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ヘルマン・プライ

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あけましておめでとうございます!
今年こそはいい年にしたいものです。

アルマーヴィーヴァ伯爵…ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
伯爵夫人…キリ・テ・カナワ(ソプラノ)
スザンナ…ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
フィガロ…ヘルマン・プライ(バリトン)
ケルビーノ…マリア・ユーイング(メッゾ・ソプラノ)、他
カール・ベーム指揮ウィーンフィル
演出:ジャン=ピエール・ポネル
制作:1976年
https://www.youtube.com/results?search_query=figaro+ponnelle+

 フィガロ:ヘルマン・プライ
 スザンナ:ルチア・ポップ
 アルマヴィーヴァ伯爵:ベルント・ヴァイクル
 伯爵夫人:グンドラ・ヤノヴィッツ
 ケルビーノ:アグネス・バルツァ
 カール・ベーム(指揮)
 演出:ヘルゲ・トマ
 舞台装置・衣装:ジャン・ピエール・ポネル
 収録:1980年9月30日、東京文化会館(ライヴ)
http://www.youtube.com/results?search_query=bohm+figaro+1980

助六さんとkeyakiさんが貴重な情報を寄せてくださったのでここでまとめておきます。

・ウイーンのポネル演出はカラヤンが72年からザルツブルグで振っていたものを77年にカラヤンがウイーンに持ってきたもの
・ウイーンではカラヤンは77年5月と78年4月に振っただけでベームなど他の指揮者も振った(ベームは日本の4公演など海外を含めて15回)
・プライは東京公演前の80年2月にウイーンで初めてフィガロを歌い、これは日本公演に向けた予行演習だったと推測される。
・ベームは日本公演後の81年3月にウイーンで最後のフィガロを振ったが日本公演とはキャストは一部異なる(バルツァが出ていない。スザンナはマティス?)
・トマ演出のフィガロの結婚はドイツ国内巡業用のプロダクションで1979.10.18〜1982.5.17に27公演を実施した。ウィーン専属のローカルな歌手が歌った。
・ウイーン側の資料では日本公演はポネル演出だったことになっている。
・日本公演のトマ演出「フィガロの結婚」は基本的にはポネル演出の焼き直しで、ケルビーノを着替えさせる場面などはほとんどそのまま
・トマは80年のオランジュ音楽祭の「さまよえるオランダ人」も演出している

なるほど。76年の映画の印象が強いのでウイーンではベームが振っていたのかと思ったが、ザルツブルグでのポネル演出のフィガロはウイーンでも基本的にカラヤンのプロダクションだった訳だ。そうなるとなぜ76年の映画をカラヤンが振らないでベームが振ったのかという点も気になる。カナワ、フレーニ、ユーイング、モンタルソロはカラヤンのザルツブルグの舞台でも歌っているからだ。
鍵を握っているのはプライのフィガロなのではないだろうか? 1.ベームの76年の映画と2.80年の東京公演、3.カラヤンの78年の録音と4.助六さんがご覧になった80年のザルツブルグ音楽祭、5.ショルティの80年のパリの舞台と6.81年の録音という6つの演奏のキャストを比べるとかなりの割合でダブっていることが分かる。同時期に同じような歌手を3人で取り合っていたのだ。しかしプライのフィガロはベームの映画と来日公演だけだ。

      伯爵/伯爵夫人/フィガロ/スザンナ/ケルビーノ/バルトロ/マルチェリーナ/バジリオ
ベーム(76)ディースカウ/カナワ/プライ/フレーニ/ユーイング/モンタルソロ/ベッグ/ケレステン
ベーム(80)ヴァイクル/ヤノヴィッツ/プライ/ポップ/ヴァルツア/リドル/リロワ/ツエドニク
カラヤン(78)クラウセ/シントワ/ダム/コトルバス/シュターデ/バスタン/ベルビエ/ツエドニク
カラヤン(80)クラウセ/シントワ/ダム/ストラータス/シュミット(ユーイング)/モンタルソロ(フェラー)/ベルビエ/セネシャル
ショルティ(80)バキエ/ヤノヴィッツ/ダム/ポップ/シュターデ/モル/ベルビエ/セネシャル
ショルティ(81)アレン/カナワ/ラミー/ポップ/シュターデ/モル/ベルビエ/ティアー

