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・バーバー:ヴァイオリン協奏曲
 キース・クラーク指揮パシフィック交響楽団
 1983年10月
 (PR-45CD)
http://itunes.apple.com/jp/album/menotti-barber-violin-concertos/id160670845
http://ml.naxos.jp/album/RR-45CD

 ルーカス・フランツ指揮コンテンポラリーミュージック音楽祭管
(香港One-Eleven EPR-96030)
http://www.allmusic.com/album/ricci-plays-barber-paganini-saint-saens-w71817

 リッチはイタリア系移民として1918年にサンフランシスコに生まれた。幼少から天才を発揮しパーシンガーに習った後ドイツに渡ってブッシュなどにドイツ流の様式を学んだという点では同世代(1916年のニューヨーク生まれ)のメニューインと同じだが、シリアスなメニューインと比べて、基本的に楽観的で時に多少アバウトなリッチの演奏はやっぱりイタリア系なのだろう。

 名声に頓着しない性分なので「巨匠になりそこねた巨匠」と言われることもある。左手のビブラートがオールドスタイルだという批評家もいるが、誰が何と言おうと私がサントリーホールで聞いたメンデルスゾーンとバッハのコンチェルトは紛れもなく名演だった。私が好きなヴァイオリニストの一人だ。もうかなりの高齢なので演奏活動はしていないかもしれないが、長生きされていて本当に素晴らしい。

 バーバーのコンチェルトはリッチが愛奏していた曲の一つのようだ。私は2種類のディスクを持っていて、リファレンスレコーディングスというアメリカのマイナーレーベルに83年に録音した前者はスタジオ録音、演奏日不明の後者はライブ録音だ。前者はややゆったり目のテンポでたっぷり歌った演奏だ。録音も良くなかなか楽しめる。あまり録音に恵まれないこの曲だが、注目すべき演奏の一つと言っていいと思う。恐らくこの曲の初めてのデジタル録音だったと思われるが、どういう事情からかCD化されたのは1991年になってからのようだ。私が輸入盤店でこのディスクを偶然見つけたのもその頃だ。その後94年にIDC6805という番号で国内盤が出たことが一度ある。

 カップリングされているメノッティのヴァイオリン協奏曲も珍しく、リッチが現代作品の紹介に熱心だったことが伺える。メノッティのオペラ以外の作品は初めて聞いた(ちなみにWikiによるとメノッティとバーバーは同性愛者で、長い間同居していたらしい。アメリカ生まれのリッチはもしかしたらそのことを知っていてオマージュとしてこのカップリングで録音したのかも?)。

 このディスクはマイナーレーベルなのでもう入手は難しいと思っていたら、iTunesでネット販売されているのを見つけてしまった。ナクソス・ミュージック・ライブラリーで聞くこともできる。ぜひ聞いてみてほしい。

 香港One-Elevenというこれもマイナーレーベルから出ていた後者のディスクはやや速いテンポですっきりと弾いた演奏だが、残念ながら音質が良くなくリッチの演奏も音程が不安定で良い出来とは言えない。

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・バーバー:ヴァイオリン協奏曲 Op.14
 1981年12月15日
 レオニード・コーガン(ヴァイオリン)
 パーヴェル・コーガン(指揮)ウクライナ交響楽団

 コーガンがこの曲を弾いていたとは驚いた。この曲はハイフェッツがなぜか弾かなかったので巨匠世代のヴァイオリニストでこの曲を弾いたのはスターン(スターンもコーガンやオイストラフと同じウクライナ出身!)とルッジェーロ・リッチぐらいだと思っていた。

 コーガンはベルクのヴァイオリン協奏曲のソヴィエト初演を行うなど、新しい作品の紹介にも意欲的だったが、東西冷戦まっただ中のソヴィエトで敵国アメリカの現代作品をウクライナで演奏していたとは。これはソヴィエト初演だろうか? この進取の精神こそが数々のヴァイオリン作品を初演してきたヨアヒム−アウアー一派の末裔としての心意気なのではないだろうか。

 この気骨が何かのトラブルにつながったのでなければ良いのだが、コーガンはこの翌年の11月に58歳の若さで急死してしまう。66歳で急死したオイストラフ同様に演奏旅行中の客死だったそうだ。コーガンの4つ年上のスターンがアメリカに移住し2001年に亡くなったのと比べるとはるかに短命だ。

 またバーバーはこの演奏の1981年に亡くなっているのでこの演奏には追悼の意味もあったかもしれない。バーバーは1910年生まれなので昨年2011年は没後30年、一昨年2010年は生誕100年の記念イヤーだったのだが、全然盛り上がらなかったので私もうっかり過ごしてしまった.....

