのを防ぐのが狙いだ。

特にデッカはマルチマイクの採用にSP時代から熱心だった。DGやEMIのような歴史やブランド力がない新興レーベルだったデッカにとって「音が良い」ということはマーケティング上の絶対条件だった。1948年にフルトヴェングラー指揮するVPOとブラームスの第2交響曲を録音した際は指揮者が1本のメインマイク以外のマイクの撤去を命じたと伝えられる。(それにも関わらずこの録音はフルトヴェングラーのSP録音としては良い音だという噂だが筆者未聴)

このフルトヴェングラーの録音をプロデュースしたのはヴィクター・オロフであり、彼もSP時代からマルチマイク使いだったことが分かる。しかしマルチマイクの難しいところは、録音に問題が発生した場合にどのマイクが原因なのか分かりにくくなるという点にある。しかもマイクの数が非常に多くなってくると1本1本に問題がなくてもマイクが拾った音同士が干渉して歪みが発生する場合がある。

60年代以降のようにマルチトラックのレコーダーが使用できればバランスを後から変更したり、歪んだトラックは使わずに2チャンネルにトラックダウンすることが可能になる。しかしモノラル時代、あるいはステレオ初期はテープに録音した時点で最終形になってしまうので、どのようにマイクをセットしてどのようにミキシングするかは大変に経験と勘に依存する作業だったであろう。

実際カルショーが1959年に録音した有名なカラヤンのアイーダの録音は歪んでいる。リマスター盤でも余り変わらなかったのでマスターテープが歪んでいるのだろうと思っていたら、カルショーの手記でもその件が触れられていた。スケジュールを変更して2幕をもう一度録り直したが直らなかったそうだ。カルショーはどのマイクが問題を起こしているのか特定できなかったのだ。

私が思うにカルショーはマイクを使いすぎ、マイクに頼り過ぎだと思う。60年代からクラシックの収録にもマルチトラックのレコーダーが使われ初め、後からバランスを変更できるようになったことは彼のような録り方をする人にとって大変な朗報であっただろう。

明らかにマルチマイクを使った録音であってもオロフの場合はカルショーのような人工的な感じはしない。私はこれはオロフ自身が音楽家だったためではないかと推測している。オロフのバイオグラフィーを探したところは1898年生まれだそうで、指揮とピアノとヴァイオリンをしたそうだ。デッカにはロッシーニのセビリアの理髪師序曲や、カンポーリの伴奏をオロフが指揮したパガニーニの協奏曲の録音もあるようだ。

オロフのバイオグラフィー
http://www.answers.com/topic/victor-olof?cat=entertainment

私がヴィクター・オロフの名前を最初に意識したのがこのフルニエのブラームスである(私が持っているのは1990年に出た輸入盤)。モノラル録音だということは知って買ったので音質には余り期待していなかったのだが、ありがちなモノラル録音のように音が寸詰まった感じがしない。1955年なのでモノラル最後期とは言えこんなに上手に録れるものかとびっくりした。

フルニエのチェロも素晴らしい。私はロストロのようにゴリゴリ弾くよりはこのぐらいの優雅さをもって弾く方が好きだ。古い録音だからと敬遠せずにぜひ聴いてほしい名盤だ。

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ガーディナー指揮オーケストラ・レヴォリュショネール・エ・ロマンティーク
(1997年)
DG 457 591-2
下記サイトに試聴あり
http://www.amazon.co.jp/Schumann-Complete-Symphonies-Robert/dp/B000006PKI

スイトナー指揮ベルリン国立歌劇場管
(1986年)
コロンビア COCO70496
下記サイトに試聴あり
http://www.hmv.co.jp/product/detail/749355

生前あまり評価されなかった作曲家の作品が後年になって評価されるというのはよくあることだが、シューマンのオーケストレーションほど評価が変わった例は珍しいと思う。

シューマンは弦と管をユニゾンで吹かせると言ったことをしばしばするので「オーケストレーションが下手だ」という評価が19世紀末からしばらく定着していた。マーラーなど多くの人間が編曲を加える格好の材料にすらなってしまったが、しかし彼のオーケストレーションは作曲当時の19世紀前半は新鮮なものとして好評だったのだ。