そういえば有名な68年のDG盤でプライにフィガロを歌わせたのもベームだ。プライが舞台でフィガロを歌い始めたのは1980年になってからのようなので、DG盤と映画におけるプライのフィガロは当時はベームだけの特別なキャスティングだったのかもしれない。つまり76年の映画は初めからベームの指揮、プライのフィガロありきで作成されたもののような気がする。

ユニテルはすでに69年にベームとプライでコジ・ファン・トウッテを制作している(ようやくDVD化されたので別の記事に書いた)ので、その続編というのは十分にありえる話だろう。もしそういう話でなかったならカラヤンのことだから76年の映画もきっと自分で振りたがったに違いない。ちなみにプライはベーム没後の1985年にはミュンヘンでもフィガロを歌っているそうだ(サヴァリッシュ指揮、レンネルト演出、伯爵はライモンディ)。

日本公演のトマの演出は決して悪くない。きっと出演者は予行演習の時のポネル演出のつもりで動いているのだろう。DVDの解説書によると飛行機が遅れたプライはぶつけ本番の舞台だったらしいので演出をつけている時間すらなかったはずだ。こういう素晴らしい演奏を日本で実現してくれたベームに改めて感謝したい。

(追記:ポネルの76年の映画≒85年のメットの舞台はポネルの第二次演出であり、72年のザルツの舞台≒77のウィーンの舞台≒80年の日本公演とは別の舞台であることが85年のメットのDVDが出てから判明したのでそちらの記事も参照されたい)
http://blogs.yahoo.co.jp/takatakao123/38658435.html

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バリトン:ヘルマン・プライ
ピアノ:ヘルムート・ドイチュ
映像監督:フランツ・カベルカ
(ユニテル1984年)
http://www.youtube.com/results?search_type=&search_query=prey+schubert+winterreise&aq=f

プライの冬の旅の記事を書こうと思っていたがフランツさんに先を越されてしまった(笑)。フランツさんのおっしゃる通りプライのこの曲のCDは正規録音で4種類あるが、それとは別に実は映像用の収録が一つあって正規録音は5種類だ。

1.1961年のエンゲル盤(EMI)
2.1971年のサヴァリッシュ盤(Philips)
3.1984年のビアンコーニ盤(Denon)
4.1984年のドイチュ盤(ユニテルの映像)
5.1997年の鈴木行一編曲版(オーケストラアンサンブル金沢の自主レーベルCD)

1は声は若いがこの曲には甘すぎるように私は思う。2はLP時代に借りて聞いただけでその後は聞いていない。3はビアンコーニの伴奏がしっくりこない。5はオーケストラ編曲という面白い取り組みが注目されるが、一般的にはピアノ伴奏の方が落ち着いて聴けるという人も多いだろう。

というわけでなかなかしっくり来る演奏がなくて、個人的には1997年の最後の来日の際の放送の映像を大事にしていた。この1984年の映像はクラシカジャパンで過去に放送されたことは知っていたが、このたび私もようやく見ることができた。以前紹介した白鳥の歌のDVDと同時期の収録で映像監督も一緒なので録り方も一緒だ。家の中での収録なのでホール的な音響ではないが、親しみやすい雰囲気の映像だ(ただし曲の終わりでいちいじソフトフォーカスして曲間にシューベルトの自筆譜の映像を挿入するのはかえって煩わしいような気もする。白鳥の歌の映像ではこの手法は採用されていない)。