 ブリリアントの「コーガンエディション」はハチャトリアンが指揮した自作のコンチェルトや、スヴェトラーノフがピアノを弾いた(!)ラフマニノフなど他にもいろいろ興味深い音源を発掘しているが、それらは追々紹介することにしてとりあえず曲目一覧を掲載しておこう。

CD1[72:04]
・モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 K.216
 1959年4月24日
 キリル・コンドラシン(指揮)国立交響楽団

・バッハ:ヴァイオリン協奏曲 BWV.1041
 1962年11月3日
 キリル・コンドラシン(指揮)モスクワ・フィル

・バッハ:ヴァイオリン・ソナタ BWV.1014
 1947年10月21日
 ヴラディーミル・ヤンポリスキー(P)

・パガニーニ:カプリース第9番
 1953年2月17日

・パガニーニ:カプリース第23番
 1953年2月17日

・ブロッホ:『ニーグン』
 1947年10月21日
 ヴラディーミル・ヤンポリスキー(P)

CD-2[69:50]
・デニソフ:ヴァイオリンと室内オーケストラのためのパルティータ
 1981年5月9日
 パーヴェル・コーガン(指揮)管弦楽団

・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 Op.99
 1959年4月24日
 キリル・コンドラシン(指揮)モスクワ・フィル

・サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチョーソ
 1951年11月1日
 アレクサンドル・ガウク(指揮)大交響楽団

CD3[66:31]
・ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 Op.47『クロイツェル』
 1952年5月30日
 グリゴリー・ギンズブルグ(P)

・ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 Op.96
 1975年1月4日
 サミュエル・アルミアン(P)

CD4[66:59]
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 Op.35
 1950年10月1日
 ワシリー・ネボルシン(指揮)モスクワ放送交響楽団

・チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ Op.34
 1952年5月29日
 アレクサンドル・ガウク(指揮)モスクワ放送交響楽団

・チャイコフスキー:メディテーション
 1960年10月3日
 キリル・コンドラシン(指揮)ソ連国立交響楽団

・ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第5番 Op.37
 1952年2月22日
 キリル・コンドラシン(指揮)国立交響楽団

CD5[65:47]
・ショーソン:詩曲 Op.25
 1980年1月9日
 パーヴェル・コーガン(指揮)ソ連国立交響楽団

・サラサーテ:カルメン幻想曲 Op.25
 1950年4月10日
 ワシリー・ネボルシン(指揮)大交響楽団

・ヴィエニャフスキー:伝説 Op.17
 1952年5月29日
 アレクサンドル・ガウク(指揮)モスクワ放送交響楽団

・バーバー:ヴァイオリン協奏曲 Op.14
 1981年12月15日
 パーヴェル・コーガン(指揮)ウクライナ交響楽団

・モーツァルト:アダージョ K.261
 1981年5月23日
 パーヴェル・コーガン(指揮)ソ連国立交響楽団

CD6[69:22]
・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 Op.61
 1970年12月27日
 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)モスクワ放送交響楽団

・ベートーヴェン:ロマンス第1番 Op.40
 1970年12月27日
 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(指揮)モスクワ放送交響楽団

・ベートーヴェン:トルコ行進曲
 1981年5月23日
 パーヴェル・コーガン(指揮)ソ連国立交響楽団

・クライスラー:ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
 1976年5月18日
 パーヴェル・コーガン(指揮)ソ連国立交響楽団

