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シューマン:レクィエム

Soprano: Malin Hartelius
Mezzo-soprano: Marjana Lipovsek
Tenor: Jonas Kaufmann
Bass: Frédéric Caton
Wiener Singverein
Wolfgang Sawallisch
Wiener Philharmoniker
Musikverein, Vienna, 27 7/2000
http://www.youtube.com/watch?v=kpEAenSKshk

ソプラノ:ヘレン・ドナート、ジュリー・カウフマン
アルト:マルヤーナ・リポヴシェク、ビルギット・カルム
テノール:トマス・モーザー
サヴァリッシュ指揮バイエルン放送交響楽団、合唱団
(1988)

 個人的にはサヴァリッシュは歌もので最高に本領を発揮していたと思う。オペラはもとより、コンサート指揮者としても独唱や合唱を伴う作品の方がオケだけの作品よりもより雄弁だったように思う(そのようなサヴァリッシュが歌曲のピアノ伴奏でも名手だったのは自然な成り行きだろう)。

 また同時に、コンサート指揮者としてのサヴァリッシュが特に力を入れたのがシューマンとメンデルスゾーンの作品だ。メンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」は有名な録音の他にN響とも2度演奏しているが、シューマンのレクイエムもサヴァリッシュ以外の演奏を聞いたことがないサヴァリッシュ固有と言っても良いレパートリーだ。サヴァリッシュが特別の思い入れを持っていたこの曲を追悼記事として紹介しよう。

 レクイエムはシューマン晩年の作品で148という作品番号は作品番号を持つ最後の曲になるそうだ。この曲がなぜほとんど演奏されないのか理由は存じ上げない。確かにレクイエムという曲に人が期待しがちなガツンとしたインパクトはなく、微温的で印象に残りにくい作品に聞こえるかもしれないが、シューマンがもしかしたら自らの死を予感しながら書いたかもしれないこの曲は敬虔な美しさに溢れている。カトリックの様式でラテン語によるレクイエムを作曲したのは晩年を過ごしたデュッセルドルフではカトリックが信仰されていたという事情もあるらしい。

 ユーチューブで2000年のウィーンフィルとのライブを見つけた。メゾは長らくサヴァリッシュのお気に入りだったリポヴシェクが歌っているが、ソプラノにはハルテリウス、テノールはヨナス・カウフマンという新しい世代の歌手を起用しているのが興味深い。1988年録音のCDは長らくこの曲唯一の国内盤で、輸入盤を含めても恐らく他にはクレー指揮のEMI盤があるぐらいだろう。2010年にシューマンの生誕200年を記念してDGが制作した35枚組BOXにはオラトリオ「楽園とペリ」や「ファウストからの情景」は入っているがレクイエムは入っていない。

 ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場の音楽監督だった時代の録音だが、エレクトラや影のない女の録音と同様に手兵のバイエルン国立管弦楽団ではなくバイエルン放送交響楽団を起用している。サヴァリッシュはバイエルン国立管弦楽団とは不仲だったとも伝えられるが、その一方でクライバーとバイエルン国立管弦楽団の来日ツアー(1986年)の実現に尽力した。歌劇場の公演と独立した単独ツアーに反対する声もあったそうだ。

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 今日の「頑張れ東北」シリーズは、これも駅中のテナントショップで見つけた青森の「黒ニンニク」だ。黒ニンニクとはニンニクを蒸し焼きにしてから発酵させて作った健康食品だそうだ。知らなかった。しっかり熟成されているのでにんにく臭さはなく、むしろ甘くフルーティーな感じだ。アミノ酸やポリフェノール等の健康成分を多く含み、抗酸化力が生にんにくの10倍になることが検査の結果証明されているそうで、確かに健康によさそうだ。

 さて、今日は舞台形式のオルフの「カルミナ・ブラーナ」および「カンタータ3部作」の演奏をまとめてみた。ショットから出ている「カルミナ・ブラーナ」のスコア(輸入版で5565円もした)には「Cantiones Profanae cantoribus et shoris cantandae comitantibus instrumentis atque imaginibus magicis」というラテン語の副題がついており、前半の「楽器で伴奏される独唱と合唱の為の世俗的歌曲」はすぐに理解できるが、最後の「atque imaginibus magicis」は難しい。「妖術的イメージを伴う」とでもなるだろうか。この作品が1937年の初演当時から舞台上演形式で演奏されていたのかどうか分からないが、作曲者は何かしらの視覚表現を伴う形式で上演することを期待していたと考えられそうだ。

