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リートがマイブームで止まらない(^^;
今回紹介するのもお気に入りのディスク。エリー・アメリンクが1964年〜1968年にドイツ・ハルモニア・ムンディに録音した初期録音集だ。4枚組+写真集のボックスセット(輸入盤)で、曲目はコレギウム・アウレウムとのバッハやテレマン、ヘンデル、シェトラー(ピアノ)とのブラームス、デムス(ピアノフォルテ、資料によってはハンマーフリューゲル)とのシューベルトとシューマンだ。「グロッケンシュピールのよう」と謳われた20代(?)の声が収められている。
特に素晴らしいのがデムスとのシューマンだ。まだ少女っぽいあどけなさの残る声でひたむきに歌う歌とピアノフォルテの古風な音が絶妙にマッチしてその純朴さがたまらない。
歌曲集「ミルテの花」は言うまでもなくシューマンがクララに捧げた歌だが、1曲目の「君に捧ぐ」の抑えきれない気持ちの躍動をこれほど生き生きと表現した例は他にないと思う。聞いているだけで自分もうきうきしてうれしくなる。どこかくすぐったいような、あるいは懐かしいような不思議な感動を覚える。
Widmung 君に捧ぐ(リュッケルト)
Du meine Seele, du mein Herz,
Du meine Wonn', o du mein Schmerz,
Du meine Welt, in der ich lebe,
Mein Himmel du, darein ich schwebe,
0 du mein Grab, in das hinab
Ich ewig meinen Kummer gab.
君よ、私の魂よ、私の心よ
君よ、私の喜び、おお私の胸の苦しみよ
君よ、私の生きる世界よ
君よ、私が漂う空よ
おお君よ、私の嘆きを埋める墓よ!
Du bist die Ruh, du bist der Frieden,
Du bist vom Himmel mir beschieden.
Daß du mich liebst, macht mich mir wert,
Dein Blick hat mich vor mir verklärt,
Du hebst midi liebend über midi,
Mein guter Geist, mein beßres Ich!
君こそは安らぎ、君こそは平和
神が私に授けし人
君の愛ゆえに私は私にとって価値あるものとなり
君のまなざしは私を私自身に明らかにする
君の愛は私を私以上のものに高める
私の庇護者よ、より良い私よ!
シューマンは結婚の前夜にこの歌曲集をクララに捧げたそうだが、男の私としては「あっぱれ」としか言いようがない。カッコ良すぎる。男はぜひそうありたいものだ。
フリーの楽譜を見つけたのでこれも紹介しておく。(これは中声用に移調された楽譜なのでご注意)
http://www.dlib.indiana.edu/variations/scores/bgp0487/large/sco10003.html
シューベルトやブラームスも悪くないが、このディスクで次に良いのはバッハだろう。女声の優しさとボーイソプラノの素朴さを兼ね合わせたような歌とでも言ったらいいだろうか? コレギウム・アウレウムの演奏が古楽研究が進んだ今となってはやや古めかしいのを差し引いても一聴に値する素晴らしい演奏だと思う。このセットBOXは今では手に入らないようだがカップリングを変えて何曲かはまだ手に入るようだ。シューマンだけでもぜひ聞いてほしい。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1859789
(試聴サンプルあり)
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