こだわりクラシック Since 2007

12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

イメージ 2

London, George (Bass Baritone),
Greindl, Josef (Bass),
Rysanek, Leonie (Soprano),
Uhl, Fritz (Tenor),
Fischer, Res (Mezzo Soprano),
Paskuda, Georg (Tenor)
Sawallisch, Wolfgang,
Bayreuth Festival Orchestra, Bayreuth Festival Chorus
1959, Bayreuth Festival Hall, Germany [Live]
http://www.youtube.com/watch?v=WKJEECPsDHI
下記サイトに試聴あり
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1614538


 オランダ人:フランツ・クラス
 ゼンタ:アニヤ・シリヤ
 ダーラント:ヨーゼフ・グラインドル
 エリック:フリッツ・ウール
 マリー:レス・フィッシャー
 舵取り:ゲオルク・パスクダ
 バイロイト祝祭合唱団
 合唱指揮:ヴィルヘルム・ピッツ
 バイロイト祝祭管弦楽団
 指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ
 録音:1961年7月、8月(ステレオ)


1955年のウォルフガング・ワーグナー演出のオランダ人の4年後の1959年にはウィーラント・ワーグナーがオランダ人の演出をしている。シリアがゼンタを歌った1961年の演奏は、ゼンタのバラードがイ短調で歌われているなど通常とは変わったバージョンを使用していることは以前も書いたが、シリアがゼンタを歌ったのは1960年からだ。サヴァリッシュがバイロイトにデビューしリザネクがゼンタを歌った1959年の初演時はバラードの調はどうだったのか確認してみることにした。もちろんリザネクのゼンタを聞きたいという気持ちもあるが、それだけであれば1959年のバイロイトと主役4人同じ配役でドラティがデッカに録音した盤もあるのでそちらの方が条件が良いだろう。

結果は......意外なことにト短調だったのだ。バラードを初稿のイ短調に戻すというアイディアをウィーラントは1959年の段階では実行しなかったのだ。救済のモチーフなしで、序奏なしの3幕版という点は1961年の演奏と一緒だ。

未出版のオランダ人の初稿を見ることができた(つまりゼンタのバラードが本当はイ短調で書かれていたことを知っていた)人間はこの時点ではウィーラント&ウォルフガング・ワーグナー兄弟だけだったはずだ。ウィーラントはシリアをゼンタに得て初めてシリアの強靭な声であればこの曲をオリジナルのイ短調で歌えることに気がついたのだ。ワーグナーは1843年の初演でト短調に下げて以降1841年の初稿を引き下げてしまったようなのでイ短調のバラードを作曲から約120年後に世界初演、創唱したのはアニヤ・シリアだと考えて間違いないだろう。すごい! すごすぎる!

指揮者のサヴァリッシュもこの時点で未出版の初稿を確認したはずであり、そのことがサヴァリッシュが1975年のミュンヘンでの映画で救済のモチーフなしでイ短調バラードの版を採用したことにつながっているに違いない。リザネクのゼンタも決して悪くないが、肉太系ならば前任のヴァルナイに分がありそうだ。

私がLP時代に初めて聞いたオランダ人がこのシリアの演奏だという刷り込みもあるのは事実だが、サヴァリッシュ盤のシリアは凄いということを改めて確認できた。シリアにはクレンペラー盤もあって世評は高いが、シリアの勢いのあるゼンタにはサヴァリッシュの指揮とイ短調のバラードが合っていると思う。

イメージ 1

CD−1
モーツァルト:交響曲第28番(1974年)
モーツァルト:交響曲第29番(1960年)
モーツァルト:交響曲第30番(1974年)

CD−2
モーツァルト:交響曲第31番《パリ》(1968年)
モーツァルト:交響曲第32番(1974年)
モーツァルト:交響曲第33番(1974年)
モーツァルト:交響曲第34番(1974年)

CD−3
モーツァルト:交響曲第35番《ハフナー》(1968年)
モーツァルト:交響曲第36番《リンツ》(1968年)
モーツァルト:交響曲第38番《プラハ》(1968年)

CD−4
モーツァルト:交響曲第39番(1974、75年)
モーツァルト:交響曲第40番(1975、75年)
モーツァルト:交響曲第41番《ジュピター》(1973年)

CD−5
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジークK.525(1960年)
モーツァルト:セレナータ・ノットゥルノK.239(1960年)
モーツァルト:セレナードK.101(1973年)
モーツァルト:ノットゥルノK.286(1973年)
モーツァルト:音楽の冗談K522(1961年)

スイトナー指揮ドレスデン国立管


助六さんが倍管について調べてくださったので記事でまとめておきたい。

・1771年にガスマンが創設したウィーン音楽家協会(Tonkünstler-Sozietät)のオーケストラが1781年にモーツァルトの交響曲第34番K338(もしくは第31番「パリ」K297)をVn40−Va10−Vc8−Kb10+倍管で演奏した記録がある。Fgは6本の3倍管だった。
・1817年には同主催の演奏会でベートーベンの「かんらん山上のキリスト」が20−20−8−7−7+倍管ないし3倍管で演奏された。
・倍管編成が可能なオケとして、1811年ベルリン宮廷オペラ、1817年ドレスデン宮廷オペラ、1820年ミュンヘン宮廷オケ、1823年ドレスデン・シュターツカペレ、1837年シュトゥットガルト宮廷オペラ等の記録がある。
・モーツァルト時代のF・ガレアッツィの理論書ですでに倍管が推奨されている。

