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オーケストラ

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 1968年11月にミュンシュがパリ管の初のアメリカ公演中に急逝した後、1969年秋からの2シーズンだけカラヤンが音楽顧問を務めた。カラヤンを招へいするというのが誰のアイディアだったのか、マルローが関与しているのかどうか知らないが、ミュンシュの死が突然だったため後任の選定と交渉には時間がかかったようだ。

・フランク:交響曲ニ短調
 パリ管弦楽団
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
 録音:1969年(ステレオ)

 カラヤンがBPOと他のオーケストラを掛け持ちしたのは後にも先にもこの時だけであり、かなり異例なことだ。奥さんがフランス人だからではないかとも言われたようだが、フレンチスタイルの管楽器をはじめとする当時このオーケストラが持っていた独特の魅力にひかれたのではないだろうか。BPOやVPOに似たオケであればわざわざかけもちで振る理由がない。

 カラヤンは1969年7月のエクサンプロヴァンスと8月のザルツブルグで幻想交響曲を3回振ってこのオーケストラと初めて共演した。10月にはミュンシュ追悼コンサートとしてシャンゼリゼ劇場でドイツ・レクィエムを3回演奏し(ソリストはヤノヴィッツとカーンズ)、11月に録音したのがこのディスクである。

 音楽顧問と言ってもその後パリ管を振ったのは1970年6月にフランクの交響曲を5回、7月にモーツァルトを1回、10月に幻想交響曲を3回、12月にR.シュトラウスのドンキホーテを3回、1971年6月にヴェルディのレクィエム(ソリストはフレーニ、ルートビッヒ、コスッタ、ギャウロフ)を4回、7月にチャイコフスキーのピアノ協奏曲を1回指揮しただけであり、パリ管とは合計23回の演奏会で共演したに過ぎない。音楽監督あるいは首席指揮者という肩書でなかったのはあまり多くの回数を振ることができなかったためだろう。

 しかし、カラヤンがフランクの交響曲を振ったのは1941年以来約30年ぶりであり、直後の1970年10月と1971年1月にはこの曲をBPOとも演奏していることから、カラヤンはパリ管との共演を通じてこの曲に再び関心を持ったのだろうと推測される(その後は一度も演奏しなかった)。フランス音楽でありながらどこかゴツゴツしてドイツっぽいこの作品はカラヤンとパリ管の共演にはうってつけだったようだ。このディスクはマルティノンの録音と並んでこの曲を代表する演奏と言っていいだろう。

 また、カラヤンとパリ管には70年6月に収録した幻想交響曲の映像もある。BSでも放送されたのでご覧になられた方も多いだろう。しかし、カラヤンの幻想はいつも過度に耽美的でテンポが遅くノリが悪いのが特徴だ。前年に3回演奏した後の映像のはずだが、ミュンシュの興奮がまだ忘れられないパリ管と息が合っていない箇所も散見される。映像に過度なクローズアップが多くフランチスタイルの管楽器をしっかり確認できないのも残念だ。例えば第五楽章でセルパンの代わりに用いられているユーフォニアム(もしくはチューバ?)は現在普通に見られる楽器とは明らかに異なるがどういう形なのかはっきり確認できないのでもどかしい。パリ管の70年代の映像は私の知る限りこれしかなく、カラヤンの幻想交響曲の映像もこれしかないので、そういう意味では貴重な映像だが、幻想交響曲についてはミュンシュの方が数段良い。

 一方でドイツ・レクィエムやヴェルディのレクィエムのようなドイツやイタリアの作品を敢えてパリ管と取り上げているのは、BPOやスカラ座と演奏する時とは別のこの作品の魅力をこのオケと引き出そうとしたためだろう。パリにウィーン楽友協会合唱団まで連れて行ったそうで、これはこの頃のフランスの合唱は下手だったからだろう。もし録音が残っているならぜひ聴いてみたいものだ。ヴェルディのレクィエムのソリストは1972年のBPOの録音と全く同一だ。

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 福島原発は世界各国のエネルギー政策に波紋を与えているが、原発廃止を決めたドイツと原発維持のフランスとの正反対の反応を見て、フランスは核保有国だということを改めて思い出す。フランスにとって核・原子力ビジネスを維持することは重要な国策なのだ。

