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73年9月19日収録
ニーノ・ヴェルキ指揮
ヴィオレッタ : レナータ・スコット
アルフレード : ホセ・カレラス
ジェルモン : セスト・ブルスカンティーニ
フローラ、アンニーナ : アンナ・ディ・スタジオ
http://www.youtube.com/results?search_type=&search_query=traviata+scotto+1973&aq=f
カレーラスのオペラ舞台の映像はドミンゴやパヴァロッティと比べて少なく、これまで正規商品化されていたのはLD時代から出ていたメトのボエーム(1982)とカルメン(1987)、スカラ座のアンドレア・シェニエ(1985)、カラヤンとのドン・カルロ(1986)、コヴェントガーデンのスティッフェリオ、それに最近初めてDVD化されたウイーンのトゥーランドット(1983)ぐらいだろう。
そこへ今回70年代の日本での映像2つが新たに加わった。特にこの73年の椿姫は現在までに商品化されたカレーラスの最も初期の映像だろう。76年のアドリアナはモノラル音声だったがこのディスクの音声は恐らくFM放送用の音源からステレオ化されている。画質はあまり良くはない。国内でDVD化されている73年のファウスト(同じくスコットが主演)もこの程度の画質だが、同じ年に収録されたカラヤン/BPOのリハーサル映像はもっと鮮明な画像だ。この時代は字幕を入れる工程だけでこんなに劣化してしまうものだったろうか?
カレーラスの歌と演技に後年の余裕がないのは当然だが、いつもながら精一杯のひたむきさを感じさせる歌唱は好感は持てる。スコットはまだリリックだったころの歌だ。私がスコットの歌をレコードで初めて聴いたのは80年頃のムーティとの椿姫やレヴァインとのトスカあたりからなので、ここでのスコットの歌はどうしても線が細い印象を受けてしまう。見た目がやや太めのこの頃のスコットは人懐っこい顔で、どこどなく日本人っぽい雰囲気すら漂っているのが見ていて面白かった。
誰にもお勧めの演奏とは言いにくいが、カレーラスのこの曲の正規盤は他になく、スコットも椿姫の映像はこれだけなのでこれは貴重な記録と言えるだろう。ドミンゴの76年の道化師/カヴァレリアと合わせて今回3点がDVD化されたので、NHKに全曲の映像が残っている公演でまだDVD化されていないのは恐らく61年のプロッティのリゴレットと63年の西部の娘だけだろう。71年のリゴレットもまだDVD化されていないが、これはパバロッティが主役を歌っているため放送後にテープはパバロッティ側(あるいはユニテル側?)に返還されNHKには残っていないそうだ。
他にカレーラスの映像は、先に紹介した79年の東京のトスカ、78年のスカラ座の運命の力、81年のパリの仮面舞踏会、90年のウイーンの道化師、93年のバルセロナのフェドーラもあるはずなのでこれらもぜひDVD化してほしいものだ。
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