こだわりクラシック Since 2007

12月までに移行します。コメントも手作業でコピーする予定です。

ブラームス

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 前のページ ]

イメージ 1



シノーポリ指揮チェコフィルハーモニー
プラハ・フィルハーモニー合唱団
ソプラノ:ルチア・ポップ
バリトン:ヴォルフガング・ブレンデル
(1982年録音)


この曲もマタイ受難曲を取り上げて以来ずっと取り上げようと思っていた曲だ。現在手元にあるディスクは以下の10種類だ。87分のチェリビダッケと82分のテンシュテットを除けばどれも1枚に収まっている。LPは2枚組で聴くのが大変だったが、CD時代になって鑑賞しやすくなった。

どれもなかなか聴き応えのある演奏で一定水準はいずれもクリアしている点がモーツァルトのレクィエムの場合と大きく異なる。演奏の仕方がある程度確立している名曲とでも言うべきだろうか? あるいは20世紀的なオーケストラの美学とマッチした名曲とも言えるかもしれない。

カラヤン/BPO(1964)
カラヤン/BPO(1976)
マゼール/ニューフィルハーモニア(1976)
カラヤン/BPO(1978ライブ、DVD)
クーベリック/バイエルン放送響(1978ライブ)
ハイティンク/VPO(1980)
チェリビダッケ/ミュンヘンフィル(1981ライブ)
シノーポリ/チェコフィル(1982)
テンシュテット/LPO(1984)
ヘルヴェッヘ/シャンゼリゼ管(1996)

ブラームスはプロテスタントだったのでラテン語によるミサ曲は書かなかったが、ドイツ語訳の聖書から自由に歌詞をとりドイツ・レクィエム(正しくは「ドイツ語によるレクィエム」)を作曲した。同じくプロテスタントだったバッハのマタイ受難曲がメンデルスゾーンにより復活上演された影響を受けていると考えられる。歌詞の内容およびブラームスへのバッハの影響については下記のサイトを参照されたい。

歌詞対訳・逐語訳と研究(名古屋市民コーラスのサイト)
http://suisen.sakura.ne.jp/%7En-shimin/data/deutsreq/frame/brahms_frame.html

歌詞対訳(国本静三氏のサイト)
http://homepage2.nifty.com/pietro/storia/brahms_deutchesrequiem.html

発音と逐語訳(R&M合唱音楽研究所)
http://www2.odn.ne.jp/row/sub2/brahms/brahms_c.htm

ブラームス研究(Ensemble Voce)
http://www.prmvr.otsu.shiga.jp/EnsembleVoce/Brahms/Brahms0.html

ドイツ・レクィエムのディスコグラフィーと演奏時間(シュナイト・バッハ合唱団のサイト)
http://schneidtbach.web.infoseek.co.jp/archive.html

演奏を録音順に見ていく。カラヤンの1964年盤はこの曲を得意にしたカラヤンの基本スタイルが確立した演奏として記念碑的だ。ウイーン楽友協会合唱団を起用するためにBPOがウイーンの楽友協会大ホールで録音した珍しい演奏。少し残響が多い録音のように感じられるが最近OIBP化もされているのでそれを聴けば多少印象は変わるかもしれない。バリトンソロのヴェヒターも悪くないが全盛期のベリーで聴いてみたかった。

カラヤンの1976年盤は逆に楽友協会合唱団をベルリンに呼んで録音したもの。磨き上げられた演奏の集中力は素晴らしいが、EMIの録音のせいもあってこの曲にしては耽美的で華麗過ぎる音になってしまったのが難点。バリトンにダムを起用したのは正解。この曲のバリトンソロはバスバリトン系の深い声が合っている。

マゼールの演奏は実はプライのバリトンソロが聴きたくて買ったもの。マゼールのテンポが心持ち速めで、もう少し遅めの方がプライのバスバリトン系のたっぷりした声に合ったように思った。プライの歌がやや子音が強く、歌の表情が付きすぎているように感じられるのはマイクや録音のバランスのせいもあるだろう。

カラヤンの1978年のザルツブルグライブは3種あるカラヤン/BPOの演奏の中で一番テンポが速く、ライブらしい一貫した流れの中に言いたいことがぎっしり詰まっている。ちゃんと両目を開けて指揮棒を持たないで颯爽と振る姿は文句なく格好いい。母国語とは言え合唱団は全曲暗譜で歌っているのも素晴らしい。カラヤンのこの曲の演奏ではこれを選ぶべきだろう。このDVDは現在廃盤中だが近く字幕入りで復活するようだ。

クーベリックの放送用ライブ録音はこの人らしい真摯で落ち着いた表現が好ましいが、第二楽章の弦の主題を1音1音切っているのが珍しい。楽譜にはそういう指示は見あたらないのだが、何か根拠があってそうしているのだろう。でも私は普通にレガートに演奏してほしかった。同時期の演奏がDVDでも出ているがモノラル録音のようだ。

第二楽章のスコア
http://www.dlib.indiana.edu/variations/scores/bgp4066/large/sco20024.html

ハイティンクの1980年の録音もVPOを起用した美しい演奏だがウイーン国立歌劇場合唱団が例によってビブラートがきついのが残念。

チェリビダッケのライブ録音は87分という超スローテンポだが、まだ元気だった1981年の録音だけに弛んだ印象は受けない。少し遅めかなという程度だ。私が前にも書いた通りブラームスはメトロノーム指定などを残す人ではなかったのでこのような演奏も許容されるだろう。ただ第一楽章で音楽が盛り上がるところでテンポを遅くするアゴーギグがやや恣意的に感じられる点とバリトンソロがやや弱いのが残念。

