こだわりクラシック Since 2007

12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

オーケストラ

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 前のページ ]

イメージ 1


ジョルジュ・プレートル指揮パリ音楽院管弦楽団
オルガン:モーリス・デュリュフレ
1964年頃の録音

オデュッセウスさんのブログと連動企画。かなり久しぶりに聴いたプレートルの旧盤の印象は昔と大分違った。

手元にあるこの曲のディスクは以下の5種類だ。オケの音色やテンポ以外に、教会での演奏かコンサートホールでの演奏か、オルガンを別録りで合成するか同時に収録するかといった要素で聞こえ方は大きく変わる。

ミュンシュ/ボストン響、ザムコヒアン(1959)
プレートル/パリ音楽院管、モーリス・デュリュフレ(1964)
マルティノン/フランス国立放送管、マリー=クレール・アラン(1970)
カラヤン/BPO、コシュロー(1981)
小澤征爾/フランス国立管、ルフェーブル(1986)


カラヤンの録音以降、この曲はまるでホルスト「惑星」のようにオーディオ・マニア向けのショーピースになってしまった。カラヤン盤はノートルダム寺院のオルガンを別録りで合成している。レコードで初めて出た際はオルガンのレベルが特に高く、レコード針がビリビリ鳴って「まるでテラークの1812年だな」と思ったことを覚えている。その後OIBP化されてバランスはだいぶ良くなった。(たまにオルガンをガンガン聴きたいときもあるのでこのディスクはなかなか手放せない....)

残りの4つの演奏はすべてフランス系の演奏だ。遅めで重厚なカラヤン盤と比べればいずれも速めのテンポだ。この曲の楽譜には比較的細かくメトロノーム指定が書かれている。第一楽章(8分の6拍子)の主題部は、2つ振り(1.5拍)で72だ。結構速いテンポを指定している。私はここは3つで振るのかと思っていたが、もし3つで振れば1拍=108だ。

第一楽章の楽譜は下記のサイトを参照
http://www.dlib.indiana.edu/variations/scores/aef8378/large/sco10001.html

フォーレもそうだが、この時代のフランスの作曲家はドイツの作曲家と比較してメトロノーム指定を割に細かく指定している。これはフランス流のスタイルを重視する傾向が強いからではないかと私は考えている。現在では楽器の音量や演奏会場の大きさの違いなどがあるにせよ、これらの指定を大きく逸脱しないテンポで演奏する必要があるだろう。

ブラームスやワーグナー、ブルックナー、マーラーなどこの時代のドイツの作曲家はメトロノーム指定をそれほど残していない。ブラームスとワーグナーは良く比較されるが、メトロノームを楽譜に持ち込まなかったという点で大きく共通しており、やはりこの時代のドイツ音楽を代表していると私は考えている。

例えばブルックナーの交響曲第四番の第一楽章には「”Bewegt, nicht zu schnell”(生き生きと、しかし急ぎすぎず)」という、およそ速度指定とは思えない指定しか書かれていない。「生き生きと、しかし急ぎすぎない」テンポであればどのようなテンポで演奏しても良いのだ。チェリビダッケが80分近くかけて演奏したこの曲を聴くにつけドイツ音楽の懐の深さを感じざるを得ない。

しかしフランス音楽は違う。フランス音楽を振るにはスタイリッシュでなければいけないのだ。必要以上に遅いテンポや厚ぼったい音色で塗りたくってはいけない。しかし残念なことにフランス流のこの曲の演奏は市場では少数派になってしまった。

ミュンシュはお国ものになるとさすがに聞かせる。ブラームスの演奏などは世評は高いが、腰が据わらないし、ティンパニはアレンジしてあるので私は感心しない。この録音はさすがに古くなったのであまり聞く機会はなくなったが、最近SACDも出ているのでそれを聞けばまた印象も変わるかもしれない。ボストンシンフォニーホールに備え付けのオルガンを使用。

マルティノンの1970年盤はレコード時代にこの曲のスタンダードな名演として長く親しまれてきたもの。古き良きフランスの香りを残したオケにバランスの取れた指揮、ほどほどに華やかなオルガン。教会ではなくフランス放送協会スタジオでの録音なので残響は控えめだが、この演奏はそれで良かったのではないだろうか。まずは申し分のない仕上がりだ。録音は基本的には良好だが、わずかにヒスノイズが耳につくようになった。この程度なら丁寧にリマスターすれば押さえられるはずだが。

小澤征爾のデジタル録音はシャルトレ大聖堂のオルガンを別録りで合成している点でカラヤンの演奏と似ているが、演奏ははるかにフランス流で好ましい。小澤征爾のドイツ物はベートーベンもブラームスも感心しない。しかしフランスのオケとよほど相性が良いのか、フランス物では見違えて伸びやかな演奏を聞かせるのが不思議だ。小澤を聞くならフランスのオケに限る。

さて、今回取り上げたプレートルのCDは彼の旧盤だ。新盤を1990年にウイーン響と録音しているが筆者未聴。新星堂が東芝EMIからのライセンスで発売したもので、その後も再発されていないようだ。レアなアイテムと言えるかもしれない。録音場所は不明だがオルガンは有名な作曲家・オルガニストのモーリス・デュリュフレだ。

私はこの時期のパリ音楽院管の音が大好きだ。パリ音楽院のこの曲の録音はこれ以外には1955年のクリュイタンスのモノラル盤しかないと思う。パリ管に再編された後もミュンシュ、カラヤン、ショルティの時代まではフランス式の管楽器を使っていたが、バレンボイムがドイツ式の楽器に変えてしまって音が変わってしまったのは大変残念だ。

パリ音楽院はこのCDでも爽やかかつ上品な演奏を聞かせていて大変好ましい。以前この演奏を聴いた時はオルガンの低音域のピッチがオケと合っていないように聞こえたが、久しぶりに聞き直してみるとそんなに悪くない(笑)。耳の許容範囲が広がったのか? 確かに低音は少しもっさりして聞こえるが、古い録音なのでそれは割り引いて考えよう。

このページで中古CDが売りに出されているようだ。
www2b.biglobe.ne.jp/~mae/clasical.htm

これはオケを教会に持ち込んでの録音なので、オケの音にも長い残響がつく点がカラヤンや小澤のような「別録り」録音と大きく異なる。教会の長い残響は演奏時にオケとオルガンを合わせる上でも障害になるので、単にきれいな音を録るなら別録りの方が楽なのは当然だ。

しかしこの曲は別録りされた録音を聞くために作曲されたものではない。生で演奏するために作曲されたのだ。指揮者には安易に別録りに逃げないで演奏してほしい。

プレートルは今年のニューイヤーコンサートを振って認知度が高くなったが、カラスのトスカやロス・アンヘレスのウエルテル(マスネ)、ギャウロフのファウストなどの録音、ドミンゴのホフマン物語の映像で知られるフランスの名匠だ。

同じフランスのプラッソンが水彩画風の淡い色彩の演奏をするのに対して、プレートルは時にドライブをかけるスピード感に特徴がある。高齢のためもうオペラは振らないと言っていたが、数年前にシノーポリが急逝した際はスカラ座のトゥーランドットを急遽代わりに振った。ますますの活躍を期待したい。

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 前のページ ]


.
検索 検索
たか改め「みんなのまーちゃん」
たか改め「みんなのまーちゃん」
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

友だち(5)
  • ミキ
  • noriko
  • maskball2002
  • サヴァリッシュ
  • 恵
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事