 最初の写真はウィーン国立歌劇場がカラヤン時代の1957年に「カルミナ・ブラーナ」を含むカンタータ三部作をモダンバレエ形式で上演した際(レンネルト演出、ホルライザー指揮)の「カトゥーリ・カルミナ」だ。「カラヤンとウィーン国立歌劇場 ひとつの時代の記録」(アルファベータ刊)から引用させてもらった。カラヤン自身も1953年2月にカンタータ三部作をスカラ座で振っている(第三作「アフロディテの勝利 」はこの時が世界初演だった)。

 助六さんが調べて下さったところ、この時も舞台形式の上演で、カラヤン演出、ヨーゼフ・フェンネッカー美術だったそうだ。出演者はシュヴァルツコプフ、ゲッダ、パネライと合唱で、他にバレエ団などは加わっていないようだ。カラヤンがモダンバレエの演出をするとはちょっと考えにくいのでバレエ形式ではなくオペラ形式での上演だろうか? 1959年にはストコフスキーもニューヨークシティオペラで「カルミナ・ブラーナ」を舞台形式で上演しており、この曲が50年代にはすでに舞台作品のレパートリーに入っていたことは間違いない。

 日本で舞台形式での初演がいつだったのかも知りたいところだが、少なくとも私が知っているのは佐多達枝の振付によるオルフ祝祭合唱団の演奏(2番目の写真、1995年初演)と、デヴィッド・ビントレーの振り付けによる新国立劇場での演奏(3番目の写真、2005年初演)だ。残念ながらいずれも私は見たことがないので次の機会には見に行ってみようと思う。DVD化したりはしないのだろうか? 結構売れそうに思うが。上記の写真は下記HPから引用させてもらった。いずれも「妖術的イメージ」をよく表現していると思う。

オルフ祝祭合唱団(O.F.C)演出・振付 佐多達枝
http://homepage2.nifty.com/ofc/stageinfo201103.htm
指揮     船橋洋介
管弦楽    東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
独唱     針生美智子 五郎部俊朗 宮本益光
コロス    オルフ祝祭合唱団
児童合唱   落合少年少女合唱団
ダンサー   足川欽也 安達悦子 穴吹淳 石井竜一 宇山たわ 遠藤綾野 大関路佳
       奥田麻衣 黄凱 小出顕太郎 斉藤隆子 澤井貴美子 島田衣子 
       白石貴之 鈴木紗矢子 竹内祥世 多々納みわ子 田所いおり 樋田佳美
       友野潤子 中村明代 堀内充 堀口聖楽 松本直子
2004年8月7日 東京文化会館大ホール
http://www.youtube.com/watch?v=FQdgBZvs1OQ


新国立劇場 振付 : デヴィッド・ビントレー
2005年の公演
http://www.nntt.jac.go.jp/season/s271/s271.html
舞台装置・衣裳  : フィリップ・プロウズ
照明       : ピーター・マンフォード
舞台装置・衣裳提供: バーミンガム・ロイヤル・バレエ
指揮       : バリー・ワーズワース
管弦楽      : 東京フィルハーモニー交響楽団
合唱       : 新国立劇場合唱団
2010年の公演
http://www.atre.jp/10carmina/
雑誌の紹介記事
http://www.mde.co.jp/danza/book/027/#page=38

 4番目の写真はポップとプライが出演しているアイヒホルン盤の「カルミナ・ブラーナ」の記事で以前紹介したポネルが演出した映像作品だ。この映像はユーチューブにたくさんアップされており全曲見ることができる。zeq10という人がアップしたファイルが見やすいと思おう(字幕がうるさいが)。PAL版のDVDが以前出ていたがぜひNTSC仕様のDVDでほしい。
http://www.youtube.com/watch?v=Gj-tBVq61as
http://jp.youtube.com/results?search_query=Ponnelle+carmina&search_type=
http://www.ne.jp/asahi/sayuri/home/music/ponnelle.htm

