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・歌劇『外套』全曲
ミケーレ:フアン・ポンス(バリトン)
ジョルジェッタ:フレーニ(ソプラノ)
ルイージ:ジャコミーニ(テノール)、他
・歌劇『修道女アンジェリカ』全曲
修道女アンジェリカ:フレーニ(ソプラノ)
公爵夫人:スリオティス(メゾ・ソプラノ)
修道院長:グロリア・スカルキ(メゾ・ソプラノ)
修女長:エヴァ・ポドレス(メゾ・ソプラノ)、他
・歌劇『ジャンニ・スキッキ』全曲
ジャンニ・スキッキ:ヌッチ(バリトン)
ラウレッタ:フレーニ(ソプラノ)、他
フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
バルトレッティ(指揮)
録音:1991年8月、ヴェルディ劇場、フィレンツェ(デジタル)
ベルリーニ:歌劇《夢遊病の女》第2幕〜『おお花よ、こんなに早くしぼんでしまうとは』
プッチーニ:歌劇《ジャンニ・スキッキ》〜『わたしのお父さん』
プッチーニ:歌劇《修道女アンジェリカ》〜『母もなく』
マスカーニ:歌劇《友人フリッツ》第1幕〜『ほんのちっぽけな花々ですけど』
ベッリーニ:歌劇《カプレーティとモンテッキ》第1幕〜『おお、いくたびか』
ビゼー:歌劇《カルメン》第3幕〜『何の恐れることがありましょう』/
ヴェルディ:歌劇《ファルスタッフ》第3幕〜『秘密の抜け穴から』
ミュンヘン放送管弦楽団
イノ・サヴィーニ(指揮)
録音:1959年(ステレオ)
フレーニとスコットはデズデモナ(オテロ)、エリザベッタ(ドン・カルロ)、ミミ(ボエーム)、マノン・レスコー、リュー(トゥーランドット)、アドリアナ、フェドーラと言った多くのレパートリーで競合した。どちらが美声かと言われればそれはフレーニなのでスコットは実力の割に損をしたと言えるだろう。ただしフレーニの場合は蝶々婦人やトスカなど録音でしか歌っていないレパートリーも多い点は留意しなければいけないと思う。
フレーニのトスカはやや異質だし、蝶々婦人も実際の舞台ではむしろスコットのレパートリーだった。録音ならではのキャスティングというのは昔からあって、カラスのカルメンや蝶々婦人がそうだし、ディ・ステファノのマンリーコ(トロヴァトーレ)やシュヴァルツコプフのアリアドネも確か録音だけだと聞いた記憶がある。録音だけのレパートリーと実際の持ち役は分けて考えなければいけないと思う。マイナーな作品は本人が希望しても舞台で歌う機会がなかったということもありえるが少なくともメジャーな作品の場合は。
フレーニがこの三部作を舞台で歌ったかはどうかわからないが、外套はともかく、少なくともアンジェリカとラウレッタ(ジャンニ・スキッキ)は舞台で歌っていても不思議はないだろう。フレーニが1959年にオイロディスクに録音した初期のアリア集にもミカエラ(カルメン)やナンネッタ(ファルスタッフ)といった十八番ナンバーに並んでアンジェリカとラウレッタのアリアが収められているので、おそらくこの2役はレパートリーに入っていたのではないだろうか?
この1959年のアリア集は最近CD化されるまで私はその存在すら知らなかったが、フレーニはすでに安定した歌唱を示している。録音も良く楽しめるが、1991年の全曲盤では表現に幅と奥行きが加わって素晴らしい。正直この演奏を聴くまでアンジェリカは退屈な作品だと思っていたが考えを改めることにした。聞くだけで泣けてくる。この作品を食わず嫌いの方はだまされたと思って聞いて欲しい。こんな素晴らしい演奏が国内盤では廃盤中のようで残念だ。輸入盤はまだ入手可能だが対訳がほしいという人も多いだろう。
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