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 プラシド・ドミンゴ(T カニオ)
 イレアナ・コトルバス(S ネッダ)
 マッテオ・マヌグエッラ(Br tonio)
 ハインツ・ツェドニク(T peppe)
 ヴォルフガング・シェーネ(Br シルヴィオ)、他
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 アダム・フィッシャー(指揮)
 録音:1985年6月6日、ウィーン国立歌劇場(ライヴ、ステレオ)

今日はカラヤンの誕生日だ。カラヤンの主要な業績の一つにウイーンとザルツブルグでイタリアオペラを原語上演し、ドイツ語圏におけるイタリアオペラの演奏水準を高めたことが挙げられる。スカラ座と提携してプロダクションを借りてきたり、夏にザルツブルグで上演したプロダクションをウイーンの秋からのシーズンでレパートリー化するといった方法は、少ない予算でウイーンのレパートリーを増やすには合理的な方法だっただろう。

1958年のザルツブルグ音楽祭でヴェルディのドン・カルロを取り上げた際は「音楽祭の主旨に合わない」という反対意見もあったようだ。この音楽祭はモーツァルト、ワーグナー、R.シュトラウスといったドイツ・オーストリアのオペラを上演してきたからだ。しかしそもそもの設立主旨が夏の間の観光客誘致だったことを考えると、人気のあるイタリアオペラをオールスターキャストで上演して世界の観光客を集めるというのは目的に合致しているだろう。

実際はザルツブルグ祝祭大劇場とウイーン国立歌劇場では舞台の横幅が違い過ぎて左右を切り落とさないと入らなかったらしいが、とにもかくにもこの企画は大成功し、カラヤンは他にもトロヴァトーレ、オテロ、アイーダ、ファルスタッフ、トスカといったイタリアオペラをザルツブルグで上演した。録音でもVPOとアイーダ、オテロ、トスカ、喋々夫人、ファルスタッフ、トゥーランドットを録音している。

このようにウイーンおよびザルツブルグでのイタリアオペラの上演にカラヤンが大きな貢献をしたのは事実だが、VPOによるイタリアオペラの録音もほとんどカラヤンが指揮している。

カラヤンの生前はレコード会社に圧力をかけて他の指揮者では録音させないようにすることもできただろうが、カラヤンが亡くなったのはもう19年も前の話だ。コストの問題でオペラのスタジオ録音は最近はあまり行われないが、それはこの数年の話だ。なぜVPOはイタリアオペラを録音しなくなってしまったのだろうか?

カラヤン以外の指揮者も舞台では頻繁に振っているので、ライブではマゼールの83年のトゥーランドット、ゲルギエフの2002年のトゥーランドット、比較的最近商品化された1981年のサンティのアンドレア・シェニエ、1970年のシュタインのドン・カルロなどがあるが、スタジオ録音によるVPOのイタリアオペラはカラヤン以外ではかなり少ない。(Jinkさんご指摘の通りカラヤン以外の録音が全くないわけではない)

特に80年代のウイーンはクライバー/フレーニ/パヴァロッティがそろい踏みしたボエームや、アバド/パヴァロッティ/cappuccilliの仮面舞踏会など充実したイタリアオペラの公演も多かった。今回初めて商品化されたこの道化師からもその雰囲気は伺える。

マイク配置のせいか声が若干遠くて軽めの声に聞こえるが、コトルバスのネッダは予想していた通りなかなか合っていると思う。ドミンゴのカニオも悪かろうはずがなく、マヌグエラも当時ウイーンでは人気があったようで大きな喝采を浴びている。この演奏のユーチューブの映像を以前紹介したが、コトルバスは映像で見た方がさらに良いようなのでぜひDVD化を期待したい。

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