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Freni, Mirella (Soprano),
Raimondi, Gianni (Tenor),
Gueden, Hilde (Soprano),
Panerai, Rolando (Baritone),
Taddei, Giuseppe (Baritone),
Vinco, Ivo (Bass),
Herbert von, Karajan,
Vienna State Opera Orchestra,
Vienna State Opera Chorus
11/09/1963, Vienna, Austria [Live]
下記サイトに試聴あり
http://www.hmv.co.jp/product/detail/668991
http://itunes.apple.com/jp/album/id290209070
ミレッラ・フレーニ(ミミ)
ルチアーノ・パヴァロッティ(ロドルフォ)
ロランド・パネライ(マルチェッロ)
ニコライ・ギャウロフ(コルリーネ)
ジャンニ・マッフィオ(ショナール)
エリザベス・ハーウッド(ムゼッタ)
ミシェル・セネシャル(ベノア、アルチンドロ)
ゲールノート・ピエチュ(パルピニョール)
ハンス・ディートリヒ・ポール(税関の役人)
ハンス・ディーター・アッペルト(巡査部長)
シェーネベルク少年合唱団、ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1972年10月、ベルリン、ダーレム、イエス・キリスト教会
プロデューザー:レイ・ミンシャル、ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:ゴードン・パリー、コリン・ムアフット
下記サイトに試聴あり
http://www.hmv.co.jp/product/detail/79967
ゼフィレッリのオペラと言えば何といってもやはりボエームだ。フレーニのミミとともに不滅の舞台と言って良いだろう。まず1963年1月31日にスカラ座で初演され、次のシーズンの同年11月9日にウイーンで初演された名舞台だ。ウイーンの初日の放送録音が残っていて私が聴いているのはRCAがCD化した正規盤だが現在は海賊盤でしか手に入らないようだ。カラヤンはそれから9年後に有名なデッカ盤を録音していて、これは一般的には名盤の誉れ高い演奏だ。しかしウイーンでのライブ演奏とベルリンでのスタジオ録音はかなり性格の異なる演奏だと私は思っている。
フレーニのミミとパネライのマルチェッロは共通するが、ロドルフォはジャンニ・ライモンディからパバロッティに、ムゼッタはギューデンからハーウッドに変わっており、何よりもオケがウイーン国立歌劇場からBPOに変更されている。私はデッカ盤のオケとムゼッタと録音には不満だ。
まずBPOの音が重厚で豪華すぎる。もしこのストーリーを知らないで音だけを聞いたら屋根裏の一室でのつつましい物語だとはとても思わないだろう。どこかの宮殿の王子様とお姫様の壮大なラブデュエットにしか聞こえない。トスカのように、ある意味シンフォニックな迫力を持った曲ならまだしも、ボエームのような曲になぜBPOを起用したのか分からない。BPOは75年のザルツブルグの復活祭音楽祭でも演奏したようだが実演ではどのような聞こえ方をしたのだろうか? BPOがこの曲を演奏したのは後にも先にもこの年の公演とこの録音だけだろう。
ムゼッタのハーウッドも大変疑問だ。こんなに下品で老けた歌ではムゼッタが単なる憎まれ役になってしまう。ムゼッタは確かにちょっと気まぐれでおてんばで移ろ気だけど、愛されるキャラクターでなければいけない。その意味でポップ以上のムゼッタはないだろう。ウイーン盤でのギューデンはポップには及ばないがハーウッドよりは数段ましだ。カラヤンはメリーウイドゥの録音やフィガロの舞台でもハーウッドを起用したがこれがどういう事情だったのか良く分からない。
最後にデッカの人工的な録音にも異議を唱えたい。2幕フィナーレで楽団の音がこんなに早足で遠のくようなことは実際の舞台ではまったく考えられない。まるでストコフスキーの録音のように誇張されたステレオ効果で極めて不自然だ。カラヤン/BPOのデッカ録音はこれが唯一だが、これはデッカの特徴が悪い方にでた録音だと思う。
もちろんロドルフォはパバロッティの方が上だが、63年当時を考えればパバロッティはまだ無名だったのでこれは仕方ないところだ。ライモンディの歌はパバロッティと聴き比べなければ決して悪くはない。ウイーン盤の方がはるかにイタリアオペラらしい演奏だと思う。モノラルだが音質は安定している。
ボエームに限らずオテロもトロヴァトーレもドンカルロもトスカもそうだがカラヤンがBPOと録音したイタリアオペラはどれも音が重すぎてイタリアオペラらしくない。トロヴァトーレではBPOのスタジオ録音を同時期のウイーンのライブ演奏と聞き比べることができるのでその違いは明白だ。
その後アイーダ、ファルスタッフ、トゥーランドットの録音でカラヤンがオケをVPOに戻したのは遅まきながらそのことに気がついたためではないだろうか?
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