こだわりクラシック Since 2007

12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

・モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」

 伯爵:ガブリエル・バキエ、
 伯爵夫人:グンドゥラヤノヴィッツ、
 フィガロ:ホセ・ヴァン・ダム、
 スザンナ:ルチア・ポップ、
 ケルビーノ:フレデリカ・フォン・シュターデ、
 バジリオ:ミシェル・セネシャル
 バルトロ:クルト・モル
 アントニオ:ジュール・バスタン(Bs)
 マルチェリーナ:ジャーヌ・ベルビエ
 バルバリーナ:ダニエル・ペリエ(S)
 ドン・クルツィオ:ジャック・ロロー(T)

ゲオルグ・ショルティ指揮 パリ・オペラ座管弦楽団&合唱団
演出: ジョルジョ・ストレーレル
(1980年7月14日)
https://www.youtube.com/results?search_query=solti+figaro+1980

 助六さんとM.F.さんから頂いた情報をまとめておくと、この映像は73年から80年にパリ・オペラ座の総監督を務めたリーバーマンが就任お披露目公演として73年3月に制作した舞台を80年7月14日のお別れ公演で再演したものである。指揮と主要5役はポップのスザンナを除いて73年のプレミエ時と同じ顔ぶれだ。

 ストレーレル演出によるこのプロダクションは、プレミエの73年3月30日と4月2日のみヴェルサイユ宮殿劇場で上演され、4月7日からパリのガルニエ劇場に場を移して上演された。ヴェルサイユ宮殿での2回とパリの初日の計3回はショルティが振ったが4回目の公演からはマッケラスが指揮した。

 ヴェルサイユ2日間のオリジナル・キャストは、伯爵:バキエ、伯爵夫人:ヤノヴィッツ、フィガロ:ヴァン・ダム、スザンナ:フレーニ、ケルビーノ:フォン・シュターデで、パリの4月7日から伯爵がクラウゼに代わり(他のキャストはヴェルサイユと同じ)、この4月7日の公演は録音が残っている。

 オペラ座の黄金時代を築いたリーバーマン時代の象徴的演目となったこのプロダクションはお別れ公演の演目に選ばれ80年6月〜7月に再演された。映像に収められた7月14日の革命記念日までの最終3公演には73年3月のヴェルサイユでの初演時と同じ指揮者と主要5役を集める計画だった。しかしフレーニだけが参加しなかったためスザンナはポップが歌うことになった。

 さて、モーツァルトがイタリア語の台本で書いたオペラはドイツオペラなのか、イタリアオペラなのか、イタリア人歌手のイタリア的モーツァルトのとらえ方と、ドイツ人指揮者のドイツ的モーツァルトのとらえ方には大きな隔たりがあることを助六さんのコメントで指摘して頂いた。

 このプロダクションのスザンナ以外の顔ぶれを見ると指揮者はドイツ的モーツァルト、伯爵は微妙だがイタリア的、伯爵夫人はドイツ的、フィガロはドイツ的、ケルビーノは(ロッシーニも歌っているが)ドイツ的に分類できるだろう。スザンナは初演時のフレーニの後はストラータス、ポップ、コトルバスなどが歌っているが、フレーニ以外はドイツ的なモーツァルトに分類できる。フレーニだけがイタリア的なスザンナを歌っていたのだ。

 フレーニは映画「フィガロの結婚」(1976)でもスザンナを歌っているが、ここでも指揮者(ベーム)、伯爵(ディースカウ)、伯爵夫人(カナワ)、フィガロ(プライ)とドイツ的なモーツァルトの中にあってフレーニだけがイタリア的なスザンナを歌っている。(映画の演出かもしれないが)やや小賢しい演技を含めて周囲から浮いた感じがするのがフレーニのスザンナの特徴であり、私が映画を初めに見た際は少し違和感を覚えた点でもある。

 しかしショルティやベームだけでなくカラヤンも1974年のザルツブルグ音楽祭でスザンナにフレーニを起用している。フレーニは70年代後半にはモーツァルトを歌わなくなってしまったのでモーツァルト歌いというイメージは私には全然なかったのだが、70年代半ばまではこういうイタリア的なスザンナも広く認知されていたのだ。

 一方のポップは指揮者のドイツ的モーツァルトのスタイルからは全く外れることなく、哀愁を帯びた声と可憐なルックスのスザンナでフレーニと入れ替わるように一世を風靡した。ベームとの日本公演が放送された(後にDVD化)こともあって、ポップは日本におけるスザンナの標準的イメージを作り上げたと言って良いだろう。ちょこちょこ動き回るフレーニの動的なスザンナと比較すれば静的なスザンナだ。

