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・モーツァルト:歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』全曲
 ヤノビッツ(フィオルディリージ)
 クリスタ・ルートビッヒ(ドラベッラ)
 オリヴェラ・ミリャコヴィチ(デスピーナ)
 ルイジ・アルヴァ(フェルランド)
 ヘルマン・プライ(グリエルモ)
 ワルター・ベリー(ドン・アルフォンゾ)
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 カール・ベーム(指揮)
 ウイーンフィル
 監督:ヴァーツラフ・カシュリーク
 収録:1969年
http://www.youtube.com/results?search_query=bohm+cosi&search_type=&aq=f

やっと出た幻の映画。数年前にクラシカジャパンで放送されたほか、大昔にヤマハホールで上演されたこともあるらしい。1969年の制作とあるが60年代にVPOはデッカの専属だったはずなので(カラヤンやベームの60年代の映像にウイーン交響楽団が起用されているのはそのためだろう)制作は70年頃かもしれない。

とにかくキャストが素晴らしい。特にプライのグリエルモとルートビッヒのドラベッラは当たり役。ルートビッヒはキャリアが長かった割にオペラ映像が少ないので貴重だ(他にはカラヤンのファルスタッフ、レヴァインの指輪のフリッカとワルトラウテ、それにモノクロのフィデリオがあったぐらいか?)。これでデズピーナがポップだったらもう何も望むものはなかったろうが、モダンオケとしてはこの曲の最高の演奏であることは間違いない(オリジナル楽器ではガーディナーのDVDをとる)。

80年代は指揮者と言えばカラヤン、ベーム、バーンスタインと大体相場が決まっていたが、雑誌によればカラヤン、バーンスタインと比較してベームの人気には陰りが出てきているそうだ。音楽を分からない人が増えたということか? カラヤン、バーンスタインも良い演奏は良いが、二人とも自分のために音楽をやっている節があって(特に晩年の演奏)ナルシスティックな演奏に鼻白む瞬間もある。クライバーを初め、ベーム、チェリビダッケ、クーベリック、テンシュテット、ベルティーニ、ヴァント、古くはクナッパーツブッシュあたりの音楽を若い人にはもっと聞いてもらいたいものだ。

この映像はサヴァリッシュの映画のオランダ人と同じくカシュリーク監督によるもの。オランダ人同様にスタジオでの収録で舞台収録ではない。やや古風ではあるがオーソドックスで違和感はない。場面のつなぎでドイツ語のテロップが挿入されるのが少し煩わしいが日本語対訳が付いているので助かる。全体としてオランダ人より成功していると思う。

カシュリークという人について調べてみた。ヴァーツラフ・カシュリーク V?・clav Kasl?・k (1917-1989)はチェコの指揮者・演出家だったそうでオペラの作曲もしたらしい。下記サイトによると戦時中からプラハ国立歌劇場で活躍したらしい。
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/k_akiyama/opera/Austria%20&%20East%20Europe/Praha/Statni/StatniOpera.htm

その演出作品は未だに現役なようで、2006年にプラハ国立歌劇場の日本公演があったドン・ジョバンニ(主演はブルゾン)はカシュリークの演出だった。オペラ映画の監督作品も多く、ジャネット・ペリーとアドルフ・ダラポッツァが出演したレハールの「ジプシーの恋」や、トゥルデリーゼ・シュミットとエーリッヒ・クンツが出演したヨハン・シュトラウスの「ヴェネツィアの一夜」もカシュリークが制作したものだ。

コジ・ファン・トゥッテのあらすじは下記サイトを参照。ちなみに「コシ」と書く人が時々いるが「コジ」が正しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%83%E3%83%86
http://www.and.or.tv/operaoperetta/33.htm
http://www.geocities.jp/wakaru_opera/cosifantutte.html
http://www11.ocn.ne.jp/~sisd/opera.cosifan.htm

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サヴァリッシュ特集が続きます(笑)