 私としてはやっとプライらしいこの曲の演奏にめぐり合えた。ただし伴奏はドイチュだ。願わくばホカンソンと録音して欲しかったところだ。プライはホカンソンとの相性が一番良かったように個人的には思うが、なぜかホカンソンとはこの曲だけは録音を残さなかった。クレジットによると美しき水車屋の娘の映像は1985年収録で、白鳥の歌は1986年だが、ひょっとしたら美しき水車屋と白鳥の歌で伴奏がホカンソンに替わったのはプライの希望だったのかもしれない。

ユニテルにはシューベルトの3大歌曲集以外に同時期の収録のシューマンのリーダークライスと詩人の恋の映像もあって別記事に紹介してある。伴奏はホカンソンだ。
http://jp.youtube.com/results?search_query=hermann+prey+schumann&search_type=&aq=f

NHKのアーカイブにはシューベルトを中心にかなりの映像が残っているようなのでこれもぜひDVD化を期待したい。
http://archives.nhk.or.jp/chronicle/search/?q=%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4

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 フィガロ:ヘルマン・プライ
 スザンナ:ルチア・ポップ
 アルマヴィーヴァ伯爵:ベルント・ヴァイクル
 伯爵夫人:グンドラ・ヤノヴィッツ
 ケルビーノ:アグネス・バルツァ
 マルチェリーナ:マルガリータ・リローヴァ
 バルトロ:クルト・リドル
 ドン・バジーリオ:ハインツ・ツェドニク
 ドン・クルツィオ:クルト・エクウィルツ
 バルバリーナ:マリア・ヴェヌーティ
 アントニオ:ワルター・フィンク
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 カール・ベーム(指揮)
 演出:ヘルゲ・トマ
 舞台装置・衣装:ジャン・ピエール・ポネル
 収録:1980年9月30日、東京文化会館(ライヴ)
http://www.youtube.com/results?search_query=bohm+figaro+1980

今年はプライの没後10年、ポップの没後15年に当たる。この演奏は私が全曲をFMとテレビで聞いた最初のオペラだ。正直筋書きは中学生の私には難しすぎて2、3割ぐらいしか理解していなかったと思うが、それでもこの素晴らしい演奏のおかげで私がオペラの道にはまり込む(道を踏み外す?)ことになる。その傾向は翌年のミラノ・スカラ座の初来日で確定することになる。

演出はポネルだと思っていたがこの時来日したのはトマで、ウイーンでの原演出がポネルということなっているようだ(舞台装置と衣装はポネルがウィーンで演出した際のもの)。ポネルとプライによる有名な76年の映画とは兄弟の関係にあるわけだが、興味深いのは舞台の雰囲気が76年の映画と80年の来日公演では映画とホールということを差し引いてもだいぶ異なることだ。

ウィーンでのポネルの舞台はカラヤンが振っていたザルツブルグの舞台を基本的にそのまま持ってきたものだが、76年の映画が中世のセヴィリヤの領主の宮殿の雰囲気を比較的忠実に表現しているのに対して、ウィーンでの演出はもっと明るく内装もきれいで、もっと後の時代のウィーンの宮廷という感じだ。また、映画のフィガロはヒゲをつけていて伯爵との対決色が強いが、80年の映像ではヒゲはつけているのは伯爵の方だ。伯爵がヴァイクルだということもあって対決色はそれほど強くない。映画版もユーチューブにたくさん掲載されているのでぜひ見比べてみてほしい。
http://jp.youtube.com/results?search_query=ponnelle+figaro&search_type=&aq=f

歌手は映画よりもこちらの来日公演の方が上だと思う。プライは1968年のベームとの録音でフィガロを歌ったが本来の持ち役は伯爵だ。DGがプライとフィッシャー・ディースカウ(F=D)との共演を望んだため録音用にフィガロに回ったもので、舞台では71年のザルツブルグ(ベーム指揮)や74年のスカラ座(アバド指揮)でも伯爵を歌っている。

