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プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』
レナータ・テバルディ(S:蝶々夫人)
カルロ・ベルゴンツィ(T:ピンカートン)
アンジェロ・メルクリアーリ(T:ゴロー)
フィオレンツァ・コッソット(MS:スズキ)
エンツォ・ソルデッロ(Br:シャープレス)
ヴィルジリオ・カルボナーリ(Bs:神官)
パオロ・ワシントン(Bs:僧侶)
オスカー・ナンニ(Bs:ヤクシデ)
リディア・ネロッツィ(MS:ケート・ピンカートン)、他
ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団&合唱団
トゥリオ・セラフィン(指揮)
録音:1958年7月、ローマ、サンタ・チェチーリア音楽院
https://www.youtube.com/watch?v=5KUWoFQJoV4
これも「ボエーム」同様にテバルディとベルゴンツィの組み合わせで指揮はセラフィンだ。この作品は蝶々さんが主役のプリマドンナオペラなので、テバルディはミミの時よりもぐっとスケールの大きい歌を聴かせ、蝶々さんの一途な強さを表している。
ピンカートンという役は受け身の存在であまり主体的ではないが、ベルゴンツィの歌はその線から外れず出しゃばり過ぎることはない。癖の強いテノールではうまくはまらない役だと言えるだろう。スズキには豪華にもコッソットを起用しており2幕の花の二重唱は聞き物だ。シャープレスは脇役だが重要な役なので、これがもしバスティアニーニだったらさらに、というのは無い物ねだりか。
この演奏も「ボエーム」同様、同じデッカがフレーニ主演のカラヤン盤を出していて、この演奏は割を食っている面があるように思う。カラヤン盤はフレーニの蝶々さんが素晴らしいがフレーニは恐らくこの役を舞台で歌ったことはなかったと思う。録音ならではの演奏を楽しめるのはCDの良いところだが、実際の舞台でも歌っている歌手の歌も聴きたいところだ。テバルディはMETなどでもこの役を歌っている。
ベルゴンツィ追悼企画で久しぶりにこの演奏を聴いてみたが、テバルディのスケールの大きな蝶々さんは改めて素晴らしいと思った。この演奏も50年以上経っていて、オペラ対訳プロジェクトがユーチューブに音源をアップしている。
(追記)
デッカのプロデューサーだったカルショーの手記「レコードはまっすぐに」によると、この録音はプロデューサーが日程に十分な余裕を持たなかったことが原因で途中からは休憩なしで録り直しなしの一発録りで録音されたそうだ。それでも「素直な音楽家たちだった」ことが幸いして結果はうまくいったそうだ。ミラノフやステファノなどが相手だったらこうはいかなかっただろうとのことだ。
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