 戦後のフランスでシャルル・ドゴール将軍の右腕としてドゴール政権の情報相と文化相を務めたアンドレ・マルローはフランスの核政策と文化政策に大きな影響力を与えた人物である。テレビで見たのだが、マルローの力によりドゴールは名画モナリザをケネディ政権下の米国に持ち出す「モナリザ外交」を世論の反対を押し切って実現し、その一方でフランスが核兵器を保有することを米国に黙認させた。
(番組紹介HP)
https://pid.nhk.or.jp/pid04/ProgramIntro/Show.do?pkey=001-20110610-10-04181

 マルローは5回訪日した親日家でもあったそうだが、フランスの核兵器保有になぜ反対しないのかという質問に対して、米国とソヴィエトの間でフランスが国際的な発言権を維持するには核を保有するしかなかったと述べたそうだ。モナリザは戦時中は南仏の修道院に疎開してヒトラーの略奪を逃れたそうだが、ドイツ軍に完敗してパリを陥落させてしまった苦い経験を持つフランスにとって軍事力の再整備は最優課題だったのだろう。

 しかし東西冷戦も終わった今、核を持つことの意味も変わってきているはずだ。日本は平和利用のみに核を用いてきたが、その安全神話も崩れ去った今、核とどのように向かい合うのか判断を迫られている。

・ドビュッシー:交響詩『海』
・ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
 パリ管弦楽団
 シャルル・ミュンシュ(指揮)
 録音時期:1967年11月14日
 録音場所:パリ、シャンゼリゼ劇場
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

 さて、パリ管弦楽団はそのマルロー文化相の提唱のもと、フランスの文化的威信をかけてベルリンフィルに匹敵するスーパーオーケストラを作ることを目的に、1967年にパリ音楽院管弦楽団を改組して設立された。このディスクはシャンゼリゼ劇場における創立コンサートのライブ録音を2009年になって日本のALTUSが復刻したものだ。解説によると団員106名のうち33名がパリ音楽院管弦楽団の出身、73名が新人や他のオケからの転出組だったという。

 ミュンシュとパリ管の幻想交響曲はこのコンサートの前月の10月にEMIがサル・ワグラムでスタジオ録音したディスクがありLP時代から決定盤の誉れが高い。パリ管は設立当時はフレンチ式の管楽器を用いており、EMI盤は独特の色彩がある良い演奏だと思う。ミュンシュとパリ管が翌1968年にEMIに録音したブラームスの1番も名盤とされるが、私はそれよりも幻想の方が録音も含めて数段上だと思う。

 それでもミュンシュのノリ自体はEMI盤よりもボストン響の旧盤(私が今聴いているのはリビングステレオシリーズでリマスターされた1954年盤)の方が良いのではないかとずっと思っていた。EMI盤は、レコードにするのだからきちんと演奏しなければ的な雰囲気をわずかに感じるのだ。あるいは指揮者もオケのメンバー同士もお互い初顔合わせだったので、やや慎重に手探りにならざるを得なかったのかもしれない。
(1954年盤は下記サイトでダウンロードできる)
http://public-domain-archive.com/classic/composition.php?album_no=382

 ところがシャンゼリゼ劇場で行われた創立コンサートのライブはかなり雰囲気が違う。ミュンシュが全く遠慮なしで煽りまくっている。録音はEMI盤と比べれば音の厚みには欠けるが十分鮮明で、ミュンシュのうなり声がかなり入っている。ミュンシュがこんなにうなる人だとは知らなかった。テンポもEMI盤より明らかに速くなり、ボストン響の1954年盤に戻ったかのようだ。しかし、楷書風にストレートに突っ走った1954年盤に比べて、パリ管とのライブはより緩急の変化が激しく即興的な草書風の演奏であり性格はだいぶ異なる。

 参考までに1954年以降の6種類のディスク(1963年のフランス国立放送管のライブ以外はいずれもステレオ録音)の演奏時間を挙げておく。ミュンシュの幻想はこれ以外にフランス国立放送管との1940年代のSP盤があるらしい。

ボストン響(1954) 13:23/6:12/13:56/4:30/8:39
ボストン響(1962) 13:57/6:25/14:59/4:24/9:14
フランス国立放送(1963L)13:25/5:50/13:06/3:52/8:31
ハンガリー放送響(1966) 14:13/6:46/14:06/4:38/9:59
パリ管(1967:EMI) 13:45/6:15/14:50/4:28/9:45
パリ管(1967:L)  13:13/6:17/12:49/4:10/8:51

