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R.Strauss:Salome
Hans Beirer | Herodes
Gertrude Jahn | Herodias
Leonie Rysanek | Salome
Bernd Weikl | Jochanaan
Josef Hopferwieser | Narraboth
Axelle Gall | Ein Page der Herodias
Heinz Zednik | Erster Jude
Wolfgang Witte | Zweiter Jude
Kurt Equiluz | Dritter Jude
Karl Terkal | Vierter Jude
Reid Bunger | Fünfter Jude
Heinrich Hollreiser | Dirigent
Boleslaw Barlog | Inszenierung
Jürgen Rose | Bühnenbild und Kostüme
(1980年10月、NHKホール)
http://www.youtube.com/watch?v=G2VED30EM8g
これは見つけ物だ! ウィーン国立歌劇場初来日時のバルロク演出、ローゼの舞台・衣装によるクリムト風サロメをついに見ることができた。この舞台は1972年の初演以来40年に渡って現役を続ける長寿プロダクションで昨年日本でも再演された。青いライトによる暗目の舞台で金色にキラキラした感じは思ったよりもしなかったが、この作品に対する一つの模範的・究極的な回答だと思う。長寿を続けている人気が分かったような気がする。
この80年の時点ですでに初演メンバーは主役のリザネクのみになっており、ヘロデはホップからバイラーへ、ヨカナーンはヴェヒターからヴァイクルに代わっているが、いずれも初演メンバーに劣らない素晴らしい歌唱だ。初演時のライブ録音は以前紹介したが、特にヘロデはホップだと少し正気に聞こえるのでサロメに取り憑かれた感じがするバイラーの歌唱は大変好ましい。
リザネクがウィーンでサロメを歌ったのはこのプロダクションが最初で、72年の初演以来38回歌った。この1980年の来日公演では歌も演技も十分体に染みこんだサロメになりきっている。サロメは昔は手を上げてぐるぐる回っているだけの演奏も普通だったそうだが、この演出では明らかに振り付け師が踊りをつけていると思う。下に白いレオタードのようなものを着ていて素っ裸にはならないのだが、それを知っていても「あと2枚」などと枚数を数えている自分が情けないが(笑)、そのくらい妖艶な演技だ。ヨカナーンとキスをするシーンが控え目なのを除けば現代の演出と比べ何も劣らない。
リザネクは来日公演で3回歌ったが(アームストロングとのダブルキャストだった)、それ以後は翌81年に4回歌っただけでサロメを卒業してしまったので、この映像はその意味でも大変貴重だ。ちなみに余談だが、ウィーンの公演記録によるとリザネクの出演回数は「ばらの騎士」の元帥夫人の61回(!)とトスカの53回(!!)が突出して多いのが大変興味深い
http://db-staatsoper.die-antwort.eu/search/person/2473
ホルライザーの指揮も大変的確で初演時のベームに劣らない。ホルライザーはカラヤンの「ばらの騎士」やベームの「フィガロの結婚」の予行演習となる公演を振らされて、下積み・下請けの印象が強いが、大変な実力者だったと思う。カラヤンやベームが不在でもウィーンが高い水準を維持できたのはホルライザーがいたからだ。私もウィーンの1989年の来日公演でパルジファルを聞いたが、実に巨匠風の説得力の強い演奏だった。
このサロメの映像は「フィガロの結婚」に続いてDVD化されるものとばかり思っていたが、それは未だに実現していない。翌81年のクライバーの「ボエーム」、「オテロ」と並んで後世に残さなくてはならない人類の遺産だ。
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