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ヴェルディ:歌劇『椿姫』全曲[1853年初演版]
ヴィオレッタ:パトリツィア・チオフィ
アルフレード:ロベルト・サッカ
ジェルモン:ディミトリー・ホロストフスキー
フローラ:エウフェミア・トゥファーノ
アンニーナ:エリザベッタ・マルトラーナ
フェニーチェ座管弦楽団&合唱団
ロリン・マゼール(指揮)
演出:ロバート・カーセン
2004年11月18日、ヴェネツィア、フェニーチェ座でのライヴ収録
http://www.youtube.com/watch?v=UbtcmXI9Fho
この演奏は椿姫が1953年3月にフェニーチェ座で初演された際のバージョンを復元したものだ。ヴェルディは1年2ヶ月後の再演に際して、改訂した部分の手書きフルスコアを差し替えて破棄したらしい。このため初演版の復元はフェニーチェ座に残されていた写譜から行われた。復元部分はリコルディの新しいクリティカルエディションの楽譜に付録として掲載されているそうだ。ちなみにヴェルディは初演を失敗と捉えていたようだが、実際は9回もの上演が行われ、その後ローマからも上演要請が来ているなどの点から、ヴェルディが満足する内容ではなかったものの大失敗ではなかったと考えられる。
細かい違いは結構あるようだが、耳に付く主な違いは3点ある。1.2幕1場のジェルモンのアリアの後のカバレッタが現行版と異なる。全体的に現行版より高い旋律になっていて長さも長い。現行版は再演でジェルモンを演じた歌手の声域に合わせて低めに修整されたらしい。2.2幕2場のフィナーレ、アルフレートが札束を投げつけた後でヴィオレッタが現行版と異なる高い旋律を歌う。長さも長い。3.3幕で「パリを離れて」のデュエットの後からジェルモンが登場するまでの間の音楽が歌詞も旋律も現行版と異なり、調性も半音高くなっている。
正直なところ現行版より特に優れていると思った点はなかった。ヴィオレッタの2つのアリアには特に手は加えられていないと思う。いずれも2番(第二節)まで歌っている。カーセンの極めて現代的な演出は残念ながら私の趣味には全く合わない。歌手も頑張っているとは思うがこの人でなければと思うには至らない。マゼールの個性的な指揮もイタリアオペラっぽくはなく、資料的な価値は大きいが一般にはお勧めしにくい演奏だと思う。
だが、ヴェルディの改訂癖が中期作品の段階で既に始まっていたという事実は、その後の作品の度重なる改訂を考える上で重要な示唆を与えるものであり、作曲者の原意を知る上で貴重な資料ではある。
(追記)
なお、チョフィには通常版によるオランジュでの2009年の映像もあって、歌はこちらの方が良いように思うが、1幕アリアの2番はカットしている。2004年の演奏はやはり指揮者の指示だった可能性が高い。
Violetta Valery : Patrizia Ciofi
Flora Bervoix : Laura Brioli
Annina :Christine Labadens
Alfredo Germont : Vittorio Grigolo
Giorgio Germont : Marzio Giossi
Orchestre Philharmonique de Radio France
Conductor : Myung-Whun Chung
Producer : Frédéric Bélier-Garcia
11 Jul 2009
http://www.youtube.com/results?search_query=traviata+ciofi+2009+atto&sm=3
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