ポネル演出のフィガロの結婚はカラヤンがザルツブルグで72年から80年に指揮した舞台が有名で、77年と78年にはウィーンでも同じ舞台を振っているが、カラヤンがフィガロで使ったのはワルター・ベリーとヨセ・ファン・ダムで意外なことにプライは歌っていない。keyakiさんが調べて下さったところ、プライがウィーンでフィガロを歌ったのは実は80年2月が最初で、これはこのDVDの来日公演のための準備だったと考えられる。

そのプライが映画やポネル演出の76年の映画でフィガロを歌っているのは、この映画が同じくポネル演出のロッシーニの「セヴィリヤの理髪師」の映画(1971年)と舞台の続編として企画されたためだろう。プライは80年代にはミュンヘンの舞台(レンネルト演出)でもフィガロを歌っているそうだが、恐らく70年代にポネル以外の演出ではフィガロを歌っていないのではないだろうか。ポネルとの出会いがなければ舞台でもフィガロを歌うということはなかったように思う。76年のフィガロの映画も、この80年の来日公演もフィガロの小気味良い舞台を見ると初めからプライを想定していたかのようだ。

この公演が初来日だったポップのスザンナもこれ以上ないはまり役だ。が、これも意外なことにザルツブルグのカラヤンの舞台ではスザンナを歌っていない。カラヤンのスザンナはほとんどの年でエディット・マティスが歌い、フレーニやストラータスが歌った年もある。(ちなみにヤノビッツとバルツァも言うまでもなくカラヤンファミリーだが、この曲はカラヤンとは演奏していない。カラヤンの伯爵夫人はハーウッドかトモワ・シントワ(1年だけカナワの年がある)、ケルビーノはベルガンサ、ユーイング、シュターデが歌った)

ポップのスザンナはこの映像と同じ80年のパリオペラ座の舞台(ストレーレル演出、ショルティ指揮)の映像がLD時代から有名だが、これはどうも画質が悪いので画質に優れたこのDVDの発売は大変歓迎される。そのパリの映像もユーチューブでたくさん見ることができる。
http://jp.youtube.com/results?search_query=popp+figaro+1980&search_type=&aq=f

それにしてもこの来日公演でポップとプライという黄金コンビをキャスティングしたのは誰なのだろうか? 多分ベームだろう。向こうでもなかなか見られない素晴らしい組み合わせでこの作品を見ることができた日本のファンは大変幸運だと思う。このソフトは日本語の字幕を焼き付けてしまってあって消せないためか海外では発売されていないようだ。

ポップは後年スザンナではなく伯爵夫人を歌い、亡くなる前年の1992年のバイエルン国立歌劇場の公演で私も見ることができた。ユーチューブで伯爵夫人のdove sonoを歌っている映像も見つけた。
http://jp.youtube.com/watch?v=gZMkPh8Ac1o

プライとポップはいずれも暖かみのある柔らかい声で相性はとても良いと思う。2人ともモーツァルトやR.シュトラウスを得意とし同時期のミュンヘンやウイーンで活躍したが、その割に録音で残された共演はそれほど多くはないのが残念だ。1975年の「こうもり」と「ロシア皇帝と船大工」、それにオルフの「カルミナ・ブラーナ」(1973)と「オルフェウス」(1974)ぐらいだろうか。

(追記)
ポネルのモーツァルトの演出をまとめて紹介しているHPを見つけた。ザルツブルグでのフィガロの舞台写真も載っている。この写真は「72年の演出をひとひねりした79年の舞台」とのことで、カラヤンが77年にザルツブルグからウィーンに持って行った舞台(このDVDの日本公演でも使われた舞台)とは舞台の大きさが違うことを差し引いてもなお、少し感じが違うものになっている。
http://www.ne.jp/asahi/sayuri/home/music/ponnellemozart.htm

また、ポネルが85年にメットで演出した舞台(88年のメットの来日公演と同一)の映像がDVD化されたので、メットでの演出とウィーンの舞台の違いを別の記事にした。そちらも読んでほしい。

