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 今年はJR東日本がSUICA(ICカード)やNEWDAYS(駅ナカコンビニ)を始めて10年になる。湘南新宿ラインも開通10年だそうだ。いずれも大変便利になったと思うが、一方で便利になればなるほど駅や電車はますます混雑しているようにも思う。難しい問題だ....


・ブルックナー:交響曲第三番、第四番「ロマンティック」
チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィル
(1987、1988)

 チェリビダッケが日本で評判になったのは70年代にシュトゥッツガルト放送響を指揮したブルックナーがFMで放送された頃からだ。日本でもミュンヘンフィルとの組み合わせでは初来日となった86年以降ほぼ毎回ブルックナーを取り上げ、まさにチェリビダッケの代名詞となった。ミュンヘンフィルとのブルックナーをまとめたこのチクルスセットでは特に3番と4番が素晴らしい演奏で、ヴァントやハイティンクと並びこの曲のベストだと思う。5〜7番もそれに次ぐ優れた演奏だ。4番、5番、7番は昔から海賊盤で有名だった演奏と同一だと思う。

 ここでのチェリの3番は64分、4番は79分かかっている。普通の演奏だと3番は55分程度、4番は70分程度で終わるので、相当なスローテンポだが緩んだ感じは少しもなく、確信を持った棒は必然性を感じさせる。これだけたっぷりしたブルックナーは他では聞くことはできない。ブルックナーはメトロノームの指定はしていない。例えば4番の第一楽章の速度指定は「生き生きと」としか書かれていないので、生き生きとしていればこのようなスローテンポでも許容されるのだ。

 有名なブルックナー開始からホルンの旋律に乗って徐々に音楽が立ち上がってくる時間をこれだけワクワクさせる演奏は他にない。それでいて宗教性すら感じさせる静かで厳粛な演奏でもある。基本的にはインテンポで、作為的な部分は皆無だ。これは遅めのブルックナーの場合、特に重要なポイントだ。遅いテンポにも関わらず部分的にアッチェランドするような演奏が時々あるが(そういう指揮者は恐らくワーグナーのトリスタンのようなイメージを持っているのだろう)、そうすると遅い部分が余計に遅く感じられてしまう。

 実はチェリはこの4番の演奏から4ヵ月後の1989年2月にソニーにLD用の録画を行っている。私はその発売を楽しみにしていたのだが、楽器のアップを多用した映像にチェリが異議を唱えてお蔵入りしてしまった。このため私は海賊盤のCD(前プロの未完成も入った2枚組だった)を愛聴してきたのだが、4番を1枚に収めた正規盤が発売されたことは大変喜ばしいことだ。

 ストイックだという点ではヴァントと同様だが(これはブルックナー演奏において極めて重要なことであり、豪快すぎても艶やかすぎてもいけないのだ)、その表現の仕方はまるで対極だ。だがチェリのブルックナーはヴァントほど高い評価を得ていないようなのは残念だ。このBOXは国内初出時に写真集付きで2万円もしたが、今は輸入盤の激安BOXで数千円で手に入る。ぜひ聞いてほしい。

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