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・ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章(第1楽章「ロシアの踊り」第2楽章「ペトルーシュカの部屋」第3楽章「謝肉祭の日」)
[収録]1965年ストックホルム
[映像監督]オーケ・ファルク(モノクロ)
http://www.youtube.com/watch?v=1aTDn93Mhso

・プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第3番イ短調Op.28、
・スクリャービン:左手のための夜想曲変ニ長調Op.9-2
[収録]1966年6月28日フランス国立放送スタジオ(パリ)
[映像監督]ジャン・ドゥ・ヌスル(モノクロ)

・ラフマニノフ:前奏曲変ホ長調Op.23-6
[収録]1969年9月25日フランス国立放送スタジオ(パリ)
[映像監督]ジャック・ピエール&ピエール・デフォン(カラー)

・ショパン:ピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58〜第3楽章「ラルゴ」
[収録]1968年10月13日フランス国立放送スタジオ(パリ)
[映像監督]ラウル・サングラ(モノクロ)

・ショパン:練習曲嬰ハ短調Op.25-7/ノクターン 嬰ハ短調(遺作)
[収録]1969年9月25日フランス国立放送スタジオ(パリ)
[映像監督]ジャック・ピエール&ピエール・デフォン(カラー)

 以上アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)


 助六さんがワイセンベルクのインタビューを翻訳して下さったので改めて記事に掲載しておこう。タイトルはラフマニノフについてとなっているが、実際は演奏とは何かという精神論が話題の中心で、ワイセンベルクが観念的な世界の中に生きていたことがよく分かる貴重な資料だ。
http://www.youtube.com/watch?v=b4XdtkDOX70



「もし響きの中で旋律の上に雲を漂わせることができれば−ある人たちはできます。例えばリヒテル。ロシア人じゃなくたってできます、一種特別なものが浮かび上がります。それは感動的なものですが、演奏上の気取りではなくて、自然で動物的なものです。ロシア的なものと言ってもよいでしょう。ドイツの演奏家はずっとアカデミックです。もちろんそれは素晴らしい。バックハウスが素晴らしいのはもちろんです。しかしドイツに典型的な明晰な演奏への意思は無駄なリスクを嫌います。

私はリスクを信じます。私がスラヴだからかも知れませんがそれは意識下のものです。私はリスクが好きですが、それはリスクがエキサイティングであり、目覚めさせるものだからです。目覚めれば遠くに行くことができます。頭の中で列車に乗ってどこでも行くことができます。そして遠くに行くほど、ノスタルジーに近づきます。ピアノを教えるのがとてもうまいロシア婦人たちのタンタカタンタカへのノスタルジーにです。

芸術家の大きな義務は、まず自分自身を知ること、それによって過剰なものを廃し、最良なものを表現することです。我々は音楽を発見するのではなく、音楽において自己を発見するのです。この区別は大変重要です。私にとって最初の言語はピアノです。最初の感情表現はピアノです。私は好きなら弾き、好きでなければピアノを弾けません。

私はヴラディゲロフに習い始めた時、私の内にある真実に無意識の内に気付きました。つまり成功しようがしまいが、こうして常にピアノを弾くことです。常によりよく弾き、誰かをよりよく感動させようとすることです。最初から−それは50年後の今でも変わりませんが−私がステージに上るのは誰かに何かを与えるためです。

自分をひけらかしたり、会場に3千人の聴衆がいることを感じるためではありません。演奏会場には常に音楽を愛し音楽を必要としている人が1人いると思います。その人はコンサートを通じて気分を向上させることが必要だから会場に来ているのです。馬鹿じゃなければ、その1人のために地球の果てに旅する意味があることが分かります。そしてそれは強迫観念になるのです。」



 ワイセンベルクが楽壇に復帰するきっかけとなったのがこのペトルーシュカの映像だ。クラシカジャパンの番組によると、オーケ・ファルク監督による映像には後撮りのはめ込みも行われており、たった15分の作品の収録に10日を費やしたそうだ。そしてこの映像がカラヤンの目にとまり、「このピアニストと映像監督に会いたい」とカラヤン側が希望したらしい。1967年のカラヤンとワイセンベルクのチャイコフスキーの凝りに凝った映像を撮影したのもこのファルク監督だったのだ。

 カラヤンは1965年11月〜1967年1月にクルーゾー監督と5本の作品を作ったところで袂を分かったのでちょうど新しい監督を探していた時期なのかもしれない。しかし結局カラヤンは自分の映像を自分で監督するようになり、その後の作品でファルクの名前がクレジットされているのはコソット主演のカヴァレリア・ルスティカーナの映画だけのようだ。

 凝ったカメラアングルや照明によりワイセンベルクのピアニズムを視覚的に強調したファルク監督の映像はチャイコフスキーよりも成功しているように思う。モノクロの映像も今にして見返すとかえって効果的ではないだろうか。面白い映像だと思う。ユーチューブで見ることができるのでぜひ見て頂きたい。私が持っているDVDには晩年のワイセンベルクがペトルーシェカについて語ったインタビューも収められており、これもユーチューブで見ることもできる。英語の字幕がついているので追々訳してみようと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=9U78w0IY7GA

 ペトルーシェカ以外にプロコフィエフ、スクリャービン、ラフマニノフ、ショパンといった得意の作品も映像で見られる。特にプロコフィエフのソナタ3番は以前「20世紀の偉大なピアニスト」という2枚組シリーズでCD化されたことがあり、爆速の快演として一部のマニア間で話題になっていたものだ。

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