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Prey Christmas Lieder
CORNELIUS: Weihnachtslieder op. 8 no. 1 - 6 · Vaterunser op. 2
WOLF: Auf ein altes Bild Schlafendes Jesuskind
Leonard Hokanson
(下記サイトに試聴あり)
http://www2.deutschegrammophon.com/webseries/?ID=christmas

ヘルマン・プライが贈るクリスマスソング名曲集
1. 神のみ子は年ごとに
2. もみの木
3. 子どもたちよさあおいで
4. なんとうれしい
5. 小さな鼓手
6. たのしげにしあわせに
7. 鈴がクリンゲリンゲリン
8. ホワイトクリスマス
9. ジングルベル
10. 小雪が舞う
11. 歓喜のこえたからかに
12. アデステ・フィデリス
13. きよしこの夜


あらゆる曲にぴったり合う声というのは無理な要求だ。以前パヴァロッティのページでも書いたが、個性の強い声であればあるほどぴったり合う曲や役の範囲は狭くなる。先日プライのロ短調ミサ曲は表情過多だと書いたが、プライはリヒターとはロ短調ミサ曲の映像以外にもヨハネを録音しており、またマタイをミュンヒンガーと、クリスマスオラトリオをヨッフムと、ロ短調ミサをクレンペラーと録音しているのだから当時はバッハのスペシャリストだったと言える。当時は多くの歌手がロマン派流のバッハを歌っていたのだ。

あらゆる曲に合いそうな声とスタイルとしてフイッシャー=ディースカウ(F=D)を挙げる人もいるだろう。F=Dは実際に膨大なレパートリーを録音したが、F=Dと言えども例えばフランス物などはそれほど合っているとは言えない。クリュイタンスとのフォーレのレクィエムは「名盤」扱いされているが、F=Dのドイツ流の真面目で厳しい歌はフォーレの柔らかさとは異質だと思う。私はひいきの歌手が歌っているものは何でもかんでも全て良いという盲目的な聴き方ではなく、それぞれの歌手の声や音楽性が最も生きる曲を選んで聞き分けることが重要だと思う。

さて、プライの温かくて柔らかく甘い声がピッタリくるレパートリーとして今日は2枚のクリスマスアルバムを紹介しよう。1枚目は今年初めてCD化された1971年録音のコルネリウスとヴォルフのクリスマスにちなんだ歌曲だ。フランツさんのブログで教えてもらった。盟友ホカンソンとの共演はここでも大変自然で、聴いているだけで優しい気持ちになれそうだ。この曲にプライ以上にあった声は私には全く想像がつかない。

もう1枚はクリスマスソングを集めたDVDだ。こういうポピュラーな曲にもプライの声はぴったりだ。ドイツ語訳のホワイトクリスマスまで歌っている。1985年に収録された映像は屋外ロケを音声に合わせたものだ。自伝にはこのロケの時の苦労話が書いてあるらしい。自伝を買い損なってしまった.....どこかで探さなくてはいけない。このDVDはプライが急逝した際に追悼DVDとして発売されたものだが、現在では入手できないようだ。

早くも没後10年になる。ベームとのコジ・ファン・トゥッテなどまだ商品化されていない映像はある。魔笛のパパゲーノの映像もどこかに残っていないかなあ。

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パパゲーノ:ヘルマン・プライ
パパゲーナ:レナーテ・ホルム
タミーノ:ステュアート・バロウズ
パミーナ:ピラール・ローレンガー
夜の女王:クリスティナ・ドイテコム
ザラストロ:マルッティ・タルヴェラ
モノスタトス:ゲルハルト・シュトルツエ
弁者:ディートリッヒ・フィッシャーディースカウ
武士(武装した男):ルネ・コロ、ハンス・ゾーティン、
ショルティ指揮 ウイーン・フィル
1969年

プライによる唯一のパパゲーノとして有名なこの録音は、68年にDGが録音したプライのフィガロの結婚の翌69年に録音された。ライバルF=Dとの競演になった点でも同様であり、ある意味デッカがDGに対抗した企画だったのかもしれない。どういう契約の事情からか、日本では相変わらずLONDONレーベルでフルプライスで販売されている。(同様のものにカラヤンのフィガロの結婚や蝶々夫人などがある)