なぜ評価が180度変わってしまったのか? それは近代オーケストラの拡大の方向性がシューマンのオーケストレーションとは相性が悪かったからだ。4管編成が当然となった現在、シューマンの交響曲など2管編成で書かれた曲は通常は倍管で演奏するが(そうでないと18型級の弦楽とのバランスが取れない)、ベートーベンと違ってシューマンの音楽に倍管編成オーケストラの重たい響きは壮大すぎるのだ。

シューマンのオーケストレーションへの批判に対してサバリッシュは「弦と管を同じ音量で演奏しろとは書いていない」と言って反論する。かといって弦と管の音量をどのような比率にするかまで楽譜に事細かに指定されている訳ではないので、フル編成のモダンオケがお互いの音を聴きながらこれを実行するのはかなり難しいことだ。サバリッシュの言うことは多分ドレスデン国立管やVPOといったややオールドなスタイルを維持したオーケストラを非常に耳の良い指揮者が振った場合にのみ実現可能であろう。

前者はサヴァリッシュが定盤の一つになっているがVPOはどうか? 4番はベームとカラヤンの優れた演奏があるがこれは全集ではない。VPOによるシューマンの全集はショルティ、メータ、バーンスタイン、ムーティが録音しているが、できればドホナーニで録音してほしかった。ドホナーニ/VPOはメンデルスゾーンで素晴らしい全集を作っているし、シューマンの2番のすばらしい演奏を放送で聞いたことがあったからだ。ドホナーニは後にクリーブランドと全集を作成したが私が期待した内容ではなかった。シューマンにはもっと柔らかい音色が必要だと思う。

モダンオケでの演奏が難しいのであればオリジナルのスタイルで演奏すれば当時のバランスで演奏できるはずだ。シューマンの作品こそオリジナル・スタイルで聞くべきなのだ。ガーディナーのこの演奏はそのような期待に十分応えてくれるものだ。ガーディナーが生来持っているやや開放的かつ歯切れの良いサウンドはシューマンとの相性は良いように思う。もし19世紀後半以降もこれらの作品がこのように演奏し続けられていたらオーケストレーションが下手だという評価には恐らくならなかっただろう。

このCDは4番は最近良く演奏される初稿(1841年版)と最終稿(1851年版)の両方が収められている。未完の交響曲「ツヴィッカウ」から2つの楽章が18分ほど収められているのも珍しい。

4番の初稿は基本的な主題自体は最終稿とそれほど変わりないが、テーマ間や楽章間のつなぎがかなり異なる。オーケストレーションもシンプルかつリズミカルなものだ。モダンオケの成熟した響きで聞くには最終稿の方が合っているように思うが、初稿の若々しい響きもオリジナル・スタイルで聞くととてもしっくり来る。ブラームスが初稿の方を高く評価していたというのも分かるような気がする。

4番の初稿に対するブラームスの熱意が下記のページに書いてある。
http://www.asahi-net.or.jp/~wg6m-mykw/Library_Schumann_Sym4.htm

1番にも自筆の初稿があるのだが、残念ながらガーディナーは演奏していない。1番の初稿は冒頭のホルンのファンファーレが現行の「ミッミーミミーミードーレーミー」ではなくて3度低い「ドッドードドードーラーシードー」となっている。後のチャイコフスキーの4番をやや思い起こさせる暗いファンファーレからトゥッティの明るい響きへの変化を求めたもので、これはとても効果的だと思うが、当時のナチュラルホルンの制約から変更された。

1番初稿の譜例
http://a-babe.plala.jp/~jun-t/Schumann-Sym01.htm
http://www.kanzaki.com/music/cahier/scm0304

その後バルブが発明され「ドッドードドードーラーシードー」でも問題なくなった。シューマンも生前そのように演奏していたらしいのでぜひここはそうしてほしいのだが、残念ながらガーディナーは1番は初稿では演奏していない。1番の初稿は今のところスイトナー盤でのみ聞くことができる。この冒頭はHMVのサイトで試聴できるのでぜひ聞いてみてほしい。

ガーディナーのインタビュー記事も見つけた
http://classic.music.coocan.jp/sym/jeg-schumann.htm

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