 ミュンシュは60年代に入ったボストン響の末期の頃から細かい部分はオケに任せた自由なスタイルの指揮に変わったという話を聞いたことがある。そのためアンサンブル的にはややラフになることもあったそうで、1964年に日本フィルに客演して第九を演奏した際は第四楽章でフルートとティンパに以外は全員入りそこなうという珍事も発生したそうだ。しかしこのパリ管のライブではそういうトラブルはなく、名手を揃えただけのことはある。

 ベルリオーズの演奏ではガーディナーやノリントンのピリオド楽器による演奏もすでにメジャーになっているので、フルオケを使ってこんなにロマンティックな表情をつけた演奏は決してイマドキとは言えないだろう。しかし「国家の文化的威信をかける」ことが(多分)無くなってしまった現在、新しいオケを作ることに燃えた指揮者と団員のこの熱い演奏は、これからの文化を考える上で貴重な歴史の証言となるのではないだろうか。個人的にはパリ管がバレンボイム時代にドイツ式の管楽器に変えてしまったことを大変残念に思っている。

 なお当日はこのディスクの2曲の他に、ストラヴィンスキーのレクィエム・カンティクルスという声楽作品が演奏された。モントゥーやブーレーズなどストラヴィンスキーを愛好するフランスの指揮者は多いがミュンシュのストラヴィンスキーは珍しいと思う。曲が珍しいこともあってこれも聴いてみたいものだ。

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CD:
クーベリック指揮ベルリンフィル
(1973)

DVD:
クーベリック指揮バイエルン放送響
(1977)
クーベリック指揮チェコフィル
(1991)

 両翼配置の話を続けよう。第二バイオリンを右手前に、チェロを左奥にする19世紀型の両翼配置は最近見直されているようで、N響は今年サンティが指揮した演奏会でも4月10日のメータ指揮の第九でもこの配置を採用している(4月17日に放送予定)。またバレンボイムのピアノ弾き振りによる3月19日のVPOのコンサート(5月にBSで放送されるらしい)も予告を見た限りではこの配置になっているようだ。

 ドヴォルザークのチェロコンチェルトでサンティと共演した堤剛氏は「自分の楽器が普段より良く響いて聞こえた」とテレビで語っていた。私はこの演奏を生で聞いていないが実際そうだったのだろう。堤氏はオケの配置については一言も触れていなかったが、作曲家が望んだとおりの配置で演奏すればオケの音場が正しいステレオ感で後ろに広がる。しかも独奏チェロの真後ろでオケのチェロ群がバックアップすることになる。チェロは大きな楽器なのでオケの音に共鳴して良く鳴るのは当然だろう。

 現代オケの合奏能力は向上しているので指揮者にとって振りやすい配置に変更する必要は必ずしもない。21世紀のオケはクラシック音楽本来の19世紀型配置で演奏するべきだろう。左チェロがこれからの標準になることを期待したい。

 さて、DGはステレオレコードが大きく普及した60年代から70年代初めにかけてBPOを中心に一部バイエルン放送響などを使った交響曲大全集を録音した。カラヤンはベートーベン、ブラームス、メンデルスゾーン、シューマンを、ベームはモーツァルトとシューベルトを、ヨッフムはブルックナーを担当した。チャイコフスキーとシベリウスはカラヤンの4番以降の録音に他の指揮者による1〜3番を補完して完成された。クーベリックはドヴォルザーク、マーラーのほか、カラヤンとは別にシューマンの全集をBPOと先に録音している。

 クーベリックが1963〜64年にBPOと録音したシューマン全集では両翼配置を採用していないようだが、これはムラヴィンスキーのチャイコフスキーと同様に恐らくDGの意向だろう。しかし1966年の8番から始まったドヴォルザークの全集では第二バイオリンは右手前、チェロは左奥の19世紀型両翼配置を採用している。

 ドヴォルザークの交響曲は8番も9番もチェロの主題で始まるので聞き分けは容易だし、写真にもチェロが左に写っているので間違いない。カラヤンもベームもフルトヴェングラー型を踏襲したのでBPOの両翼配置は1922年にフルトヴェングラーがBPOの常任になって以来44年ぶりの快挙(あるいは珍事?)だったのではないだろうか。(クレンペラーが1964年と1966年にBPOに客演した際はどうだったのだろう?)