・ワックスマン:カルメン幻想曲
 1981年5月23日
 パーヴェル・コーガン(指揮)ソ連国立交響楽団

・マスネ:タイスの瞑想曲
 1980年1月9日
 パーヴェル・コーガン(指揮)ソ連国立交響楽団

CD7[68:03]
・ハチャトゥリアン:ヴァイオリン協奏曲
 1951年6月25日
 アラム・ハチャトゥリアン(指揮)モスクワ放送交響楽団

・ハチャトゥリアン:コンチェルト・ラプソディ
 1964年11月11日
 キリル・コンドラシン(指揮)モスクワ・フィル

・シマノフスキ:夜想曲とタランテッラ
 1953年5月23日
 アンドレイ・ミトニク(P)

CD8[70:44]
・グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第3番 Op.45
 1947年
 グリゴリー・ギンズブルグ(P)

・グリーグ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 Op.8
 1947年9月19日
 グリゴリー・ギンズブルグ(P)

・アルベニス:『イベリア』〜「港」
 1952年4月30日
 アンドレイ・ミトニク(P)

・アルベニス:「セヴィーリャ」
 1953年2月9日
 アンドレイ・ミトニク(P)

・ドビュッシー:巷に雨の降るごとく
 1978年1月17日
 ニーナ・コーガン(P)

・ヴュータン:ロンディーノ
 1947年
 ヴラディーミル・ヤンポリスキー(P)

・サラサーテ:マラゲーニャ Op.21
 1949年1月7日
 アブラム・マラコフ(P)

CD9[69:23]
・ラフマニノフ:ピアノ三重奏曲第2番『悲しみの三重奏曲』 OP.9
 1973年5月19日
 エフゲニー・スヴェトラーノフ(p)、フョードル・ルザノフ(vc)

・フレンニコフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 Op.23
 1977年5月1日
 エフゲニー・スヴェトラーノフ(指揮)ソ連国立交響楽団

CD10[67:35]
・フランク:ヴァイオリン・ソナタ(ヴァイオリン&オーケストラ版)
 1980年1月9日
 パーヴェル・コーガン(指揮)ソ連国立交響楽団

・シューベルト:幻想曲 D.934
 1975年1月4日
 サミュエル・アルミアン(P)

・シューマン:幻想曲 Op.131
 1953年
 アンドレイ・ミトニク(P)

 以上、すべて レオニード・コーガン(Vn)

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今年はハイフェッツ(1899年〜1987年)が亡くなって25年になる。

・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 Op.35(アウアー&ハイフェッツによる編曲版)

 ヴァルター・ジュスキント(指揮)フィルハーモニア管弦楽団
 1950年7月19-20日 ロンドン、EMIアビー・ロード第1スタジオ
http://ml.naxos.jp/album/8.111359

 フリッツ・ライナー(指揮)シカゴ交響楽団
 1957年4月19日、シカゴ・オーケストラ・ホール

 以上 ヤッシャ・ハイフェッツ(vn)

 奇しくもコーガンと同じ1950年にハイフェッツもこの曲を録音しており、これもコーガン盤と同様の(ただしそれに輪をかけた)アレンジを採用している。この版の華麗なアレンジは第一楽章の主題がオケに戻ってくる直前の4小節(123小節〜127小節、練習番号Eの5小節目〜)などにかなりはっきり出ているので聞き分けは容易だ。さらにハイフェッツはアウアー版に独自の装飾や、単音を重音にするなどの変更を随所に加えており、カデンツァのすさまじいことといったらまるで手品を見るようだ。

 おまけに第一楽章のオケの主題の後でヴァイオリンが戻ってくるまでの141小節から156小節のオケを端折るなどやりたい放題だ(ここはリッチの1950年の最初の録音でもカットされているのでこの時期の演奏では珍しくなかったようだが)。「チャイコフスキーの音楽はどこへ行った?」とか「せせこましくて騒々しい」という批判はあるだろう。私も前はそう思ったが、この演奏はハイフェッツの神技を聞くためのものでチャイコフスキーを聴く演奏ではないだろう。

 1950年と言えば、コーガンが翌年のエリーザベト王妃国際音楽コンクールで西側にデビューする前だ。バルト三国の一つであるリトアニア出身のハイフェッツは共産革命後のソヴィエトには戻らなかったはずなので、同門とはいえハイフェッツとコーガンの間に直接の親交があったとは考えにくい。このアレンジがアウアー門下に代々伝わる秘伝のアウアー版であることは間違いない