 日本でプライとポップが1984年に演奏会形式(サヴァリッシュ指揮N響)で演奏した際の映像がユーチューブにアップされているのも見つけたのでついでに紹介しておこう。プライは気合いの入った名唱だしポップももちろんいい。この映像はNHKの放送の録画かと思ったら海外の字幕が入っているので驚いた。RTPとはどこの放送局だろう? サヴァリッシュが指揮したブラームスの「ドイツ・レクイエム」やメンデルスゾーンの「エリア」と共にNHKにぜひDVD化してほしい映像だ。
http://www.youtube.com/results?search_query=carmina+1984&aq=f

 さらにユーチューブを検索すると、バレエ版カルミナ・ブラーナの映像が99件も出てくる。世界中でバレエ化されているようだ。こんなにあるとすぐには整理しきれないので今日のところはこのままリンクを掲載しておこう。
http://www.youtube.com/results?search_query=orff+carmina+ballet&aq=f

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 明るい話題が乏しい昨今だが昨日のロイヤルウェディングは楽しめた。裏番組のスケート選手権も忘れて結局最後のバルコニーキスまで見てしまった。ウィリアム王子は目がダイアナ元妃にそっくりだ。自分の嫁さんでも母親の形見の指輪を渡すというのはなかなかできることではない。私はこの2人は別れないと思う。自宅前で気さくに握手に応じているのも気持ちがいい。日本の皇室もこのぐらい開かれていていいのではないだろうか。ケイト妃も謙虚で好感が持てる。

 ダイアナ元妃がチャールズ皇太子と共に1986年5月に初来日しダイアナブームを巻き起こしてからちょうど25年になる。1961年7月生まれなのでまだ24歳だったのだ。生きていればまだ49歳、早すぎる死は本当に残念だ。ダイアナ元妃の最大の功績はウィリアムに一般人としての感覚を教えたことにあると思う。ウィリアムが寝袋を持ってホームレスと一緒に寝たのにはさすがに驚くが、一般人、特に恵まれない人や病気の人の気持ちがわかるのはイギリス国民の共感を得る上でウィリアムの強みになるだろう。一般人のケイト妃と結婚したことをダイアナ元妃も喜んでいるに違いない。

 式典で演奏されていたウォルトンの「王冠」は1937年のエリザベス女王の即位を記念して作曲されたものだ。ケイト妃が付けていたティアラもエリザベス女王のものだそうだ。エリザベス女王はこのところの王室の支持率低下に苦慮していたそうだが素晴らしい後継を得て満足げだった。式典ではパリーのエルサレムも演奏されて、さながらプロムスのようだ。これがまさにイギリスらしさなのだろう。エルサレムはウィリアムの選曲だそうだ。大英連邦の宗主国であるイギリスの国家元首となる決意表明か。世界で見た何十億人かの人間がイギリスの未来は明るいと思っただろう。

 振り返って、日本らしさとは何なのだろう。日本ももう一度アイデンティティを再確認するべきではないだろうか。ウィリアムが見せたような明るいビジョンは示せないのだろうか。50年後に皇室が存続している可能性は恐らくイギリス王室より高いだろう。イギリスではウィリアムが即位しているだろうが、日本では浩宮皇太子の後を誰が継ぐのだろうか。女帝でも構わないと私は思うのだが。

 ロイヤルウェディングには日本の皇室の姿が見えなかったようなのも気になる。皇室は英国王室とは明治天皇以来のつながりがあるはずだが。まさか参席を自粛するということはないだろう。ウィリアム王子とケイト妃には早く来日してもらって幸せのおすそ分けをしてもらいたいものだ。

1 戴冠式行進曲「王冠」 (ウォルトン)
2 序曲「コケイン」 (エルガー)
3 トランペット協奏曲変ホ長調 (フンメル)
4 希望と栄光の国 (エルガー)
5 組曲「3人のエリザベス」〜グラミスのエリザベス (コーツ)
6 「イギリスの海の歌による幻想曲」〜第6・7・8番 (ウッド)
7 ルール、ブリタニア (アーン〜サージェント編)
8 エルサレム (パリー〜エルガー編)
9 イギリス国歌 (ブリス編)

チャールズ・グローヴズ指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
ジョン・バース(og)(3)
レイモンド・シモンズ(tp)(7)〜(9)
サラ・ウォーカー(S)
(1990年6月)

 前置きが長くなったが、このプロムスコンサートはライブではなくスタジオ録音で、グローヴズの75歳を記念して録音されたものだが、グローヴズは92年6月に亡くなり追悼盤として発売されたものだ。92年から衛星放送でプロムスの映像が流れるようになって私がプロムス好きになったのもこの頃だ。