 クーベリックのドヴォルザーク全集は8番だけが66年に録音された。恐らくカラヤンが65年にVPOと録音したデッカ盤に対抗する目的だろう。後から全集に発展したということはこの8番は好評だったのだろう。残りは71年〜73年に一気に録音された。ドヴォルザークは当然のことながら両翼配置を前提に楽譜を書いている。弦の音の広がり感が増したようなみずみずしいサウンドだ。一方、管はカラヤンBPO盤よりも思い切り良く吹いていて、クーベリック盤を聞いた後にカラヤン盤を聞くと素っ気なく機械的に感じる。

 クーベリックとBPOの正規録音はドヴォルザークとシューマンの全集、それにベートーベンの3番ぐらいだと思うが共演は80年代半ばまで続いたようだ。団員か理事会の中に支持派がいたのではないだろうか? 84年にブルックナーの9番を演奏した際の海賊盤が存在するらしい。 
http://www.geocities.jp/descanso_sabatical/music/classical/bruckner/conductor/kubelik/kubelikindex.html

 一方、バイエルン放送響との映像はBPOとの録音から4年後の1977年のもので、チェコフィルとの映像はチェコが民主化してクーベリックが1990年に42年ぶりに帰郷し「わが祖国」を演奏した翌年1991年の演奏のものだ。いずれももちろん両翼配置で演奏している。クーベリックは1942年から亡命する1948年までチェコフィルの音楽監督を務めていたが、後任はアンチェルもノイマンもフルトヴェングラー型だったので、両翼配置は40年以上ぶりだったはずだ。ファゴットもトランペットも2本しかいない。倍管なしの純粋な2管編成だ。

 いずれも良い演奏だが、一番ローカル色が強いのがチェコフィルとの演奏で、一番スマートなのがBPOとの演奏、その中間がバイエルン放送響との演奏だろう。どれか一つと言われれば、やはり手兵のバイエルン放送響との演奏が一番指揮者の意図が徹底していると思う。クーベリックにとってドボルザークは重要なレパートリーであり、3度しかなかった来日(1965年と1975年のバイエルン放送響、1991年のチェコフィル)の際も、わが祖国しか演奏しなかった1991年以外は必ず演目に加えている。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/orch/page013.html

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CD
ベーム指揮ドレスデン国立管弦楽団
1979年
13:57/13:31/11:00/11:35
http://www.youtube.com/watch?v=_Ida6tmo_fU

DVD
ベーム指揮ウィーンフィル
1973年
13:53/14:12/11:24/11:31
http://www.youtube.com/watch?v=VqgylFLLZ18

 カラヤンやバーンスタインとの比較という点で言うと、ベームはシューベルトの交響曲にはるかに適性を持っている。DGがBPOの全集でカラヤンでなくベームを起用したのは当然の成り行きだろうが、私が昔からお気に入りだったのは1979年のドレスデンでのライブ録音だ。これは戦前の1930年代からドレスデン(当時はザクセン)国立管弦楽団と50年近い強い結びつきを持ってきたベームの恐らく最後の共演となった演奏なのではないだろうか。

 全盛期のドレスデンのオケを相手に精神的な強さと同時に優しさにあふれた演奏で、とても84歳の指揮者の演奏とは思えない。こういうシューベルトらしい演奏はなかなか聞くことはできなくなってしまった。このライブ録音がどういう経緯で発売されたのかは分からないが、ひょっとして商品化を希望したのベーム自身だったのではないだろうか。LPはベームの最後の録音となった第九と同時期に追悼盤として発売されたと記憶している。モダンオケによるシューベルトとしてはベストの演奏だろう。

 なお余談になるが、カラヤンがドレスデンで録音したマイスタージンガーは元々バルビローリが指揮するはずだったが、1968年のプラハの春事件に対するクーベリックの抗議に同調してバルビローリが共産圏での指揮をキャンセルしたものだったことが近年になって明らかにされた。この際に代役としてベームの名前も挙がっていたらしい。カラヤンとドレスデンは何のゆかりも無いので本来はベームの方が合っていたはずだが、カラヤンの方がレコードが売れると判断したのか、あるいはベームもクーベリックに同調して断ったのか分からない。

 DVDの方は2006年になって初めて商品化されたもので、80年頃にVHSで出ていたウィーン交響楽団との演奏(この映像も最近になってDVDで復活した)とは別の映像だ。これも期待に違わない名演だ。シューベルトにはBPOの硬質な音よりもVPOやドレスデンのような柔らかい音の方が合っていると思う。この曲はベームとVPOの1975年の来日時の演奏もCD化されていたが、NHKホールの乾いた音のせいもあってこの映像の方が聴きばえがする。こちらもぜひ聞いてほしい演奏だ。