 その両方を映像で見られる我々は大変なの幸運だが、このパリでの映像は余りにも貧弱でストレーレル演出のどこが素晴らしいのかをここから推測するのはなかなか難しい。ポップのスザンナを見るなら来日公演の映像の方が良いだろう。このDVDはもう廃盤になって久しいがもう少し良いリマスタリングで見ることができないものか。とはいえパリの舞台にフレーニが立ったらどうなるか、あるいは映画の方にポップが出ていたらどうなったかを頭の中で空想するのは楽しいものだ。

イメージ 1

歌劇『ラ・ボエーム』
 レナータ・テバルディ(ミミ)
 カルロ・ベルゴンツィ(ロドルフォ)
 ジャンナ・ダンジェロ(ムゼッタ)
 エットーレ・バスティアニーニ(マルチェッロ)
 レナート・チェザーリ(ショナール)
 チェーザレ・シエピ(コッリーネ)
 フェルナンド・コレナ(ブノワ/アルチンドロ)
 ピエロ・デ・パルマ(パルピニョール)、他

 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団&合唱団
 指揮:トゥリオ・セラフィン
 ステレオ録音 (P)1959
https://www.youtube.com/watch?v=3REvV4wvlb8

 これもベルゴンツィとバスティアニーニ、指揮はセラフィンの組み合わせというところまではDGのトロヴァトーレと同じだが、こちらはオケはローマ聖チェチーリア音楽院でミミはテバルディ、録音はデッカだ。テバルディはデッカ専属で録音も多く、特に「オテロ」などデル・モナコと組んだ録音で印象が強い。だがデル・モナコの余りにも個性的な歌唱がはまる役はオテロやカニオ(道化師)、アンドレア・シェニエなど一部の役に限られるというのが私の考えだ。本当の黄金コンビはこのテバルディとベルゴンツィの組み合わせだったのではないだろうか。

 プッチーニであればカラフ(トゥーランドット)にはデル・モナコの一直線な声も合っているが、テバルディの「トスカ」や「マノン・レスコー」はベルゴンツィと組んだ方が良い結果になったのではないかと私は思う。ヴェルディについても「トロヴァトーレ」や「運命の力」は、(それにできれば「仮面舞踏会」も)テバルディとベルゴンツィの組み合わせで聴いてみたかった。

 さてテバルディにとってミミは好きな役だったのか、あるいはレコード会社の要請か、51年のモノラル録音と59年のステレオ録音の2つがある。配役が揃っているのは59年盤の方だ。テバルディは60年代にはもうミミを卒業していたと思われるのでテバルディのミミとしては最後期になるだろうが、役柄を踏まえてあまり大柄な歌にならないように制御しているのが好ましい。

 ベルゴンツィのロドルフォは60年代の歌と比較するとやや力強さに欠ける気もするし、パヴァロッティのような天衣無縫な感じ、あるいは強い存在感はしないが、十分に若々しく、一途に思い詰める真面目な青年を演じている。バスティアニーニのマルチェルロも素晴らしく、3幕のミミとのシーンは泣かせてくれる。コレナがショルナールを歌っているのも豪華だ。レコードならではの配役かと思いきや、コレナは1951年〜1952年にはMETやトリノでもこの役を歌っていることが分かった。4幕に1曲だけあるアリアが泣かせる歌でコレナが好きな役だったようだ。

 セラフィンの指揮はここでも的確で歌心に満ちて歌手をじゃますることがない。この曲の有名なカラヤン盤も同じデッカの録音なのでこの演奏は損することが多く、国内盤はしばらく廃盤中だと思う。だが私はベルリンフィルの音が重たすぎるカラヤン盤よりもイタリアオペラらしさではこちらの方が上だと思う。難点をあげるとすればちょっと残響が付きすぎている録音だ(この時代のデッカのローマでの録音はみんなそうだが)。

 もっともっと多くの人に聴いて欲しい名盤だ。すでに50年以上前の録音なのでオペラ対訳プロジェクトがユーチューブに1幕の音源を公開している。

 (追記)
デッカのプロデューサーだったカルショウの手記「レコードはまっすぐに」によると、デル・モナコはこの素晴らしいボエームに加えてもらえなかったことを「地団駄を踏んで悔しがった」そうだが、私はベルゴンツィを選んだのは正解だったと思う。

全1ページ

[1]


.
検索 検索
たか改め「みんなのまーちゃん」
たか改め「みんなのまーちゃん」
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

友だち(5)
  • maskball2002
  • noriko
  • ミキ
  • サヴァリッシュ
  • 恵
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事