プライの「フィガロの結婚」は76年のポネル演出の映画や80年の日本公演でフィガロを歌っているのでフィガロ役がおなじみだが元々は伯爵が持ち役だ。64年のスイトナー盤(ドイツ語)で伯爵を録音している他、舞台では74年のスカラ座などでも伯爵を歌っている。68年のDG盤や76年の映画ではF=Dが伯爵を歌うのでプライがフィガロに回ったと言われている。

しかし80年の日本公演では伯爵はF=Dではない(ヴァイクル)のでそれは物事の一面を表しているに過ぎないだろう。この時期に同じくポネル演出のロッシーニの「セヴィリヤの理髪師」でもフィガロを歌ったことと合わせて、ポネルとプライの2人で新しいフィガロ像を作り出したと考えるべきだと私は思う。

一方魔笛のパパゲーノはプライのデビュー当時からの当たり役の一つだが録音はこれが唯一だ。70年代にもザルツブルグのカラヤンの公演などでパパゲーノを歌っているのでどこかに映像は残っていないだろうか? タンホイザーのヴォルフラムも当たり役だった割に録音すら残っていない。パパゲーノは録音が残っただけでも良かった。

64年のDGの魔笛ではパパゲーノを歌ったF=Dがここでは弁者に回っており、フィガロの結婚とは逆の現象が見られる。F=Dは71年のハンブルクの映画でも弁者を歌っている。その後パパゲーノを歌ったことがあるかどうか調べる必要があるが、私はF=Dのパパゲーノは異質であり弁者の方がはるかに合っていると思う。つまりF=Dもプライも2人の競演を期に別の役に回ったことで結局はよい結果になったのだ。

さて、この魔笛にはコロとゾーティンも参加している。コロは残念ながらタミーノではなく第一の武士、ゾーティンも当たり役のザラストロではなく第二の武士だ。もしこのCDのタミーノがコロでザラストロがゾーティンだったら男声に関しては完璧なキャストだったろうに!

コロは翌70年にショルティのタンホイザーとカラヤンのマイスタージンガーで主役を歌い一躍有名になるのでこの録音はその伏線になったのかもしれない。コロとショルティはその後千人の交響曲、大地の歌、パルジファル、マイスタージンガーなどでも共演している。コロがタミーノの録音を残さなかったのは残念だ。

ゾーティンは64年からハンブルク州立歌劇場のメンバーになりドイツ国内では活躍を始めていた。68年のフィデリオ(ドンフェルナンド)、68年の魔弾の射手(隠者)、69年のロシア皇帝と船大工(市長)、70年のヴォツェック(医者)、71年の魔笛(ザラストロ)などの映画がDVDで発売されている。まだDVDになっていないがエレクトラ(オレスト)などの映画もあるそうだ。

ゾーティンが国際的な活躍を始めたのはグラインドボーンでの70年の魔笛(ザラストロ)、シカゴでの71年のドンカルロ(大審問官)、バイロイトでの71年のタンホイザー(領主)あたりからだろう。つまりこの録音は国際的に発売されたレコードとしてはゾーティンの恐らく最も初期のものだろう。その後ショルティとは86年の第九でも共演している。またバーンスタインのフィデリオやバイロイトのタンホイザーとパルジファル(それぞれ2種)など比較的多くの映像作品に出演している。
http://www.imdb.com/name/nm0815452/

このように第一の武士と第二の武士は若き日の大物が歌っていることも少なくないので要チェックだ。71年のハンブルクの魔笛のDVDでは第二の武士をクルト・モルが、82年のザルツブルグの魔笛のDVDでは第二の武士をクルト・リドルが歌っている。CDでは63年のDG盤ではジェームズ・キングとマルッティ・タルヴェラが、81年のハイティンク盤ではペーター・ホフマンとオーゲ・ハウグランドが歌っている。

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