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チェロ:ハインリッヒ・シフ
ピアノ:エリザベス・レオンスカヤ
1984年録音
(Philips 412 732-2)
チェロソナタと言えば私が好きなのはこの曲だ。有名なピアノ協奏曲第二番と丁度同時期の1901年に作曲された。ラフマニノフがスランプから脱出しワンランク上の作曲家に脱皮した頃の作品で、なかなかの傑作だと私は思う。しかし残念なことにピアノ協奏曲第二番と比べるとかなりマイナーな作品だ。
よく言われることだが、この曲はピアノのパートがあまりにも雄弁だ。ピアノが下手では弾けないが、かといってピアノが前に出すぎてチェロがそれと張り合うようではこの曲の叙情は台無しだ。私は上手なピアノとチェロがこの曲を「控えめに」演奏した場合のみ成功する可能性があるのではないかと思う。
ト短調という調正はショパンのチェロソナタの影響とも言われる。2楽章にスケルツオを、3楽章に緩徐楽章を置いた4楽章構成という点でも共通する。「ロシアのショパン」というとメネトルが近年評判だが、ラフマニノフはこの作品以外でもかなりショパンを意識していたと思われる節がある。
ショパンのチェロソナタも非常に良く演奏されるとは言えないが、それでもデュ・プレ、ロストロポービッチ、ヨーヨーマと有名どころの演奏は揃っている。しかしラフマニノフの方はLP時代はトゥルトリエぐらいだったようだし、CD時代になってから一般的に手に入るのはソニー盤のヨーヨーマとハレルのデッカ盤のハレルぐらいだろうか。
私が好きなのはこの演奏だ。シフは最近は指揮者としても活躍しているらしい。ピアニストのシフと比べるずっと地味な存在だが、私はゴリゴリ弾かないタイプのチェロが好きなのでこのくらいがとても心地よい。重すぎることもなく、明るすぎることもない。レオンスカヤのピアノも達者だが出しゃばり過ぎない。
LP時代に放送で聴いて感激し、CD化された際にはすぐ入手したが比較的早く廃盤になってしまったようだ。現在は「ラフマニノフ大好き」というオムニバスアルバムに第三楽章だけが入っているようだ。う〜ん残念だ。
余白に収められたシベリウスのマリンコニアという作品もなかなか面白い。鳴きの入れ方がシベリウスのバイオリン協奏曲の第二楽章を彷彿させる。
追記:
この曲のディスクをたくさん紹介しているページを見つけた。結構増えてきたようだ。
http://www.age.ne.jp/x/ramos/rachmaninoff/cdichiran/19.htm
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