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デュリュフレの名前が出てきたところでデュリュフレのレクィエムも取り上げておこう。

エレーヌ・プヴィエ(メゾ・ソプラノ)
グザヴィエ・デゥヴィエ(バス)
デュリュフレ=シュヴァリエ(オルガン)
コンセール・ラムルー管弦楽団,
フィリップ・カイヤール合唱団
指揮: デュリュフレ(モーリス)
(1960年頃)

デュリュフレのレクィエムはフォーレのレクィエムを意識した作品で類似した曲の構成をしているが、こじんまりとしたフォーレの作品と比べると、グレゴリオ聖歌を現代風にアレンジした感じのこの作品は宇宙的な広がりを感じさせるスケールの大きいものだ。

フォーレと同様に室内楽版が存在しオルガン伴奏版まであるが、まず室内楽版を作ってからフルオーケストラ版を作ったフォーレとは逆に、デュリュフレの場合はまずフルオケ版を作り、後からオルガン版と室内楽版を作っている。私はこの曲の持つ世界観(などとクリスチャンでない私が軽々しく言ってはいけないのだが)を理解するにはまずはフルオケ版の演奏で聞くべきだと思う。作曲者が自ら指揮してエラートに録音したこの演奏もフルオケ版だ。

この時期のフランスの録音は合唱団の出来が懸念されるが、フィリップ・カイヤール合唱団はこの時期としてはなかなかの健闘で、少なくとも聞き苦しいということはない。デュリュフレ自身がフルネとラムルー管、エリザベート・ブラッスール合唱団の1953年のフォーレのレクィエムの録音にオルガニストとして参加しており、またエリザベート・ブラッスール合唱団は1962年のクリュイタンスの新盤にも参加していることは前回書いた。当時パリでこの手の曲を録音する際はエリザベート・ブラッスール合唱団の起用が一般的だったと予想される。それにも関わらず自作の録音にフィリップ・カイヤール合唱団を起用したのはフルネとのフォーレのレクィエムの録音にデュリュフレ自身が満足していなかったからではないだろうか?

デュリュフレが起用したフィリップ・カイヤール合唱団という合唱団がどこの合唱団なのかはわからなかったが、この合唱団は同時期にフォーレのレクィエムをフレモー指揮モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団と同じエラートに録音しているのが注目される。録音状態から見てフレモーのフォーレはデュリュフレの自作自演の数年前の録音だと推定される。レコード芸術の資料ではフレモーのフォーレが1962年でデュリュフレの自作自演が1959年となっているが恐らく逆なのではないだろうか? 

私はフレモーのフォーレのレコードを聞いたデュリュフレがエリザベート・ブラッスール合唱団に替えてフィリップ・カイヤール合唱団をわざわざモンテカルロからパリに呼んでこの録音を行ったような気がしてならない。ひょっとしたらフレモーのフォーレよりデュリュフレの録音の方が先だったかもしれないが、いずれにしてもフィリップ・カイヤール合唱団の起用はデュリュフレの意図だっただろうと思わせるに足りる出来栄えで、まずはこの曲のスタンダードだと言ってよい。録音も決して悪くない。私が持っているのは1995年に出たCDだがこの2001年の再発盤もすでに生産中止で店頭流通分が最後のようだ。今のうちに入手されることをお勧めする。

このCDは2枚組みでそのフレモーのフォーレ(1960年頃の旧録)もカップリングされている。こちらは少々寝ぼけた音質で、悪い演奏ではないが今となってはお勧めとは言いにくい。しかしピエ・イエズスにボーイ・ソプラノを用いた(恐らく)初めての録音であることは注目に値する。大げさでない表現と合わせて指揮者の見識を示しているのだろう。

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オジェー追悼をもう1本いこう。

 アーリーン・オジェー(ソプラノ)
 ガブリエレ・ジーマ(メゾ・ソプラノ)
 ペーター・シュライアー(テノール)
 ヴァルター・ベリー(バリトン)
 ローラント・ヘルマン(バス)
 アルノルト・シェーンベルク合唱団
 (エルヴィン・オルトナー合唱指揮)
 コレギウム・アウレウム
 グスタフ・クーン(指揮)
(ユーチューブ)
http://www.youtube.com/watch?v=N-N8xsjwRvk