私も、例えばヘンデルのメサイア(1742年初演)をモーツァルトと同世代のヨハン・アダム・ヒラー(1728〜1804)という人が編曲した版は36人のファーストバイオリン、39人のセカンドバイオリン、18人のビオラ、23人のチェロ、15人のコントラバス、10のバスーン、それぞれ12人のオーボエ、およびフルート、8人のナチュラルホルン、6人のトランペット、2人のティンパニ、および4人のトロンボーンという大編成だということは知っていたので、何か特別な機会にこのような巨大編成をとることが18世紀からあったということは理解する。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~berisari/messias.htm

現代でも2つのオーケストラの合同演奏会など巨大編成の演奏会は行われており、仮に倍管編成で4管にしたオケを2台とすれば4倍管編成(8管)ということになる。ただ気をつけなければいけないのが、8管編成の演奏会が現代において普通かというと決してそうではないという点だ。巨大編成の演奏会は話題になるので記録に残りやすいのだ。なのでモーツァルトの時代において倍管編成が「可能」ということが、すなわち「通常」倍管編成で演奏したということには決してならないと思う。

それでは倍管編成が一般的になったのはいつなのかだが、情報の出元は不明ながらwikiには「グスタフ・マーラーがウィーンでベートーヴェンの交響曲を演奏する頃から始まったと言われる」と書いてある。古典派の音楽を倍管で演奏するという発想は後期ロマン派的な解釈に合致するので私も倍管が日常的になったのはその頃なのではないかと推測している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E7%AE%A1

wikiにはまた、「通常はカール・ベームのように木管楽器だけを各4本にするが、カラヤンなどは金管楽器(ホルン、トランペット、トロンボーン)も倍にしている」と書いてある。これも重要な指摘だ。金管を倍にすると華麗で重厚だが、メタリックである意味非常に戦闘的な音楽になる。確かに19世紀以降弦楽器の音量は増したが、金管も改良されて古典派の時代よりもはるかに大きな音が出るようになっている。それに比べて(フルート以外の)木管の音量は劇的には変化していないので、仮に倍管にするにしてもベームのように木管だけ倍管にするといった控えめな編成にするべきなのではないだろうか?

と長々と書いてきたのは、結局のところ18世紀の音楽、モーツァルトぐらいまでの音楽の演奏はそんなに大きな編成にするべきではないのではないだろうか、と言いたいからだ。古楽器を使った少人数のオーセンティックな演奏だけが全てだとは決して思わないが、モダン楽器を使って大型の編成で演奏するにしてもそこそこの節度を守るべきだと思う。

このスイトナーとドレスデンのモーツァルトはLP時代から定評あるものだが、なぜこの演奏がモーツァルトらしく聞こえるかを冷静に考えてみると大きく3点が指摘できると思う。一つは編成をあまり大きくし過ぎない(基本的に楽譜通りの2管編成)、二つ目はバイオリンのビブラートは控えめで、ノンビブラート奏法ではないが基本的に自然体、三つめは音符の「音価」(音の伸ばし方)は基本的に楽譜通りでレガートの指定がないところはつなげない、という点だ。

仮にこの正反対をするとどうなるか? 基本的に倍管編成で、バイオリンはビブラート多めで、音価は基本的に常にレガートで(レガート指定のないところもレガートにつなげて)モーツァルトを演奏するとどうなるか? もうお気づきと思うが、こう演奏するとカラヤンのモーツァルトになるのだ。ベルリンの壁を隔ててスイトナーとは正反対の演奏をしていたのだ。

恐らくスイトナーとドレスデンの演奏は19世紀前半ぐらいの演奏スタイルを引き継いでいて、カラヤンのスタイルは19世紀後半から20世紀の演奏スタイルを引き継いだものなのだろう。東ドイツが崩壊する前のドレスデンのオケがシューベルトやシューマンの演奏に非常な適性を示したのもそのためだろう。当時は少し時代遅れにも聞こえたこのようなサウンドが今や周回遅れのトップランナーになってしまうのだから音楽とは面白い(笑)

このスイトナーとドレスデンのモーツァルトはLP時代は東独のシャルプラッテンが曲によってEMI、フィリップス、徳間など西側の複数のレーベルにバラバラに版権を与えたため、交響曲集としてまとまっては発売されなかった。その点はベームなど他の競合盤と比較して損をしたと思う。全部まとまった形でCD化されたのは東ドイツが崩壊した後だったと思う。その中では徳間が最後の3大交響曲をカタログから落とさなかったのが立派だ。

スイトナーのモーツァルトはN響とのスタジオ録音やライブ録音、ベルリンシュターツカペレとの来日ライブもCD化されているが、オケの音色やコンディション、録音会場や録音状態を総合的に考えるとやはりこのドレスデンとの録音が最も良いと思う。正直N響やベルリンとは格が違うことに改めて気づかされる。このオケを振れるならそれは指揮者は誰だって東ドイツにも行くだろう。録音だけだが実際カラヤンもクライバーもケンペもそうしたし。スイトナーにはドレスデンの来日公演を振って欲しかった。

このBOXは10枚組で、他の収録曲は下記リンクを参照。モーツァルトの5枚だけでも3000円なら安い。手に入るうちに買った方が良いと思う。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/160643

全1ページ

[1]


.
検索 検索
たか改め「みんなのまーちゃん」
たか改め「みんなのまーちゃん」
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

友だち(5)
  • noriko
  • ミキ
  • 恵
  • サヴァリッシュ
  • maskball2002
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事