 元々チャイコフスキーはこの曲の初演をアウアーに依頼したが拒否されたというのは有名な話だ。その後アウアーはこの作品に独自に手を加えて演奏した。現在でも多くの演奏で採用されている第三楽章の慣習的なカット(同じ音型が繰り返される69小節〜80小節、259小節〜270小節、476小節〜487小節をカットする)もアウアーが始めたものだそうだ。このカットはRahter社から出版されているピアノ伴奏用の「アウアー編曲版」でも確認できるので追記した下記のURLを参照されたい(作曲者公認カットと注釈されている)

 1957年盤は初回の「名曲名盤」(83年)以来、破竹の6連覇を続ける名盤だ(アウアーとハイフェッツによる編曲版を使っていることはディスクに明記するべきだと思うが)。だがあまりに超絶な1950年盤と比べるとずっと大人しくなった感じの演奏だ。現在出ているステレオリビングシリーズのリマスターの効果は絶大で、音のこもった昔のCDとは別の演奏に聞こえる。それでも残響が少し長くてヴァイオリンの音が遠いため、ハイフェッツがさらに手をかけた凝ったアレンジの違いが聞き取りにくい。ハイフェッツとしても何となく乗り気薄に聞こえる。

 ハイフェッツがライナーやミュンシュと録音したのは同じ時期のベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーンだけだと思う。ハイフェッツはライナーやミュンシュのような大物指揮者よりも自分のペースで演奏させてくれる伴奏指揮者の方が乗り気がしたのではないだろうか。

 ハイフェッツのチャイコフスキーを聴くなら断然1950年盤だ。この曲の演奏としては全くお勧めしないが、ヴァイオリン芸術の一つの頂点を築く、強烈で記念碑的な演奏だ。ヴァイオリンファン限定でお勧めしたい。ハイフェッツ大全集でまとめて手に入れる以外にもNAXOSの復刻版なら単品でも入手可能だ。

(追記)
 IMSLPのこの曲の「Arrangements and Transcriptions」にライプツィヒのRahter社が1899年にピアノ伴奏用に出版したアウアー編曲版の譜面がアップされているのを見つけた。しかしハイフェッツ盤や、コーガンの1950年盤の演奏はこのRahter社のバージョンではないのだ。第一楽章の123小節目(練習番号Eの5小節目)の旋律が原曲と大きく変えられているのを聞けばそれはすぐに分かる。

 Rahter社によるアウアー編曲版は原曲の旋律にはあまり大きな手を加えずに、ダブルストップを単音に削るなど原曲より簡単する方向で編曲しているようだ。ハイフェッツやコーガンが弾いている門下生用のバージョンが原曲より難しくする方向に編曲し、旋律にも大幅に手を加えているのとは対照的だ。つまりこの曲の「アウアー版」には自分やハイフェッツなどのアウアー門下生が演奏するために原曲より難しく編曲したバージョン(恐らく未出版)と、一般向けに原曲より簡単に編曲したRahter社の出版譜の2種類があるようなのだ。
http://imslp.org/wiki/Category:Tchaikovsky,_Pyotr
(原典版)
http://erato.uvt.nl/files/imglnks/usimg/5/52/IMSLP18701-Tchaik_Violin_Concerto.pdf
(アウアー版)
http://erato.uvt.nl/files/imglnks/usimg/f/fe/IMSLP84757-PMLP03312-Tchaikovsky_Auer_Violin_Concerto_op35_Piano.pdf

 ハイフェッツの1957年のステレオ再録音ではオケのカットは減っているようだが(指揮はライナー)、ヴァイオリンのパートは1950年盤と同じ版を演奏しているようだ。興味深いことに、同じアウアー一門でもコーガンは1956年の再録音では旋律に大きな手を加えていないRahter社のアウアー版を用いているようだ。ハイフェッツが難易度の高いアウアーの門下生用(?)バージョン版に最後までこだわり続けたのとは対照的で興味深い。

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