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セルジュ・ボード指揮パリ管弦楽団
1969年録音
東芝EMI TOCE-7157
今回もフランスのオケで行こう。現在手元にある管弦楽版の演奏は少なくとも以下の20種類。ストコフスキー盤とアシュケナージ盤は自身の編曲、それ以外はラベルの編曲だが、ショルティの1990年のライブ映像(サントリーホール)はサミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレのトランペットの旋律をムソルグスキーのオリジナル通りに嬰へ音に直しているのが珍しい。
カンテルリ/NBC響
クリュイタンス/パリ音楽院(1956)
クリュイタンス/フランス国立放送管(1960ライブ、DVD)
クリュイタンス/RAIミラノ管(1962ライブ)
ジュリーニ/フィルハーモニア(1964ライブ、DVD)
ストコフスキー/ニューフィルハーモニア(1965)
カラヤン/BPO(1966)
ボード/パリ管(1969)
チェリビダッケ/シュトゥッツガルト放送響(1976ライブ)
オーマンディ/フィラデルフィア(1978ライブ、DVD)
チェリビダッケ/ロンドン響(1980ライブ)
チェリビダッケ/ロンドン響(1980ライブ、DVD)
アシュケナージ/フィルハーモニア(1982)
カラヤン/BPO(1986ライブ、DVD)
チェリビダッケ/ミュンヘン(1986ライブ)
ショルティ/シカゴ響(1990ライブ、LD)
チェリビダッケ/ミュンヘン(1993ライブ)
ジュリーニ/BPO(1990)
ゲルギレフ/VPO(2000ライブ)
デブルゴス/イタリア国立放送響(2003ライブ、DVD)
一見してフランス系の演奏が意外に少ないことが分かる。フランスのオケはクリュイタンスのモノラル録音と古い映像を除けばこのボードの演奏しかない。私のコレクションは特に大きく偏ったものではない。チェリビダッケの演奏が多すぎるのを除いて(笑)。パリ管やフランス国立管のこの曲の録音というのはなぜかあまり存在しないのだ。
少なくともクリュイタンスは良く振っていたようなのでフランスでは日本やアメリカのようにこの曲が愛好されていないという訳ではないだろう。なぜなのか良く分からないが、フランスのオケ、しかも全盛期のパリ管の演奏という点はこのディスクのレア物度を大きく高めている。
パリ音楽院を指揮したクリュイタンスの1956年のモノラル録音はマイクが近めで音自体は比較的良く入っている。しかしこの時代のフランスのオケの特徴である金管楽器のビブラートがきつすぎて、トランペットの有名なプロムナードは正直ここまでやられると笑ってしまう。1960年のフランス国立放送管との映像は「濃さ」が少し薄まってきているように思うが、音に限界があるので正確な判断はできない。
かといってバレンボイム時代のパリ管のようにドイツ式の管楽器に変えてしまってはつまらないので1960年代から1970年代前半ぐらいまでのパリ音楽院とパリ管が私にとって理想のフランスのオケだ。この音色があったからこそカラヤンやショルティもわざわざ二股かけてパリ管のシェフを引き受けたのだろう。
セルジュ・ボードはフランス人らしく品が良い演奏だが鳴らすところはちゃんと鳴らしており聴き応えが足りないということはない。確かにゴリゴリと押すようなパワーを求める向きには向かない演奏だろうが、ぜひリマスターして再発売してほしい演奏の一つと言えるだろう。
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