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・J.シュトラウス2世:喜歌劇『ジプシー男爵』より入場行進曲
・ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『モダンな女』op.282
・J.シュトラウス:ガロップ『インド人』op.111
・J.シュトラウス2世:ワルツ『ドナウの乙女』op.427
・ヨーゼフ・シュトラウス:スポーツ・ポルカop.170
・スッペ:序曲『ウィーンの朝,昼,晩』
・ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ『思いやり』op.73
・J.シュトラウス2世: ワルツ『ウィーンかたぎ』op.354
・J.シュトラウス2世:ポルカ『破壊』op.269
・J.シュトラウス2世:突進ポルカop.348
・J.シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンの森の物語』op.325
・J.シュトラウス2世:トリッチ・トラッチ・ポルカop.214
・J.シュトラウス2世:爆発ポルカop.43
・ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ『短いことづて』op.240
・J.シュトラウス2世:ワルツ『美しく青きドナウ』op.314
・J.シュトラウス:ラデツキー行進曲op.228
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場バレエ団
ゲオルク・グラスル(ツィター)
ズービン・メータ(指揮)
収録:1990年1月1日、ウィーン、ムジークフェラインザール(ライヴ)
(音声のみ)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLTZwORRc91Ls4uuTiAS0ZSPPUkHL4I3mf
今年5度目のニューイヤーコンサートを指揮したメータが初登場した1990年の映像だ。NHKの今年の生中継の裏番組でクラシカジャパンが放送していたものだが私はこちらの方が面白かった。ソニーからCDで、DGからDVDがすでに出ているものと同一音源だが、今回の放送ではワイド画面にリマスター(アップコンバート)されている(画質は非常に良いとは言えないが)。
驚くべきことに5度目というのはボスコフスキー以降の指揮者では11回指揮したマゼールに続いて2番目に多い登場回数だ。縦に強くはねる縦振りの印象が強いメータだが(この点はクライバーに強く非難された)、音楽をウィーンで学んだだけあって最低限の品格は保っている。いつものようにしかめっ面で振るメータからクライバーのような優雅さは望むべくもないが、最近売れっ子のドゥダメルのように野暮ったくはなっていない。今年の演奏は巨匠風になってきた最近の芸風を反映しているが、メータらしい活きの良さを感じさせるのは最初の90年の演奏の方だと私は思う。
今年の演奏ではチェロを左手に、第2バイオリンを右手前に配置する古典的な両翼(対向)配置を採用しているが、この演奏ではチェロとビオラを右手に配置する(当時の)ウィーンフィルにとって標準的な配置を採用している。クライバーはこの前年1989年のニューイヤーコンサートで古典的両翼配置をすでに採用していたが、メータはこの時点ではそれを踏襲しなかったのだ。コンサートマスターには92年に事故死したゲルハルト・ヘッツェルが座っているのも懐かしい。彼がいたころのこのオケは、最近時々ある「ウィーンフィルらしさの押しつけ」がなくて好きだ。
音楽と直接関係ないが、この90年の演奏では美しく青きドナウで流れるバレエの映像が例年になく色っぽいのも特徴だ。肌色の肌着を着けていることは百も承知だが、お尻見せ放題でサービス満点だ(笑)。こんな衣装で踊ったのはこの年ぐらいなのではないだろうか。ウィーン気質で流れるバレエもクラシック・バレエではなくモダン・バレエ風だ。トリッチ・トラッチ・ポルカもコミカルだがクレジットによればこれもウィーンフォルクスオーパーではなくウィーン国立歌劇場バレエ団だそうだ。
ちなみにクライバーが指揮した1989年と1992年は美しく青きドナウにバレエの映像はかぶさらない。これは恐らく指揮者の要求だろう。1987年のカラヤン、2014年のバレンボイムもバレエの映像がかぶさる。今年のメータはバレエでなくドナウ川の映像がかぶさっていたが、この曲ぐらいは指揮をじっくり見せて欲しいと私は思っている。
また1987年のカラヤンまでは美しく青きドナウの前で指揮者が簡単なスピーチをするのが恒例だったが、この映像では簡単な新年の挨拶にとどまっており、この点は1989年のクライバーを踏襲している。恐らく1988年のアバドがスピーチを止めてしまったのではないだろうか。アバドもクライバーもシャイな人間なので指揮台でスピーチをすることを好まないだろう。
と音楽以外の部分に何かと目が行ってしまったが、いずれにしても懐かしい映像だ。
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