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チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィル
(1986年?)
これも私がお気に入りのチェリビダッケのブラームスだが、METEORのMCD-019というこの海賊盤はEMIが発売した1991年の演奏ではなく1986年頃と思われるライブ録音だ。91年の演奏はチェリビダッケの晩年スタイルがやや強く出過ぎていて第二楽章のアダージョなどはちょっとブルックナーのように響いてしまう。チェリ好きにはそれもたまらないが公平な耳で一般的にお勧めするには若干のためらいがある。
かといってDGが発売した75年のシュトゥッツガルト盤はチェリらしさがまだ十分に発揮されていない。80年代のチェリビダッケは良い演奏が多い。ひっそりとした静けさと透明感の中に長年演奏してきたこの曲への慈しみが感じられる(ジャケット写真はこの演奏の雰囲気を良くあらわしている)。チェリビダッケがいかに素晴らしい指揮者だったか多くの人に知ってもらいたいのだが海賊盤でしか聴けないのは大変残念だ。中古屋で見かけたらぜひ入手してほしい。以前紹介したクライバー/VPOの1988年のブラ2(これも海賊盤だが)がこの曲の「動」の究極だとすれば、この演奏はこの曲の「静」の究極だと思う。
参考までにチェリの3つの演奏時間をあげておく。1,2,4楽章はほぼ1分ずつ遅くなっている。楽章間や拍手の時間を含んでいるので若干の誤差はあるだろうが、この3つがかなり性格の異なる演奏であることはこれを見ただけでご推測頂けるのではないだろうか。
DG:シュトゥッツガルト放送響(1975)14:45/11:15/5:19/9:54
METEOR:ミュンヘンフィル(1986?)16:09/12:04/5:34/10:59
EMI:ミュンヘンフィル(1991) 17:15/13:04/6:02/11:44
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