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スイトナーは1922年にオーストリアのインスブルックに生まれた。現在は人口12万程度の田舎町で冬季五輪で有名なぐらいだ。しかし歴史的には14世紀から長くハプスブルグ家のお膝元だった重要な町で、マクシミリアン1世の頃は帝都が置かれていたこともある。1848年にウィーンで三月革命が起こった際も一時的に王宮がインスブルックに移されたそうで、ハプスブルグ家にとってはウィーン以上に安全な町だったのだ。

そういう町でスイトナーは生まれ、地元の音楽大学で指揮をクレメンス・クラウスに師事した。1941年には地元インスブルックの歌劇場で副指揮者のポストを得ている。真偽は定かでないがクラウスはハプスブルグ家の血を引く私生児だったようなので、スイトナーはこういう19世紀的な環境の中で育ったのだ。

オーストリア人のスイトナーが東ドイツで職を得たことを非難する声も旧西ドイツではあったようだが、スイトナーからすればたまたま自分のやりたい音楽を出来る環境がドレスデンと東ベルリンにあったということだけだったのではないだろうか? 別に西側世界から東ドイツに亡命した訳ではないのであまり政治的意図を持った行動だったとは思えない。恐らくハプスブルグ帝国の時代にはあったパトロンの姿を旧東ドイツの体制に見出したのだろう。あるいは急速に商業化していく西側の音楽界に背を向けて自分の音楽を追求できる環境を求めたのかもしれない。

クラウスの映像を私は見たことがないが、スイトナーのコンパクトに要領を得た指揮を見ているとなるほどクラウスの弟子というのもうなずける。R.シュトラウス作品を振って認められたという点も師匠ゆずりだが、残念なことにスイトナーのR.シュトラウスというのはあまり録音が残っていない。

このBOXはスイトナーの80歳を記念したもので、影のない女の組曲やメタモルフォーゼン、サロメが収められている。他にもレーガー、プフィッツナー、ヒンデミットなど、スイトナーが同時代の作曲家を積極的に取り上げていることが分かる。シュライヤーの魔女が珍しいヘンゼルとグレーテルが抜粋で全曲収められていないのが残念ではあるが、なかなか充実したセットだ。

CD1
ウェーバー:序曲集
・『オベロン』序曲
・『ペーター・シュモール』序曲
・『精霊の王者』序曲
・『プレツィオーザ』序曲
・祝典序曲
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1974年(ステレオ)

CD2
・チャイコフスキー:弦楽セレナーデ
・フォルクマン:弦楽セレナーデ第2番
 シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1962年(ステレオ)

CD3
・ドヴォルザーク:交響曲第4番ニ短調 Op.13
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1980年(ステレオ)

・ドヴォルザーク:交響曲第5番ヘ長調 Op.76
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1977年(ステレオ)

CD4
・ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 WAB.105
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1990年(ステレオ)

CD5
・ヴォルフ:交響詩『ペンテジレア』
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1980年(ステレオ)

・プフィッツナー:劇付随音楽『ハイルブロンのケートヒェン』Op.17
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1982年(ステレオ)

・R.シュトラウス:『影の無い女』交響的幻想曲 Op.65
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1970年(ステレオ)

CD6
・ヒンデミット:『ヴェーバーの主題による交響的変容』
 シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1967年(ステレオ)

・R.シュトラウス:『メタモルフォーゼン』
 シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1966年(ステレオ)

CD7
・モーツァルト:コンサート・アリア集
 シルヴィア・ゲスティ
 シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1970年(ステレオ)

CD8
・レーガー:『バレエ組曲』Op.130
・レーガー:『古風な様式による協奏曲』Op.123
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1972年(ステレオ)

・レーガー:『ベートーヴェンの主題による変奏曲とフーガ』Op.86
 シュターツカペレ・ベルリン
 録音:1971年(ステレオ)

CD9
・フンパーディンク:『ヘンゼルとグレーテル』抜粋
 シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1969〜70年(ステレオ)

CD10&CD11
・R.シュトラウス:『サロメ』全曲
 クリステル・ゴルツ
 エルンスト・グートシュタイン
 ヘルムート・メルヒェルト
 ジヴ・エリクスドッター
 シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1963年(ステレオ)

 オトマール・スイトナー(指揮)

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