シノーポリがチェコフィルと録音した演奏は発売当時から私が気に入っている演奏。ブラームス大全集の声楽曲編の1部として収録された。ドイツ語圏の演奏ではないが、イギリスの合唱団のような違和感はしない。まだ東欧が崩壊する前のチェコでなぜシノーポリがブラームスを録音したのかは良く分からないがこの共演は成功していると思う。シノーポリはドレスデン国立歌劇場のシェフとしても活躍したが東欧にパイプを持っていたのだろうか? 合唱も良い。バリトンソロのブレンデルはやや軽いがソプラノのポップは美しい。

テンシュテットはチェリビダッケに次ぐ遅いテンポで入魂の演奏だ。デジタル初期の録音のせいもあって合唱がややドライで軽い音に仕上がってしまっているのが残念。演奏のコンセプトと録音のコンセプトが合っていないように思う。この頃のEMIの録り方はマーラーなどはともかくブラームスにはどうだろうか.....

ヘルベッヘはブラームスの時代の響きの再現を目指した演奏で清楚で簡潔な響きがこの曲の新しい側面を引き出している。66分という演奏時間はこの曲としてはかなり早い部類に属するだろう。

イメージ 1




今回もまずは曲について

初演:
1876年カールスルーエ。

 この当時すでにリストやワーグナーといった前衛的な作曲家が交響詩や楽劇といった新しいジャンルを開拓していた。シューマンの交響曲第四番の改訂稿が1853年に初演されてからすでに20年以上経っていた。この時代は交響曲というスタイルが古臭いものと見られていた交響曲の「冬の時代」だったようだ。もちろん交響曲を作曲する作曲家が全くいなかったわけではないが、ドボルザークの初期の交響曲(昔は番号が振られていなかった)や、チャイコフスキーの1番〜3番、あるいはブルックナーの交響曲0番〜4番(初稿)といったところだ。

 この曲の着想から完成まで21年もの長い時間がかかったのは、ドイツレクイエムやピアノ協奏曲第一番ですでに大家となったブラームスに正統的な交響曲を期待する世間の強いプレッシャーが原因だと考えられる。しかしブラームスは見事にその期待に応え、同世代の作曲家にも強い影響を与えたことはその後の交響曲の歴史が証明している。交響曲というジャンルを救った1曲と言えるだろう。


編成:
フルート 2
オーボエ 2
クラリネット 2
ファゴット 2、コントラファゴット1
ホルン 4
トランペット 2
トロンボーン 3(第四楽章のみ)
ティンパニ
弦五部 (第二楽章でバイオリンソロあり)

 標準的な二管編成。ベートーベンの第九に習ってトロンボーンを終楽章のみで使うという手法は2番以降も踏襲された。コンサートマスターがバイオリンソロを弾くというスタイルはシューマンの第四番を彷彿させる。
http://www.dlib.indiana.edu/variations/scores/bhr2575/large/sco10068.html#70

曲の構成:

第1楽章 Un poco sostenuto(やや音を保って)〜 Allegro
ハ短調、6/8拍子

第2楽章 Andante sostenuto (音を保って)
ホ長調、3/4拍子

第3楽章 Un poco allegretto e grazioso (優美に)
変イ長調、2/4拍子

第4楽章 Adagio 〜 Più andante 〜 Allegro non troppo, ma con brio (急がずにしかし活気をもって)
ハ短調→ハ長調、4/4拍子

 メトロノーム指定がないのはブラームスのいつもの通り。第一楽章序奏部のUn poco sostenutoは音楽の表情を示す「発想記号」であり速度記号ではない。このため序奏部をどのようなテンポで演奏するかは指揮者の設計に大きく依存する。


このディスクについて

 この曲の名盤にまず挙げられるのはベームがベルリンフィルと1959年に入れたこの演奏だろう。当時ウイーンフィルはデッカとEMIにしか録音できなかったのでベームとカラヤンは同じ時期にベルリンフィルを振って同じ曲をDGに録音している。この曲以外ではシューベルトの8番9番、ベートーベンの3番7番といったところだが、このブラームスについてはベーム盤の方が素晴らしいと私は思う。

 序奏からやや速めのテンポ、ストイックで筋肉質に引き締まっているが神経質なところはどこにも感じさせない雄大なブラームスだ。1963年のカラヤンの録音と比較してマイクが近めだが、演奏の性質とマッチしている。両方ともHMVのサイトで試聴できる。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1414782
http://www.hmv.co.jp/product/detail/340477

 ゆったり構えたカラヤンの演奏も決して悪くないが、悠然としたテンポでいくならば序奏がまるでお経の木魚のような宗教観すら漂わせるチェリビダッケ/ミュンヘンフィルをとる。私見ではチェリはメトロノーム指定がない音楽にめっぽう強い!

 なおこの曲の演奏では第四楽章のコーダ、ドンチャン騒ぎに入る直前の金管のコラールでティンパニのパートを大げさにアレンジしている演奏がしばしばある。(413小節と415小節)このアレンジはトスカニーニが元祖とも言われており、ミュンシュや小澤もそうだ。しかしこの部分はあたかもハイドンの交響曲のように2発でビシッと決めるからこそ正統的なシンフォニー作家の継承者たるブラームスの面目が躍如としているのであって、ここをアレンジするのはブラームスの様式を逸脱していると私は考える。

http://www.dlib.indiana.edu/variations/scores/bhr2575/large/sco10153.html#161  

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 前のページ ]


.
検索 検索
たか改め「みんなのまーちゃん」
たか改め「みんなのまーちゃん」
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

過去の記事一覧

友だち(5)
  • noriko
  • ミキ
  • サヴァリッシュ
  • maskball2002
  • 恵
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事