・ワーグナー:歌劇『さまよえるオランダ人』全曲
 オランダ人:フランツ・クラス
 ゼンタ:アニヤ・シリヤ
 ダーラント:ヨーゼフ・グラインドル
 エリック:フリッツ・ウール
 マリー:レス・フィッシャー
 舵取り:ゲオルク・パスクダ
 バイロイト祝祭合唱団
 合唱指揮:ヴィルヘルム・ピッツ
 バイロイト祝祭管弦楽団
 指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ
 録音:1961年7月、8月(ステレオ)

演出 ヘニング・フォン・ギールケ
舞台美術 ヘニング・フォン・ギールケ
指揮者 ヴォルフガング・サヴァリッシュ
オーケストラ バイエルン国立歌劇場管弦楽団
合唱 バイエルン国立歌劇場合唱団
合唱指揮 エドゥアルト・アシモント
オランダ人 ロバート・ヘイル
ダーラント ヤッコ・リヘネン
ゼンタ ユリア・ヴァラディ
エリック ペーター・ザイフェルト
マリー アニー・シュレム
舵取り ウルリヒ・レス
録音年月日 1991年3月25日、28日
録音場所 バイエルン国立歌劇場
EMI TOLW3659〜60

 ドナルド・マッキンタイア(オランダ人)
 カタリナ・リゲンツァ(ゼンタ)
 ベングト・ルンドグレン(ダーラント)
 ヘルマン・ヴィンクラー(エリック)
 ルート・ヘッセ(マリー)
 ハラルド・エク(舵手)
 バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
 演出・映像監督:ヴァーツラフ・カシュリーク
 装置・衣装:ゲルト・クラウス
 装置:ヘルベルト・シュトラーベル
 衣装:ヘルガ・ピノフ
 収録:1974年、バイエルン・スタジオ、ミュンヘン


オランダ人は1841年の初稿完成後に何度か手が加えられたため違う版の演奏が存在する。舞台がスコットランドからノルウェーに変わったとか、オーケストレーションの変更(「オフィクレイド」と言う金管をチューバに代替)など小さい改訂を含めると違いは何か所もある。そのあたりの話はブルーノ・ワイルの初稿盤の日本語版解説で舟木氏が詳しく書かれているが、はっきり分かる大きな違いは次の3点だ。


ポイント1.序曲の終結部と全曲の幕切れに「救済のモチーフ」があるかないか。
 初稿には救済のモチーフはなく1860年に序曲を改訂した際に初めて入れられた。

ポイント2.ゼンタのバラードがイ短調かト短調か。
 初稿はイ短調だが初演時に歌手が歌えなかったためト短調に下げられた。出版譜もそれを踏襲している(大変残念なことに!)。

ポイント3.全曲をつなげて1幕物として演奏するか、3幕仕立てに切って演奏するか。
 1843年のドレスデンでの初演に際して際に3幕に切って2幕と3幕に序奏をつける改訂版が作成された。しかし現在では初稿通り1幕物として切れ目なく演奏するのが普通。


カラヤン盤など一般的には「救済のモチーフあり」→「バラードはト短調」→「1幕物」で演奏するケースが多いが、このサヴァリッシュのバイロイト盤は「救済のモチーフなし」→「バラードはイ短調」→「3幕仕立て(ただし2幕と3幕の序奏なし)」という通常とはかなり異なるバージョンで演奏している。

ゼンタのバラードは絶対にイ短調で歌うべきだと私は思う。直前の糸紡ぎの歌がイ長調だからだ。イ長調からイ短調に、明から暗へ「スパっ」と切り替わるからドラマティックなのであって、ここがト短調だと非常にぼやけた印象になってしまう。

サヴァリッシュのバイロイト盤は長い間イ短調のゼンタのバラードが聞ける唯一の演奏だった。アニヤ・シリアの鮮烈なバイロイトデビューでもあったこのゼンタが非常にカッコよく聞こえるのは、実はバラードの調性が違うせいでもあったのだ(この事実に私が気がついたのは後年にカラヤン盤や同じシリアのクレンペラー盤と聞き比べてからだが)。