リッカルド・ムーティ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ルチア・ポップ(S)
アライサ・ヴァミリオン(A)
フランシスコ・アライサ(T)
オラフ・ベーア(Br)
サミュエル・ラミー(Bs)
http://www.youtube.com/watch?v=oaz5fvqODiY

ハイドンという作曲家は欧米では日本よりもはるかにメジャーなようで、カラヤンもベームもバーンスタインもバッハの宗教曲はほとんど振らなかったのに(カラヤンはロ短調ミサのみがレパートリーで、マタイは録音のみ)ハイドンのオラトリオは繰り返し振っている。テンシュテットやムーティ、レヴァインもしかり。アダムとイブのストーリーは欧米人にはよほど魅力的なのだろうか。

この演奏はハイドンの生誕250年記念イヤーにウイーンで演奏されたもの。この年はカラヤンもVPOを用いてこの曲を演奏しそれも優れた演奏だったが、この演奏はオリジナル楽器のコレギウム・アウレウムをカラヤンの助手だったクーンが指揮している。シュライヤー、ベリーといった歌手もどことなくカラヤン好みだが、私にとってこの演奏の最大の見所はオジェーのソプラノだ。現在までに商品化されたオジェーの映像としては最も初期のものだろう。ポップやマティスの演奏も良いが、ここでのオジェーの歌唱もそれらに並ぶ優れたものだろう。ポップより僅かに器楽チックな歌い方が古楽器のオケと合っていると思う。年代物の映像の割には画質も音質も良好で鑑賞に差し支えない。TDKのソフト事業は買収されて資本が変わったので国内盤は見込み薄だろう。


『天地創造』は創世記の時系列的な進行に沿って3つの部分から成っており、アダムとイブは第三部にしか登場しない。
第一部〜カオスの描写から神による創造の4日間
 第1日:混乱が去り、秩序が形成
 第2日:自然は天空とその下の水に分離される
 第3日:陸地と海が分けられる
 第4日:昼と夜、季節、日や年を分け、地を照らす光が出現
第二部〜天地創造の第5日と第6日
 第5日:水と大空に生き物の出現
 第6日:陸地に生き物の出現
第三部〜アダムとイヴの登場

第一部と第二部のガブリエル(ソプラノ)とラファエル(バス)がアダムとイブも歌ってしまえば歌手はソプラノ1人、テノール1人、バス1人の3人で済むことになるが、アダムとイブに別のソプラノ(メゾソプラノ)とバスを起用する場合は歌手は5人必要になる。このクーンの演奏もムーティの演奏も5人のソロを起用している。

奇しくもオジェーと同年に生まれ同年に亡くなったポップも天地創造を大変得意にし、バーンスタインとムーティとの演奏がレーザーディスクで発売されていたほか、ドラティともレコードを録音、その他に最近テンシュテットとのライブ演奏がCD化された。オジェーよりも僅かに表情が濃いが決してオーバーになるほどではなく、ほどほどにチャーミングでこれも魅力的。モダンオケがバックであればハイドンはこのくらいで良いと思う。ぜひDVD化を期待したい。

ポップのムーティとの演奏はユーチューブにたくさん上がっている。ここではオバサン眼鏡をかけているが、これもなかなか可愛らしい。ただしラミーの声は私はハイドン向きではないと思う。
http://jp.youtube.com/results?search_query=La+Creaci%C3%B3n+muti&search_type=&aq=f

テンシュテット盤ではポップさんがガブリエルだけでなく第三部のイヴも歌っているのが注目される。
(試聴サイト)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1406745

天地創造のDVDは他にもオリジナル楽器のホグウッド盤や、スコットランド室内管弦楽団のシュライヤー盤、PAL盤でのみ入手可能なショルティ盤、ウイーンフォルクスオパー盤などたくさんあって、マタイのDVDよりもはるかに多いように思われる。バッハはプロテスタントなのでカトリックは敬遠する傾向があるようだが(カラヤンがラテン語のロ短調ミサしか振らないのはそのため)、ひょっとしたらハイドンは宗派に関わらず振りやすいのかもしれない。その辺りの事情をご存知の方がいらしたら教えてほしい。

日本人はハイドンのオラトリオをもっと勉強する必要がありそうだが、かく言う私もスコアすら持っていない。IMSLPにフルスコアが上がっているので勉強しよう。
http://imslp.info/files/imglnks/usimg/1/1c/IMSLP16854-Haydn_creation_oratorio_full_score.pdf