ゼンタという霊感的で少しクレイジーでヒステリックな役にはイ短調というちょっと危うい調性とシリアの強靭な声が実にピッタリくる。バイロイトでは1959年に同じ指揮と演出でリザネックがゼンタを歌っているが、そこではト短調で歌っている。原調のイ短調のバラードはシリアだからこそ実現したのだ。(これについては別記事にしたので参照されたい)。

2番目は、そのサヴァリッシュが91年にギールケの演出で演奏したレーザーディスクの映像だ。これは翌92年にほぼ同じキャストで日本でも上演された。この際は「救済のモチーフあり」→「バラードはト短調」→「1幕物」の一般的な演奏スタイルになってしまった。この年の日本公演の最後を飾ったのがこのオランダ人で、サヴァリッシュがミュンヘンオペラを指揮したのもこれが最後だったようだ。私も東京文化会館に見に行った。(奇しくもクライバーが最後にオペラを指揮したのも東京文化会館でこの翌年1993年のばらの騎士だった)

この92年の来日時の演奏は手堅いいい演奏だとは思ったが、バイロイト盤のようなスリルはなかったように思う。91年の映像は舞台で撮影されたものだが収録は89年の指輪の映像のようなビデオ撮りではなくフィルム撮りだ。ビデオへのコンバートの状態が良くなかったのか画質的には今一つだ。全体としてインパクトが少々弱いのはそのせいかもしれない。この映像は現在のところ幻の映像となってしまっているようだが、質の良いニューマスターでDVD化されれば違う印象を持つかもしれない。

さて3つ目は最近初めてDVD化された74年のユニテルの映像だが、これは舞台の収録ではなくフィルム映画としてスタジオ収録されたものだ。この映画は80年前後に東京・赤坂のドイツ文化会館で上映されていた。どういうバージョンで演奏しているのか興味津々だったがまさに期待に応えてくれた。

結論からいうと「救済のモチーフなし」→「バラードはイ短調」→「1幕物」という構成だ。ワイルの1841年初稿版と同じバージョンかどうかは細かいところを聞き比べてみないと判断できないが、初稿版にかなり近い構成を採用していることは間違いない。ゼンタのバラードをイ短調で歌ったのはワイルの初稿盤を除けばシリアのバイロイト盤以来の快挙だ。この頃のリゲンツァはまだややリリックだったので、後年のブリュンヒルデのような貫禄はないが、私はこの果敢な挑戦をもろ手を上げて絶賛したい。

映像的には画質は十分きれいだが、カラヤンのラインの黄金の同様に映画でリアルに撮ろうとすればするほどリアルでなくなってしまうような気がする。幽霊船の船員はコミカルにすら見えてしまう。ワーグナーを映画化するのは難しい。椿姫やオテロ、ボエーム、トスカなどは映画が何種類も作成されているが状況はかなり異なる。

それでも、この74年の映像はサヴァリッシュのオランダ人の一つの結論として推奨したい。また、なぜ90年代に普通のバージョンに戻してしまったのかもぜひマエストロに聞いてみたいところだ。オランダ人はマッキンタイアが歌っており、この歌手がサヴァリッシュのお気に入りの一人だったことがうかがえる。ちなみに序曲の最中にサヴァリッシュ自身が映像に全く出てこないのは74年の映像も91年の映像も共通している。コンセプトなのだろうが私は残念だ。ユーチューブには74年の映像も91年の映像も見当たらなかった。

(追記)
ボーカルスコアはIMSLPを参照。シャーマー版(シルマー版)がアップされているが序曲も幕切れも救済はない。バラードはト短調で序奏付の3幕版だ。
http://imslp.org/wiki/Category:Wagner,_Richard

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