対訳などを掲載したサイトも紹介しよう。
http://nagoyashimin.sakura.ne.jp/data/papa/frame/haydon_frame.html

・ハイドン:『天地創造』Hob.21-2〜独唱、合唱、管弦楽のための3部のオラトリオ
 第1部
 第1曲 ラルゴ : 混沌の描写 レチタティーヴォと合唱 : 「はじめに神は天と地を創造られた」-「そして、神の霊が水のおもてをおおっていた」(天使ラファエル、天使ウリエル)
 第2曲 アリアと合唱:「いまや聖なる光の前に」-「絶望と激怒と恐怖が」(天使ウリエル)
 第3曲 伴奏付きレチタティーヴォ:「神はおおぞらを造り」(天使ラファエル)
 第4曲 ソプラノ独唱付き合唱:「喜ばしき天使たちの群れは驚きをもって」-「そして、彼らの喉から声高く」(天使ガブリエル)
 第5曲 レチタティーヴォ:「また神は言われた。天の下の水は一つ所に集まり」(天使ラファエル)
 第6曲 アリア:「泡立つ波をとどろかせて」(天使ラファエル)
 第7曲 レチタティーヴォ:「神はまた言われた。地に青草と」(天使ガブリエル)
 第8曲 アリア:「いまや野は爽やかな緑をさしいだして」(天使ガブリエル)
 第9曲 レチタティーヴォ:「やがて天使たちの軍勢が」(天使ウリエル)
 第10曲 合唱:「弦の調べを合わせよ」
 第11曲 レチタティーヴォ:「神は言われた。昼と夜とを分け」(天使ウリエル)
 第12曲 伴奏付きレチタティーヴォ:「いまや輝きにみちて、陽は」(天使ウリエル)
 第13曲 独唱付き合唱:「もろもろの天は神の栄光をあらわし」-「この日は訪れくる日に」(天使ガブリエル、天使ウリエル、天使ラファエル)

 第2部
 第14曲 レチタティーヴォ:「神はまた言われた。水は、生命をもち」(天使ガブリエル)
 第15曲 アリア:「力強い翼を広げて」(天使ガブリエル)
 第16曲 伴奏付きレチタティーヴォ:「神は、大きな鯨と」(天使ラファエル)
 第17曲 レチタティーヴォ:「やがて天使たちは彼らの不滅の竪琴を奏で」(天使ラファエル)
 第18曲 三重唱:「若々しき緑に飾られて」(天使ガブリエル、天使ウリエル、天使ラファエル)
 第19曲 独唱付き合唱:「主は、その御力によりて大いなり」
 第20曲 レチタティーヴォ:「神はまた言われた。地は生きものを」(天使ラファエル)
 第21曲 伴奏付きレチタティーヴォ:「大地はただちにその胎を開き」(天使ラファエル)
 第22曲 アリア:「いまや天は光にあふれて輝き」(天使ラファエル)
 第23曲 レチタティーヴォ:「そこで神は、その御姿に従って」(天使ウリエル)
 第24曲 アリア:「威厳と気高さを身につけ」(天使ウリエル)
 第25曲 レチタティーヴォ:「そこで神が、つくられたすべてのものを」(天使ラファエル)
 第26曲 合唱:「大いなる御業は成りぬ」
 第27曲 三重唱:「おお主よ、すべてのものはあなたを仰ぎ見」(天使ガブリエル、天使ウリエル、天使ラファエル)
 第28曲 合唱:「大いなる御業は成りぬ」

 第3部
 第29曲 ラルゴ-伴奏付きレチタティーヴォ:「薔薇色の雲をやぶり」(天使ウリエル)
 第30曲 二重唱と合唱:「おお主なる神よ、天地はあなたの御恵みに」-「主の御力に祝福あれ」(イヴ、アダム)
 第31曲 レチタティーヴォ:「われらは創造主に感謝を捧げ」(アダム、イヴ)
 第32曲 二重唱:「やさしき妻よ、おまえの傍らにあれば」(アダム、イヴ)
 第33曲 レチタティーヴォ:「おお幸いなる夫婦よ、持てるものより多くを欲し」(天使ウリエル)
 第34曲 終曲合唱:「すべての声よ、主に向かって歌え」

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